システム金融被害

システム金融とは,闇金の一種であり,主に中小企業を対象に,手形・小切手を担保に取って高金利で融資を行う違法な金融業者のことです。

多くのシステム金融は非対面でのやり取りを行いますが、店舗又は会社等に直接来たり駅前等で待ち合わせた上で取引を行う業者も存在します。
システム金融が行う融資勧誘の方法は,FAX,ダイレクトメール,電話等がありますが,FAXでの勧誘が主流です。

例えば,「融資決定通知」「融資枠をご用意いたしました」「融資可能額は〇百万円まで」「年利1%~」などと記載があり,あたかも即,低金利で高額な融資が受けられるかのような内容のFAXが突然届きます。

これに応じて融資の申し込みをすると,システム金融から電話があり,経営状況や融資希望額等を聞き取られます。
その後,本審査を行った結果当初の提示内容での融資はできないなどと言われ,年利数百%~数千%の金利により借り入れをすることになります。

悪質なケースになると,いつまでにいくら必要なのかを聞いておいてその直前まで審査を先送りにし,高金利だろうと借りざるを得ない状況に持ち込む業者もいるようです。

融資を受けるまでの流れ

実際に融資を受けるまでの流れは次のとおりです。

  1. 1 業者からの指示により手形・小切手を用意し,FAXする。
    この際,支払期日(満期日),振出日等を白地(空欄)にさせられることが多くあります。
  2. 2 手形・小切手を書留で郵送。
    システム金融指定の住所は私設私書箱です。多くは,各種詐欺にも利用されているような私書箱であり,ヤミ金等の極めて怪しい事業者が設置しているものです。手形・小切手のほか,債権譲渡通知書(売掛債権譲渡通知書)・白紙委任状(公正証書作成嘱託委任状)等を併せて送るよう指示があることもあります。
  3. 3 上記書留郵便の送付の際の封筒や控えをFAX。
  4. 4 業者から指定口座にお金が振り込まれる。

システム金融から借りてしまうと

システム金融に手を出してしまう事業者の大多数は,既に銀行はおろかノンバンクからの資金調達も叶わず,個人としてのクレジットカードのキャッシング枠や消費者金融の借入れさえも限度額いっぱいという方です。

このような状況ですと,法定金利の数十倍での融資であっても,貸主が神様の様に思える社長も少なからずいるようです。
事実,経営状況が思わしくない会社に対し,何十万円ものまとまったお金を即日貸してくれるところは他にはないでしょうから短期的には大いに助かるのでしょう。
しかし,システム金融と付き合って得をした気持ちになれるのはせいぜい最初の2,3週間です。

例えば,融資額が40万円の場合,システム金融は10日サイト,額面20万円の手形を3枚切らせます。

1回目の手形はなんとか落とせるでしょう。また,多少は資金も回り,他の決済を行うことが出来るかもしれません。2回目はどうでしょうか。あてにしていた入金が予定通りあればどうにかなるのかもしれません。では3回目はどうでしょうか。高利業者に手を出すほど資金繰りに窮していた方が楽々決済出来るとは思えません。

果たして,すぐに資金繰りに窮した事業者は融資を受ける前の苦境に逆戻りです。すると,これを見計らったかのように別のシステム金融から融資勧誘のFAXが届きます。既に他に打つ手なしのところまで来てしまっている事業者はこれに飛びつく以外に方法はありません。

以降,この様な流れが続いていきます。そして,事業者が本当に行き詰まり不渡りを出すまで,システム金融からは金を搾り取られます。このようにシステム化された構造で事業者から搾取を続けるところからシステム金融という呼び名が定着しました。

システム金融に関するご相談・対応依頼

しもひがし法務事務所ではシステム金融対応に力を入れています。システム金融への対応にはヤミ金対応以上に高度なスキルが必要です。手形法・小切手法の知識のほか,手形交換所規則に関する知識・実務で培ったシステム金融の手口への対抗策等のノウハウが必須です。

システム金融のうち比較的穏健派に属するグループは,司法書士や弁護士が介入した場合は素直に手形・小切手の返還に応じます。

しかし残念ながらそのような穏健派のシステム金融だけではなく中には,弁護士・司法書士が介入後も交渉に一切応じずに手形・小切手をも回す業者も存在します。

そうした業者への対抗策として,2号不渡りにするため異議申立預託金(異議申立提供金)を積むようにとアドバイスする専門家が少なからずいます。教科書どおりの模範解答なのでしょうが,これではあまりにも芸がありません。

手形額面と同額を積まなければならない異議申立預託金を簡単に用意出来るような状況であればシステム金融から借り入れなどしていないでしょうから,このアドバイスはあまり現実的ではありません。

更にいえば,仮に資金が用意出来て異議申立預託金を積んだ場合,その資金は最長2年間返って来ません。ヤミ金の類に金を借りる程逼迫した方がその2年間を待ちきれるでしょうか。

当事務所でも,不渡り回避の可能性を少しでも高めるため異議申立預託金として出来る限り多くの資金をご用意いただくようお願いはしておりますが,原則当該資金は使いません。

システム金融が手形を既に交換に回していたとしても,あらゆる手段を用いて手形所持人と直接連絡を取り,手形の依頼返却に応じさせて1号不渡りを回避します。

相談・依頼を検討中の方へ

システム金融事件については,当座勘定照合表,手形・小切手帳のミミ,業者に送付した手形・小切手のコピーなどを元に各業者との取引内容を詳細に書き出して頂く必要があることから準備にある程度時間が必要です。

したがって,相談希望の場合は出来る限り早期にお電話を下さる様お願いいたします。

決済日当日に初めてご連絡頂いても対応致しかねる場合がありますので予めご了承ください。

なお,遠方にお住まいの方であってもご相談・ご依頼は受け付けておりますが可能な限りご来所をお願いしています。

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事例紹介 システム金融からの手形が毎日回ってくる 事例紹介 システム金融からの手形が毎日回ってくる

事例紹介 システム金融からの借入で一度は助かったものの 事例紹介 システム金融からの借入で一度は助かったものの

私製手形で取引中の方へ

金融機関との当座取引の無い個人事業主・中小企業を対象に,私製手形と呼ばれる手形(金融機関発行の統一手形用紙を用いたものではない手形)を使った手口も多くみられます。私製手形では金融機関は手形交換に応じないため,取引停止処分を受けることはありません。
私製手形を利用した手口の場合,当事務所ではシステム金融としては扱わず,通常のヤミ金対応の費用で取扱いいたします。

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