相談員の石川です。
「自分はヤミ金にお金を借りた事実はない」とおっしゃる被害者の方は，割に多いです。今回は，借りてもいないのになぜ被害にあうのかというお話をしたいと思います。
ある相談者のケースです。
融資の申し込みをしたら，審査のために返済実績を作るように言われました。業者の話では，「5000円を振り込むから1週間後に2万円振り込んでください。確認できたら希望額を融資するし，先に振り込んでくれた2万円も返金します」とのことでした（業者はこれを実績融資と呼んでいます）。
言われたとおりに支払いをしましたが「まだ実績が足りないので，もう1度1週間後に2万円振り込んでください」と連絡がありました。この後も何度も同じように振込をさせられましたが，最初に提示された融資は今も実行されていません。
この方は，融資審査のために便宜上，貸付と返済をしているという認識でいたため「自分はヤミ金からお金を借りたわけではない」と考えていました。お金を借りたわけではないから，当然いつでも業者と縁を切ることが出来ると思っていたのですが，そううまく関係を断つことはできません。
融資の申し込みをキャンセルしますと伝えた途端，「今更取りやめはできない，払わないなら勤務先や家族に連絡して払わせる」とヤミ金は脅しをかけてきます。 借りたつもりはなくても，お金を受け取ったり払ったりすれば，それは業者と取引したことにほかなりません。
そして一度でもヤミ金と関係を持ってしまうと上記のように家族や職場に被害が及んだり，教えたあなたの口座がある日突然凍結されてしまうなどのリスクを負うことになります。
犯罪者とは関わらないのが一番ですが，もし関わりを持ってしまったらできるだけ早く縁を切るべきです。ご自身での対応に不安を感じるようであればすぐに専門家に相談してください。
