後払い・先払い現金化の主な手口まとめ―新型闇金の最新手口とは?

公開日:2021/08/20更新日:2023/09/05

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    ―この記事で紹介していること―

  • ●後払い・先払い買取現金化と呼ばれる手口にはどんな種類があるのか?
  • ●それぞれの手口の内容はどのようなものなのか?具体例は?

後払い・ツケ払いのイメージ

相談員の横田です。2020年6月頃より,いわゆる給料ファクタリング業者の摘発が相次いで以降,摘発を免れた給料ファクタリング業者はこぞってツケ払い・後払いや先払い買取現金化と呼ばれる手口へと移行しました。

給料ファクタリング(詳しくは「給料ファクタリング被害にご注意」を参照)については,労働者が勤務先から支払われるべき給料の債権を買い取るという点で全ての業者が共通していましたが,後払い・先払いと呼ばれる手口はその内容が多岐にわたります。
そのため一般の方々にとっては非常に複雑で分かりづらい仕組みになっていましたし,実態解明が難しい巧妙な手口を用いている業者もたくさんいます。

この手口が出始めた頃は,よく内容が分からないまま取引を始めてしまい,後から酷く大変な思いをしたという方も数多くいらっしゃいました。
現在ではこの手口は新型の闇金であるという認識がある程度広まっていますが,それでも借金とは違うとうたっているから安心,信用情報は無関係でブラックでも契約できるという認識のもと取引を始めてしまう被害例が少なくありません。

はてなのイメージ

以下,後払い・先払い買取現金化の代表的な手口を5種類具体的にご紹介します。まさに当てはまるという場合や,細部は若干異なるが似たような取引をしているという方は,一度専門家に相談してみることをおすすめします。

なお,実際にどのような業者が存在しているかについては,下記ページにて,当事務所での対応実績とともに公開していますので,併せてご参照ください。
「後払い・先払い買取現金化業者一覧」ページ

1-レビュー報酬・キャッシュバック型後払い現金化

報酬を受け取るイメージ

―後払い現金化の大まかな流れ―

1.業者への申込・審査、FXソフトや情報商材などの代金後払いでの売買契約を結ぶ。
2.レビューを業者ウェブページやSNSなどで投稿。
3.レビュー投稿の報酬(借入れ元本)が即座に振り込まれる。
4.後日給料日などに商材の代金を業者へ支払うことで完済となる。

これが後払い現金化手口のいわば典型例と言える取引で,キャッシュレビュー型などと呼ばれることもあります。
代金後払いにて商品を購入させ,購入と同時に代金の一部をキャッシュバックすることでその日のうちに現金を手にすることができます。

代金の支払いはたいてい次の給料日に設定され,これが実質的には借金の返済に当たります。キャッシュバックの内訳として,レビュー報酬の受取りというものも多いです。

実際の具体例は以下のようなものです。

 例えば,3万円のデジタルフォトを代金後払いにて購入する申込みをし,担当者とやりとりをして個人情報や勤務先の情報,緊急連絡先などを聴取された。

 審査の後契約可能と言われ,メールで電子契約書が送られてきたため署名して返信すると,商品のデジタルフォトがメール添付にて送られてきた(が,そのデータは開くことが出来なかった)。

 ウェブで簡単なレビューを投稿するとすぐに2万円の報酬を振り込むとのメッセージが届き,指定されたサイトに「とても分かりやすかったので,また購入したいです」と,書き添えられていた例文どおりのレビューを一言だけ投稿すると間もなく2万円が振り込まれてきた

 教材の代金3万円は次の給料日に支払って下さいと言われた。

上記のような例では,申し込むと即日2万円を受け取ることができる一方,直近の給料日に3万円を業者へ支払いしなければなりません。
また,メール添付で送られてきたデジタルフォトのデータは上記の例のように開くことができないデータであったり,それ自体ほとんど価値のない商品です。

これが最もよくある形の後払い現金化手口です。

2022/09/13 追記

この手口の業者が,闇金として摘発された事例がこれまで複数出てきています。業者の逮捕記事については下記ページをご覧ください。
後払い現金化「ツール市場」などの業者が闇金容疑で逮捕
"後払い現金化"業者の逮捕に関する情報ー「インフォクリエイト」などを経営

2-先払い買取現金化

スマホで買取査定をするイメージ

―先払い買取現金化の大まかな流れ―

1.業者への申込・審査。
2.買い取ってもらいたい商品画像の送信,査定。
3.査定代金(借入れ元本)が口座に振り込まれてくる。
4.後日給料日などに買取のキャンセル料と査定代金を一括で返還する。もしくは額面分の金券(あるいはその購入代金)を用意して業者へ送ることで完済となる。

いわゆる先払い買取現金化と呼ばれ,商品の買取査定を現物を送る前に写真のみで行い,即座にその買取代金を振り込むことで融資する手口です。

まず商品の査定が行われますが,スマホで撮った写真のみによる買取査定が可能とされ,画像を送るだけですぐに査定額が振り込まれます。これにより申込み即日お金を借りることができるのです。

その後指定された期日までに商品を発送するかキャンセルして買取代金と違約金を支払うか,いずれかによって借入額よりも割増された金額を支払うことになります。

この取引の目的は実は商品買取などではなくもっぱらお金の貸付けであることから,そもそも商品が実在しているのかどうかは問題になりません
つまり商品のやりとりは形だけというのが前提となっていて,お金の動きだけをみると金銭の貸付けにほかなりません。

買取対象の商品は業者によってまちまちですが,スマホやタブレット,ゲーム機,お酒,コスメなど様々なものがあります。近年では商品券やギフトカード,収入印紙などの金券の先払い買取が増えています。

■金券の先払い買取現金化が近年は主流

 金券を額面よりも安い金額で買取し、返済日に額面額で完済するというものが多くなっています。例えば、5万円分の商品券を3万円で買い取ってもらい、後日この5万円分の商品券にて返済するといったものです。

 業者から商品券等を購入するための金券ショップサイトが紹介されますが、通常はほとんど業者とグルであり、それもグルであることが分からないよう、金券ショップの方はごく一般的な金券ショップと変わらないような体裁のHPを構えています。
 多くの業者が「商品が手元に無くても大丈夫」というのを前提に取引が始まりますが、あえて不用な物を定価で購入し、安い値段で即転売するというのは明らかに不自然です。

 不用な物であればそもそも購入するはずがありませんし、このように転売を前提に購入するというのは株や先物取引などの投機目的でもなければ通常やらないでしょう。
真の目的はお金の貸付けによる利息の回収であるわけなので、このように不自然な形にならざるを得ないのです。

しかも業者へ支払わなければならない額は法外な高い金額で,実際に受け取った額の5割から10割増しに及ぶケースがあります。

つまり,現金を受け取ってから一ヶ月も経たないうちに5割や10割もの利息が発生するのと事実上変わらない取引になります。

2022/09/13 追記

先払い買取現金化については,金融庁ウェブサイトにおいても注意喚起がなされています。詳細は下記リンクをご参照ください。
※金融庁ウェブサイト:商品の買取りをうたって高額な違約金を請求する悪質な業者にご注意ください!~いわゆる「先払い買取」現金化 に要注意~

3-金券の転売による現金化

ギフトカードを現金化するイメージ

―金券転売による現金化の大まかな流れ―

1.業者への申込・審査。
2.金券販売業者の紹介,代金後払いでの購入の契約をさせ,販売業者から買取業者へ直接転売される。
3.転売代金(借入れ元本)が口座に振り込まれてくる。
4.後日給料日などに金券の購入代金を一括で支払う(完済)。

金券の売買を装って高金利の融資を行うタイプの業者も多いです。これは前記の金券の先払い買取現金化に近い形態の取引です。

アマゾンギフト券やJCBプレモカードなどが使用されることが多く,販売業者から後払いでギフト券を買い,それを業者の指定する買取業者に転売することで代金を受け取ることができるというものです。
これに対して,支払日当日に販売会社にギフト券購入代金を払うことで完済とするのです。

また,完済金額に相当するギフト券をお客さん自身が購入し,それを郵送させることで完済とするものもあります。これは要するに,お金の代わりにギフト券で支払いをするという返済方法になります。

このタイプのものは実は比較的以前から存在していた手口であり,闇金業者が適法な取引を装うための比較的よくあるタイプです。
このページで取り上げている後払い・先払い現金化サービスの源流ともいえ,比較的以前から存在する最も基本的な取引形態といえるでしょう。

売買仮装型闇金の典型例として長年用いられてきた手法で,一般消費者向けの業者から事業者向けのシステム金融業者まで,様々な闇金業者に用いられてきた手口です。
よって,その実質はまさに闇金そのものといえるのです。

なお売買の対象となるギフト券について,存在しないデタラメなカード番号を送ってくるという業者もあり,とてもお粗末な取引内容のところも存在します。

これについては下記のブログ記事もご参照下さい。
アマゾンギフト券を用いる手口の闇金
有価証券売買を仮装する事業者向けのヤミ金

4-領収書買取・経費ファクタリング

領収書を現金化するイメージ

―経費ファクタリングの大まかな流れ―

1.業者への申込・審査。
2.領収書の写真等を送り、すぐに査定。すぐに査定金額が振り込まれる(借入れ元本の受け取り)。
3.領収書を買い戻すか、勤務先等から戻ってきた精算経費の全額をそのまま業者へ支払う(完済)
4.業者によっては、支払いをしなければ債権譲渡通知と呼ばれる書面を職場等へ送り付ける。

いわゆる経費ファクタリングの手口は,2020年まで盛んだった給料ファクタリングの別バージョンともいえます。

仕事上で立て替えた経費の精算金を勤務先から受け取る権利を買取の対象とした手口です。領収書などの写真を送ることで買取代金が即日振り込まれ,支払期日に立替経費全額を業者に支払って完済ということになります。

このような手口は,かつて給料ファクタリングを営んでいた業者が業態を少し変えて営業しているケースが多いです。給料ファクタリング業者が高金利の違法業者として続々と摘発されている現状を踏まえると,経費ファクタリングは,闇金と取引をしているのと同様の注意が必要なのです。

5-高額なサロン会費を徴収するタイプ

会員権を販売するイメージ

自社のウェブサイトで会員制のオンラインサロンを運営したり,サブスクでデジタルコンテンツを提供するタイプの業者もあります。

このタイプは様々なパターンがあるのですが,オンラインサロンに会員登録するとギフト券や情報商材などを後払いで購入できるとともに,すぐに転売やキャッシュバックによって資金を得ることができるというものが一例です。
また,映画やゲームをサブスクでダウンロードし放題ということをうたい,最初にポイント還元によるキャッシュバックなどの名目でお金を交付した後,その会費や登録料を徴収するといった形態の例もあります。

取引の内容自体は前掲のキャッシュレビュー型や金券の転売型と同様のものですが,これに加えて会費を事実上の利息として請求してくることがあります。

商品代金が一括で払えない場合は会費のみを支払日ごとに払えばよく,つまるところ利息だけを払って返済日を先に延ばす(いわゆるジャンプする)という返済方法と同様の取引になるわけです。

業者のサイトは一見普通の会員制サロンのように見えますが,最初に受け取れる金額に比べて毎月の会費が高額に設定され,支払期日には商品の購入代金に高い会費(=利息)を上乗せして支払うよう要求してきます。

なお,ギフト券や情報商材以外に,ツアーパックの会員権や,債券,不動産の持分権などを転売するものなど,目的物は様々なパターンがありますが,取引の大枠は同じです。

いずれも厳しい催促に追われることに

厳しい催促に苦しめられるイメージ

上記で挙げたものの他にもいくつかバリエーションがありますが,ほとんどの後払い・先払い買取現金化業者はいずれかの手口を用いて営業しています。

どのタイプの取引でも,結局は高金利での貸付けを脱法するために売買という形式を用いているだけで,実際に後払い現金化業者と取引をした際の負担は090金融などの闇金から借りた場合とほとんど変わらないという実態があります。

また,これらの業者を利用したことのある方はお分かりかと思いますが,勤務先の情報や緊急連絡先の情報など,一般的な中古品買取やギフト券販売においては普通聞かれないような情報まで聞き出されます。
各社の申込みフォームの項目や申込み時に聞かれる情報を見てみても,正直なところ闇金のそれとほぼ変わらないことがほとんどと言ってよいでしょう。

もうお分かりかと思いますが,これは支払いが滞った場合の追い込み先として利用され,闇金と同様に職場や家族・知人に取立ての電話をかけられることや,乱暴な口調で脅されることも頻発しています。

後払い現金化手口の被害を一刻も早く解決するために

お金の問題を解決するイメージ

ですがここで,そもそもこれらいずれの業者も,自社は闇金ではないということをアピールするためにわざわざこのような取引形式を採用していることを思い起こしましょう。
彼らの基本的なスタンスとして,あからさまに違法といえるような脅迫をはたらいたり,迷惑行為を繰り返したりすることで警察などから目をつけられ,摘発をされたりすることまでは避けようという考えが垣間見えるのです。
したがって現実として,多くの業者が司法書士などが入ってきた事案については過度な取立てなど乱暴な行動はとらない傾向があります

後払い・先払い買取現金化の業者も取引を続けていると,あっという間に多額の金銭を搾り取られたり,自転車操業に陥ってどうにもならない状況に陥ってしまったりしてとても大変な思いをする危険性が大きいです。

解決に向けて歩んでいるイメージ

2021年8月現在においてもかなり活発に活動していて,被害に遭われている方もいまだ全国各地で後を絶ちません。
現在,後払い・先払い買取現金化業者と取引中の方は,早めに取引をやめるよう弁護士・司法書士などに相談して,厳しい催促から逃れられるように対処しましょう。

なお,後払い・先払い買取現金化業者は,今後も次々と業態を変えながら活動を続けてゆくものとみられます。
手口もより巧妙化し,一見悪質業者なのか分かりづらくなってしまうでしょう。
少しでもおかしいと思った時点で,早めに専門家に相談することがとても大切です。

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