当事務所のブログをご覧になっている方の多くは闇金被害に遭い，これからどうすべきか困っているのではないでしょうか。
自分ひとりの力ではどうしようもできない，怖い，誰かに助けて欲しいとなった時に，弁護士や司法書士のような専門家に依頼しようか迷うと思います。今の生活をやり直すためにも専門家への依頼は非常に有用な決断だと思います。
しかし，司法書士や弁護士への依頼後もヤミ金問題を解決出来ずにお金を払い続けているという方がいます。原因は依頼後した後も闇金と連絡を取り合ってしまった事です。
どうして縁を切るつもりで専門家に依頼したのに，闇金との関係を継続することとなってしまったのか。これからお話することは，ご依頼を検討されている方に必ず知っておいて欲しいことです。
なぜ連絡を取ってしまったのか
当事務所では，ご依頼頂く時に必ず闇金とは一切連絡を取らない（メール，LINE全て）・接触を取らない，お金は払わないことを約束していただいています。こういったお願いをするのには理由があります。
約束に反し，縁を切るはずだった闇金との関係を継続する事となったよくある事例を3つご紹介します。
事例1：和解を提案する
司法書士に依頼後，次のような文面のメールが届きます。「司法書士に依頼したんですね。○○さんがそんなに切羽詰ってたとは知りませんでした。でも司法書士を入れるともう他からも借りられなくなりますけど○○さんはそれでいいんですか？もしよければ3万で和解しませんか？それならまた○○さんが困ったときに力になれますよ。司法書士には言わないことが条件です。連絡待ってます」
この話に乗ってヤミ金と連絡を取り3万を払ったところ，すぐに次の借入をするよう強要されて結局ヤミ金との取引を続けてしまった。
本来であれば闇金からのメールは拒否していただいているはずですが，その作業を怠るとこのように接触され「またお金を借りる必要が出てきたときに困るかもしれない」と思わせ，取引を続けさせ，依頼以前と何も状況が変わらない結果となります。
事例2：脅して関係を継続させる
職場に生命保険会社を名乗って連絡が入ったので電話に出たところ，「（ヤミ金の）○○だ。司法書士に依頼したんだな。お前ウチをナメてんのか？司法書士に依頼したからってコッチが諦めると思うなよ。会社をクビになるか，5万で完済するか今日中に選べ。司法書士に言うなよ。」との電話を受け，嫌がらせを恐れ仕方なくヤミ金に5万を払ったところ，「次は今回の迷惑料を払え」などと更に脅されて完済できずに支払いを続けることになってしまった。
こちらも本来はうっかり電話に出てしまったとしても，相手が闇金であると判明した時点で取り合わずに電話を切っていただいています。相手の恫喝を聞くと本当にとんでもない事をされるのではないかと怖くなり，払ってしまう事を防ぐためでもあります。もとは督促が怖くて依頼をしたのに，闇金の思うツボとなるケースです。
事例3：情に訴えられる
司法書士に依頼後，自分の携帯に知らない番号から着信があり闇金とは思わずに電話に出てしまった。すると「電話かけても出てくれないから，別の番号で連絡しましたよ。闇金の××です。司法書士の方から連絡きましたよ･･･。本当に残念です。最初に○○さんがこちらに連絡をくれた時，本当は融資するのお断りする予定だったんです。でも○○さんが本当に困っていると仰るから，私が精一杯上司にお願いして融資したんですよ！こんな仕打ちって無いですよね。これからも○○さんとは特別に良い条件で関係を続けて行きたいと思っていたんです。
○○さん他にも闇金から借入されてましたよね？他の業者さんは司法書士に整理してもらって，ウチへの手続はキャンセルしてください。特別に2万払ってくれれば終わりにしますよ。○○さん，信用していますからね。」と言われ，お世話になったしなぁと急に申し訳ない気持ちになり払ってしまう。その後も相手から追加融資の提案があり結局関係を継続してしまう。
こちらは事例1と類似するケースですが「あの時助けた」「信じてた」という言葉を多用し，情に訴えかけ，なんとなく自分が悪い事をしてしまったたような気にさせ支払わせる手法です。
どこからも借入が出来なかった貴方を私達が救ってあげと恩を売り，返さないなんて人として問題があるなどと言ってくる事もあります。冷静に考えると犯罪行為をしているにも関わらず，人としての常識を振りかざすのは如何なものでしょうか。
専門家に依頼しても縁が切れない原因は同じ
その他にも闇金との関係性が切れ無い事例は多くありますが，この手の被害に遭う方に共通することは「事件の依頼後にヤミ金と話をしてしまった」ということです。
通常，ヤミ金に関する依頼を受けた専門家は，以後ヤミ金と連絡を取らない，知らない番号にも出ない様に言うはずです。これに反してヤミ金と連絡をとってしまうと，これまでにない口調で脅されたり，一見有利な条件を示されて口車に乗ってしまったりして，結局依頼した意味のないことになり場合によっては依頼する前よりも酷い状態になってしまうということがあります。
闇金は相手の隙につけこむプロです。専門家に依頼しても，これらの事例のように関係を継続してしまう事を闇金は知っていますし，いかなる手段をつかっても貴方と接触し言葉巧みに関係を継続させようとします。だからこそ私達は全ての接触を絶つようにお願いしているわけです。
以前に他の事務所についてのクレームに関する相談を受け，「電話に出るなと指示されたが会社に電話がしつこいから闇金と直接話をしてる。弁護士に依頼しても意味ないってことか？」 といった話を聞いたことがあります。残念ながらこのような対応をされる方は，どこの事務所に依頼されたとしてもヤミ金問題の解決は出来ません。
ヤミ金は，本人と話が出来るのであれば代理人である私達との話し合いには応じません。 会社に電話をすれば本人と話せるのなら闇金は金が取れるまで会社に電話を架け続けてきます。
ご本人は会社に迷惑をかけたくないから電話に出るのでしょうが，その行為は「今後もどんどん会社に電話してください」と言っているに等しいものです。こうして，「電話には出ない」「ヤミ金とは話さない」という指示を守れない人はヤミ金とは縁が切れません。
本当に解決したいと思っていますか？
一般の消費者金融が相手方の場合は，弁護士や司法書士へ依頼すると本人への連絡は一切止まりますし，手続もお任せ状態で借金問題が解決できます。
しかし闇金が相手の場合はそうはいきません。私達は専門家として解決に向け全力で対応しますが，被害者ご本人の協力が必要不可欠なのです。
専門家を信頼してご協力を頂ければヤミ金問題は必ず解決出来ます。 逆に，闇金を信頼して専門家からの指示を無視すれば問題は一層解決困難となるでしょう。
依頼するかどうか検討している方は，本当に闇金との関係を切りたいと思っているのかどうか今一度考えてみてください。
どうして連絡を取らないようにお願いしているのかご理解いただけたと思います。専門家に依頼されたのであれば守るべきことはしっかり守ることが闇金問題解決の早道です。闇金に言うことに惑わされて更なる被害に遭わないようご注意ください。
また闇金に「弁護士や司法書士に依頼しても無駄だからな」と言われ迷っている方はこちらの記事弁護士等へ相談するなというソフト闇金の脅し〜報復はあるのか〜を是非参考にしてください。
