闇金の嫌がらせ手口と対処法

公開日:2015/04/23更新日:2018/11/26

カテゴリー:司法書士 タグ:

司法書士の下東です。

闇金の嫌がらせはいつの時代もそれほど進歩はありません。

特に非対面の闇金業者の出来ることは限られており,通常は嫌がらせといってもいたずら電話の域を出ません。

しかし,そのいたずら電話程度のものであっても心の準備がないと精神的ダメージが大きいということもあるでしょう。

そこで今回は最近よく見受けられる闇金の嫌がらせや取立ての手口をご紹介したいと思います。

闇金からのメール・SMSでの脅迫

例えば次のようなメールを送りつけてきます。

お前だけは許さない
いつまでかかっても絶対に回収するからな
警察・弁護士・司法書士に行ってもウチは関係ないから
今のうちに連絡してくれば許してやるから今すぐ連絡してこい!

「お前だけは」と強調してメッセージを送ってくるのは闇金の常套手段です。
あなたの件については特別に頭にきているからいつまでかかっても(採算度外視でも)回収をかけるということを伝えて脅すわけです。

しかしこんなものに屈する必要はありません。
こういうメッセージはほとんど定型文のようなもので,入金を不履行したり,支払いを渋りだした人すべてに送っているのです。

ですからこういうメッセージを受け取ったとしても字面のとおり考える必要はありません。
当事務所の経験上,「いつまでかかっても絶対に回収する」などど威勢のいいことを言いながらそれを実行出来た闇金はいません。

それに,闇金として儲けていくためには効率よく回収をすることと,常に新規客を確保していくことの2点に尽きますから,「いつまでかかっても絶対に回収する」などということはよほどの素人闇金でない限りやりません。

回収可能性の低い相手にいつまでもかかずらっているよりは,新規客確保のための営業電話に精を出したほうが闇金は儲かるのです。

脅しに過敏に反応して闇金の効率的回収に寄与しないようにしましょう。

また,「警察・弁護士・司法書士を入れてもウチは関係ない」というのもほぼ全ての闇金業者が言うことです。

が,これも実際には行って欲しくないので予防線を張っているに過ぎません。

本当に関係ないのであればそれをわざわざ伝える必要はないですからね。

闇金業者は,専門家等の第三者が間に入ってくると以後の回収可能性がほぼゼロになるため都合が悪いのです。

よってこういった脅しを受けたとしても悲観的になる必要は全くありません。

闇金による出前・配達系の嫌がらせ

闇金が勝手にピザ屋やそば屋の出前やコメの配達,デリバリーヘルス等を勝手に呼ぶ昔ながらの手口です。
そもそもこの嫌がらせをされたことで観念して支払いをするというような方は極めてまれだと思われますが,なぜか闇金には根強い人気があります。

これらのものが届いたとしても頼んでないと言って断ってしまえば済む話です。
多少申し訳ない気持ちになるのは否めませんが,頼んだのは闇金でありあなたではないのですからあまり気に病む必要はありません。

ただ一点注意して頂きたいのは,これらの行為は次の嫌がらせのための布石である場合があるということです。

つまり,宅配に行ったが頼んでないと言われたデリバリー会社は元々の依頼主である闇金業者宛に確認の電話を入れるはずであり,これにより業者は嫌がらせ先が在宅であることを知ることができます。

そして在宅時に効果の高い別の嫌がらせに移るということが良くありますので注意が必要です。

闇金による虚偽の119番通報

闇金が本人を装って119番通報し,「自宅で火事が起きてしまった」「ガス爆発が起きた」などといって消防車や救急車を呼ぶ手口です。警察を呼ぶ場合もあります。

これについても虚偽の通報をしているのは犯罪者である闇金ですから被害者の方に非は全くなく,気にする必要はありません。

消防隊員や警察官には虚偽の通報である旨を説明して帰ってもらえば問題ありません。
また,その際に今後も同様のことが予想される旨を話しておけば,次に通報があった際には出動する前に連絡をくれるようになることもあります。

闇金もこうした対策が取れることは知っているのでこの手口により嫌がらせをしてくるのはせいぜい1,2回です。

闇金が隣近所へ連絡する嫌がらせ

借入れした本人や連絡先として教えた親族が地方に住んでいる場合に多くみられる手口です。

個人情報の取り扱いが厳しくなかった時代に出回っていた名簿や,電話帳,インターネット上で住所が調べられる「住所でポン」などから情報を確認し,関係者の隣近所に電話して嫌がらせをしてきます。

「あんたの隣の家の○○に金を貸してる者だが連絡が取れないので今すぐ行ってこっちに電話をさせろ」

「○○の借金の保証人にお前がなっている」

「協力しないとお前の家に火をつけにいくぞ」

などと言って近所の方を脅すわけです。

これについては,ご近所の方に協力を要請して闇金からの電話に出ないようお願いするしかありません。

しばらくしつこく電話が入るかもしれませんが,かけ続けても誰とも話せないとなれば闇金も諦めます。

逆に脅しが怖いからと言って電話に出続けてしまうと,今後はそのご近所の方がターゲットとなり被害が飛び火していく恐れがあるため,出来る限り闇金と話すことは止めるようお願いしておくべきです。

近所のコンビニ等へクレームを入れる嫌がらせ

ご自宅近くのコンビニなどにあなたを装いクレームを入れて自宅まで謝罪に来させ,その機会に電話を代わって脅しを入れる手口です。

クレームを入れた先の店員と通話状態のままその店員をあなたの自宅まで行かせて,あなたと対面したら電話を代わらせるというわけです。

実際に人が来ることになるため人によってはかなりの恐怖を感じます。

しかしタネを知っていればどうということもないはずです。そんなクレームは入れていないと答えて相手にしなければ済むと思います。

もっといえば,被害に遭っている期間については予定のない訪問者は全て闇金絡みと考えて全て居留守で対応してしまった方がストレスがなくてよいと思います。

闇金から借りている他の債務者を使って回収に行かせる嫌がらせ

その闇金から借りている別の債務者に指示して回収に行かせる手口です。

あまり使われることが多くない手口ですが金額が大きかったりたまたま近所に別の債務者がいるときなどに利用されます。

もし来るようなことがあっても相手と話をする必要はありません。

迷わず110通報をして「闇金が取立てに来ている」と説明し,警察官に来てもらいましょう(所轄署への電話や#9110ではなく110番してください)。

大ごとにしたくないからと通報を躊躇しているとそこにつけ込まれ被害が拡大する恐れがあります。

相手は犯罪者なのですから遠慮はいりません。すぐに通報しましょう。

なお,闇金からあなたに対して他の債務者から金を回収してこいなどという依頼があった場合には当然ですが確実に断ってください。

闇金は,今回の利息の支払いを免除するとか,特別に融資枠を広げるなどと言い,既に話はついていてお金を受け取りに行くだけだからと,簡単なことの様に説明するかもしれませんが,それに応じてしまったらあなたも犯罪者の仲間入りです。

闇金の嫌がらせまとめ

今回はよくある闇金の嫌がらせのうち

メール・SMSでの脅迫
出前・配達系の嫌がらせ
虚偽の119番通報
隣近所へ連絡する嫌がらせ
近所のコンビニ等へクレームを入れる嫌がらせ

をご紹介しました。

嫌がらせを受けないに越したことはありませんが,実際に嫌がらせが始まっても冷静に対処出来れば被害は最小限にすることができます。

逆に,闇金側にこちらの動揺が伝わってしまうと「もうひと押しで回収出来る」と期待を持たせることに繋がり,被害が長期化します。

健全な生活を取り戻すには何よりもあなたの「闇金との関係を切るんだ」という強い意志が必要です。

そして,自分では解決しきれないと思ったらすぐに警察や専門家へ相談してください。

長期間ひとりで悩むよりずっと良い解決策が得られると思いますよ。

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