闇金の取立ての実際-闇金の脅しはどこまで本当か-

公開日:2016/02/16更新日:2018/11/26

カテゴリー:司法書士 タグ: ,

闇金の取立て・脅し

司法書士の下東です。

闇金を効率よく営業するためには効果的な取立て・脅しを入れて被害者の心を折るということにかかっています。

ひとたび心を折ってしまえば以降はなんでも言いなりにさせて金を搾取し続けることが出来ますから,闇金の内部では効果的な脅しや嫌がらせを用いていかに短時間のうちに被害者を屈服させることが出来るかで評価が分かれ,収入にも差が出るのです。

よって,闇金業者は被害者に対する効果的な脅しの入れ方に常に腐心おり,そのやり方は巧妙を極めています。

これに対して,被害者の多くはなんの予備知識もなく接しています。

となれば,闇金の脅しはどこまでが本当で,ハッタリに過ぎないのはどういったものなのかについて区別は難しいでしょう。

そこで今回は,闇金の良く使う脅し文句が実際に実行されるものなのか否かについて分類してみたいと思います。

※今回は,090金融のような一度も会わずに取引するタイプの闇金についての記述です。

脅しに過ぎず実行に移される可能性が低い取立て

闇金が取立ての際に頻繁に使う脅し文句のうち,まず実際にはやってこないであろうものです。

下記に挙げたものは闇金が多用するものなのですがまず実行されません。

自宅に追い込みに行く

闇金が延滞者に多用するのが「自宅に追い込みに行く」との言葉です。

よく言ってきますが実際に来る闇金はいません。

闇金にとっては自宅まで取立に行くというのは逮捕される可能性があるリスキーな行為ですからそんなことをやるわけがないのです。

当事務所では念のため依頼者の方に対して「家に来たらすぐに110番した上で当事務所にも連絡をください」とお伝えしていますが,実際に家まで取り立てに来た闇金は皆無です。

※元々会って取引している場合は自宅に来ることもあります。

内容証明を送る

脅しとして成立しているのかどうか私にはよく分からないのですが,自宅や会社に内容証明を送りつけると脅されて困っているという相談がそれなりに多く入ってきます。

闇金から内容証明郵便が届いたからといってどうということもないですがこれも実際は送られてくることはありません。

口座・給料を差し押さえる

口座や給料を差し押さえるためには原則としてその前に裁判を起す必要がありますが,そんなことをしてくる闇金はいません。

そもそも本名すら名乗れずこそこそしているのが闇金の実態なのですから,堂々と差押さえ等の法的手続きを執れるはずがありません。

子供をさらう

小学生以下の子供がいる世帯に対して頻繁に聞かれる脅しです。

頻繁に聞きますが実行されることはありません。

当事務所でも例がありませんし,他事務所さんの話でも聞いたことがありません。

万一のことを考えると心配になってしまうのは分かりますが子供をさらうなどというハイリスクなことをたかだか数万円の金の回収のことでやるはずないので心配は無用です。

一生追い込む

「お前だけは許さない。一生追い込みをかける」などと言う脅しもかなり効果を上げるようです。

ですが実際にはこの「お前だけは」というのは返済が遅れた者全員に対して言っていると思って間違いありません。

それに,闇金というのは犯罪を犯してでも楽して稼ぎたいという考えの半端者がやることですから,そういった人間に「一生追い込む」などという根気があるはずありません。

いずれにせよ,闇金はビジネスでやっていますから数万のことで長期間追い込むというようなことをやるはずがないので心配には及びません。

場合によっては実行に移される可能性がある取立て・嫌がらせ

脅しでは済まずに実行されることがあるものは以下のようなものです。

電報を送る

先ほど内容証明を送ってくる闇金はいないと書きましたが,電報を送ってくることはあります。

電報は内容証明より簡単に送れるので闇金が多用するツールなのです。

しかし,電報になにか法的効果があるわけではないので恐れる必要はありません。

もし恐ければ受取りを拒否してしまってください。

出前を大量に頼む

自宅や会社に大量のピザ,寿司,そば,ラーメンなどの出前を勝手に頼むという古典的嫌がらせですが未だにやる闇金はそれなりに多くいます。

こういう嫌がらせをやる闇金は間違いなく悪質な部類の業者です。

嫌がらせに屈して相手のいいなりにお金を払っても,味を占めた闇金から更なる追加請求を受けることが多いですから,仮に出前が届いたとしても動じずに「頼んでいません」と断ってしまい,闇金からの連絡も無視することです。

子供のイタズラと同じで,リアクションをすれば面白がって余計にやってきますが無視すればすぐにこの手の嫌がらせはなくなります。

消防車,救急車,警察を呼ぶ

火事やけが人が出たと嘘の通報をして消防車や救急車,パトカーを出動させ,被害者を精神的に追い詰める手口です。

これも悪質業者が頻繁に使う手口です。

ある闇金業者が言っていましたが,これをやると観念して連絡してくる債務者が多いそうです。

逆にいえば,この手段に出られても無視を決め込めれば闇金は手を引く方向に流れます。

近所の人に嫌がらせ電話を入れる

地方にお住まいの方や実家が地方にある方はこういう被害に遭いやすいです。

古い電話帳や名簿などを当たり,近所の方の連絡先を調べて片っ端から嫌がらせの電話をかけていくのです。

これをやられると本人ではなく親や親戚が参ってしまい,本人に代わって闇金にお金を払ってしまったという被害例が多く見受けられます。

しかし,多くの場合で,お金を払っても解決にならず更に恐喝され続けるという結果になりますから絶対に闇金に言いなりになってはいけません。

他の債務者を回収に寄こす

その闇金から借りている別の債務者に対して支払の猶予や免除をするから代わりに回収に言って来いと指示して自宅まで行かせる手口です。

他の手口に比べると実際に行われる可能性は低いのですが1ヶ月に1回くらいは被害相談が入ります。

現実に人が来るので人によってはかなりの恐怖を感じるようですがタネが分かればどうってことはありません。

無視してしまえばすぐに帰っていきます。

闇金のいう脅しを真に受ける必要はありません

今回は闇金が使う脅し文句について実際にやってくることとこないことを分類してご紹介しました。

ポイントは,闇金は口だけは達者だが実際には来ないということです。

彼らに出来ることといえば基本的にいたずら電話の域を出ず,実際に自ら回収に来るなどということは闇金風情には怖くて出来ないのです。

これさえ分かっていれば必要以上に怖がる必要はありませんし,いつまでも無駄にお金を払い続けるということもなくなるのではないでしょうか。

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