闇金に関係する用語や手口などをご紹介します。
-目次-
- 相保証(あいほしょう)
- 借り手同士をお互いに連帯保証人にさせること。勝手に返済を止めると相手に迷惑がかかる仕組みを構築し,取立てを容易にする手口。貸金業登録のある闇金がたまに使う手口。
- アスイチ・アケイチ
- 1日1割の利息をとる闇金。年利にすると3650%にもなる。
- 一括申込みサイト(いっかつもうしこみさいと)
- 違法業者の運営する勧誘サイト。申込みフォームに従って入力し送信すると多数の闇金に同じものが流れ,個人情報が出回ってしまう。
- 後払い業者(あとばらいぎょうしゃ)
- 物やサービスの売買契約を締結し,その代金は後払いにすることと,その代金の換金方法を用意することで実質的にお金を借りたのと同様の状態を作り出す手口を用いる業者。高金利に関する法規制を免れるために考案された手口であり,多くの後払い業者は闇金と変わらない違法業者である。
- 印鑑証明書(いんかんしょうめいしょ)
- その印鑑が登録者本人の実印であることの証明書。対面型の闇金は借用証書に実印の押印を求めたり,白紙委任状とセットで印鑑証明書を提出させたりするケースがある。
- 延滞金(えんたいきん)
- 返済日から1日遅れるごとにつくペナルティ。わざと返済日に連絡がつかないようにして意図的に延滞させる闇金も多い。
- 追い貸し(おいがし)
- 返済が難しいとなった場合に,不足分を追加融資する形にし元金を膨らませる闇金の融資方法。実際に追加で融資を受けたわけではないが当然返済金額は多くなる。
- 押し貸し(おしがし)
- 借入を申し込んでいない(もしくはキャンセル・過去に借入した事がある場合など)にも関わらず銀行口座に勝手に振込し,後日利息の返金を求める闇金の手口。
- おまとめ(一本化)詐欺(おまとめさぎ・いっぽんかさぎ)
- 低金利で大口の融資をうけることで複数ある借金を一本化できるといって保証金を支払わせたり,返済の実績を作るためと称して新たにサラ金から借り入れさせたお金を騙し取る闇金の手口。
- 架空請求業者(かくうせいきゅうぎょうしゃ)
- 闇金や詐欺被害に遭ったことのある者を対象にありもしない取引を告げて金銭を支払わせる違法業者。
- 貸金業法(かしきんぎょうほう)
- 貸金業を規制する法律。貸金業を営むには貸金業の登録が必要と規定されているため,貸金業の登録が確認出来ない業者は全て闇金である。
- 元金(がんきん・もときん)
- 実際に借りた(受け取った)金額のこと。闇金は交付額に加えて天引きした手数料を含めた金額を元金と主張してくることがあるが,法律上の元金とはあくまで受け取った金額である。
- 元金和解(がんきんわかい)
- 実際に借りた(受け取った)金額を返還する合意をして和解すること。闇金と何度も取引している場合は総受取額から総支払額を引いた金額が残りの元金である。ただし,闇金業者や闇金業者寄りの考え方をする弁護士や司法書士は,直近の取引の収支だけをみて元金を決定することがある。この場合は借り手にとって不利な和解になる。
- 完済ブロック(かんさいぶろっく)
- 返済金を受け取る際に言い掛かりをつけて完済させない闇金手口のこと。
何度か利息の支払いをしないと完済をさせない業者や何度払っても絶対に完済をさせない業者がいる。 - 客振り(きゃくふり)
- 客同士の預金口座間で直接金銭のやり取りをさせること。返済先の口座として,これから貸し付ける他の客の口座を指定して直接振り込ませる方法で,闇金が所持する口座を経由させずに借入れと返済を同時にさせることができる。これが原因で借りた側の口座が闇金の所持している口座であると誤認され,凍結される恐れがある。
- キャンセル料(きゃんせるりょう)
- 闇金に融資の申込みをした後にキャンセルしようとすると難癖をつけて手数料や人件費などと理由をつけて金銭を請求されることがある。当然支払義務はない。
- 恐喝罪(きょうかつざい)
- 暴行又は脅迫により人を畏怖させ,金銭を交付させると犯罪行為(刑法249条1項)。
闇金による貸付けは無効であるため(民法90条,最高裁判所第3小法廷平成20年6月10日判決),貸金の請求名目であっても恐喝罪が成立し得る。 - 緊急連絡先(きんきゅうれんらくさき)
- 返済できなくなった際や債務者と連絡が取れなくなった際,闇金が追い込みをかけるための連絡先。1~3人程度,親族や勤務先などの電話番号をあらかじめ聴取されることが多い。場合によっては数十人分要求されたり,LINEの友だち情報をランダムに送らされることもある。
- クレジットカード現金化(くれじっとかーどげんきんか)
- クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を得る行為。業者から指定された商品を購入して買い取りしてもらう「商品買い取り型」の手口と,キャッシュバック特典をつけた商品を購入して現金を得る「キャッシュバック型」の手口がある。闇金の返済に困った場合に,クレジットカード現金化により金を作るよう強要されることがある。
- 携帯電話担保融資詐欺(けいたいでんわたんぽゆうしさぎ)
- 審査に必要と説明して携帯電話を数台契約・郵送させ,騙し取る詐欺手口。業者は携帯ショップに電話して取り置きをお願いするなどし,被害者に考える時間を与えないようにして携帯電話を騙し取る。闇金被害者が二次被害として騙されることが多い。
- 口座凍結(こうざとうけつ)
- 闇金や詐欺等に使われている金融機関口座を凍結すること。警察や司法書士,弁護士の凍結要請や金融機関自身の判断により凍結される。闇金との取引態様によっては借り入れをするだけで借受人の口座が凍結される場合がある。
- 個人間融資(こじんかんゆうし)
- 個人間のお金の貸し借りのことだが,闇金の隠れ蓑として利用されていることが多い。
インターネット上の掲示板により貸し手を借り手を仲介する個人間融資サイトも存在する。貸し手のほとんどは闇金である。 - 個人再生(こじんさいせい)
- 全ての債務を,約5分の1に圧縮し,基本的に3年又は5年かけて返済していくことを目指す債務整理手続き。
裁判所を使う手続き。個人再生手続き後であっても,闇金は貸金の請求をしてくることがある。
- 債権譲渡通知書(さいけんじょうとつうちしょ)
- 主に法人相手に取引を行う闇金が徴求することの多い書面。返済を滞らせた場合に,取引先に勝手に送付するなどして嫌がらせを行う。
- 先払い買取(さきばらいかいとり)
- 商品(スマホ・ゲーム機等)の買取名目で業者が利用者に金銭を支払い,後日,利用者が商品を発送しなかったことによるキャンセル料名目などにより金銭を支払わせる手口。業者はキャンセルになるよう利用者を誘導して高額なキャンセル料を支払わせる。
出資法の規制を免れて高金利による貸付けを行うためのスキームである。実質的には金銭の貸付けにあたると考えられ,先払い買取業者は闇金と変わらない。 - サラ金(さらきん)
- サラリーマン金融の略語。消費者金融を指して言うことが多い。
消費者金融は闇金と違い,貸金業の登録を受けた正規の金融業者である。貸金業法の規制を守って営業してることがほとんどであり,違法な金利での貸付けは行わない。 - 晒し(さらし)
- 返済をしない債務者の個人情報を闇金がネット上に晒すこと。晒される情報は住所,氏名,生年月日,勤務先名のほか運転免許証,健康保険証,裸の写真などの画像。
晒しサイト又は告発サイトと呼ばれる晒し専門のwebサイトもある。 - 自己破産(じこはさん)
- 破産手続きとそれを同時に行う免責手続きにより,全ての債務について支払の免除を受けるための債務整理手続き。
裁判所を使う手続き。闇金は自己破産により全ての債務の免除を受けた後であっても貸金の請求をしてくることがある。 - システム金融(しすてむきんゆう)
- 中小企業や個人事業主を対象に,手形・小切手を担保に取り高利の貸付けをする闇金。
- 私製手形(しせいてがた)
- 金融機関発行の手形ではない手形。金融機関に持ち込まれても不渡りとはならない。事業者向けの闇金が担保として作成させることがある。
- 実績融資(じっせきゆうし)
- 返済実績を作ってくれればまとまった額の融資が可能と説明して少額かつ高金利の取引をさせる闇金の手口。しかし,何度取引をしても当初の約束である高額融資は実行されない。
- 司法書士(しほうしょし)
- 登記手続きや法律トラブルの解決を行う法律の専門家のこと。140万円以下の紛争について代理人となって解決に動くことができる。ひとつの闇金業者から140万円を超える借り入れを行っている場合には,司法書士は代理人となることができないため弁護士に相談する必要がある。
- 出資法(しゅっしほう)
- 高金利の貸付けについて規制をしている法律。
年20%を超える利息の契約やその受領,要求をした場合に刑事罰を課す旨が規定されている(出資法5条各項)。ほとんどの闇金は出資法に違反する金利での貸付けをおこなっている。 - ジャンプ(じゃんぷ)
- 闇金に対して返済期日に利息のみ返済すること。
一部の闇金はジャンプを強制して利息の支払いを続けさせ,完済を認めないことがある。 - 090金融 (ぜろきゅうぜろきんゆう)
- 闇金のうち(090や080の)携帯電話番号のみで営業している業者のことを指す。03や0120の固定電話番号により営業していても実態は090金融であることも多い。
- 前日連絡 (ぜんじつれんらく)
- 返済日の前日に,明日返済する旨の確認の連絡を入れること。闇金はこの連絡を怠ったことを理由に完済を取らせないことがある。
- ゼロ和解 (ぜろわかい)
- お互いに金銭の貸し借りなしという合意をして和解すること。闇金とゼロ和解が成立すれば,原則として以後は取り立て・嫌がらせは行われない。
- 総量規制(そうりょうきせい)
- 貸金業者からの借入は,年収の3分の1までとする規制。
総量規制により正規の貸金業者から借り入れができなくなってしまった方が闇金に流れている。 - 即日融資 (そくじつゆうし)
- 闇金がよく使う宣伝文句の一つ。申し込み当日に振り込みをすること。ネットバンキングなどを利用して最短15分とか30分というスピード融資を売りにする闇金もある。
- ソフト闇金 (そふとやみきん)
- 暴力的な発言や,過度な取立はしないことを謳っている闇金。しかし無登録業者であり中身は闇金と変わらない。支払が遅れれば闇金の本性が出てくるのは言うまでもない。
- 第三者弁済(だいさんしゃべんさい)
- 法律上第三者にあたる家族の方などが借り入れをされた方に代わって債権者へ弁済すること。闇金の請求に対して第三者が支払いを肩代わりすると,その第三者がターゲットとなって請求が続く場合がある。
- トイチ
- 10日で1割の利息の取り決めやその業者を指す。年利365%。現在の闇金の中ではかなり低い利息の部類に入る。
- 当日連絡 (とうじつれんらく)
- 返済日当日に,何時ごろの入金になるかの確認の連絡をすること。返済先口座は通常このときに指定される。闇金は当日連絡の時間指定を守らなかったことを理由に完済を取らせないことがある。
- トゴ
- 10日で5割の利息の取り決め。年利1825%。平均的な闇金の金利である。
- トサン
- 10日で3割の利息の取り決め。年利1095%。闇金の金利としては比較的低めである。
- トバシ携帯
- 端末利用者の身元を隠す目的で,他人名義や架空人名義にて契約された携帯電話。単にトバシともいう。ほぼ全ての闇金がトバシ携帯を使っている。たいてい通話料金は契約者持ち(すなわち料金の請求を他人に飛ばすこと)とされ,未払いにより短期間で止まることも多い。
- 飛ぶ(とぶ)
- 闇金への返済をしないまま行方をくらますこと。飛びという表現もする。
- 任意整理 (にんいせいり)
- 借り入れの利息を債権者に免除してもらい,元金のみを返済していく和解を目指す私的な債務整理手続き。
裁判所を使わない手続き。任意整理中であっても闇金はひるまずに貸金の請求をしてくる。 - 年金担保融資 (ねんきんたんぽゆうし)
- 年金を担保に貸し付けを行うこと。この方法が認められているのは独立行政法人福祉医療機構(WAM)の年金担保融資のみであり,それ以外に年金を担保で貸付けすることは違法行為である。闇金は年金手帳や口座などを担保に貸付けを行い,受給日に勝手に返済金を差し引くなどの手口で回収する。
- 犯罪収益移転防止法 (はんざいしゅうえきいてんぼうしほう)
- 国際的なテロ対策の流れを受け,旧本人確認法が廃止されて新たに施行された法律。犯罪組織によるマネーロンダリング等を防止するため,金融機関等特定事業者(取引内容によっては電話転送サービスや私設私書箱業者,弁護士・司法書士なども含まれることがある。)の,本人確認義務や取引記録の保存,疑わしい取引の届出等の措置について定めた法律。口座譲渡に関する規定もあり,開設済の口座を違法業者へ譲渡することは本法によって処罰される。
- 不法原因給付 (ふほうげんいんきゅうふ)
- 不法な原因に基づいてなされた給付のこと。民法では,不法な原因のために給付した者はその返還を請求できないと規定されている(第708条)。闇金は不法な原因のために給付した者といえるため,被害者は元本についても返済義務はない。
- ブラック
- 正式名称は「信用情報機関」の「事故情報」を指す。正規の貸金業者が加盟し,貸し付け金額や返済状況などを掲載している。そのため延滞などするとそれらの情報も掲載されるため,ブラックリストと呼ばれ新たな借入の審査に影響が出ることになる。闇金はこの正規の業者で借入が出来なくなった「ブラック」を顧客とする事が多い。
- 名義貸し (めいぎかし)
- 他人の取引に自分の名前や住所を貸して契約する事。例えば携帯を自分名義で契約し,利息の代わりに闇金に渡す行為などがよくある手口。
- 名簿屋・ネタ屋 (めいぼや・ねたや)
- 個人情報を収集,販売するのを専門としている業者。多重債務者や破産者などの名前,住所,連絡先などを収集し個人情報を闇金と売買している。
- 闇金(やみきん)
貸金業法上の登録を受けていない金融業者又は出資法に規定する上限を超える違法な金利での貸付けを行う金融業者を指す。「ヤミ金」又は「ヤミ金融」と表記されることもある。 ほとんどの闇金は,貸金業法上の登録を受けず,かつ,年数百%~数千%という違法な金利で貸付けを行っている。英語では「Loan shark(ローンシャーク)」と呼ばれることがある。
- LINE闇金(らいんやみきん)
- コミュニケーションサービスアプリLINEのみを利用した闇金。気軽にLINEチャットで借入ができる印象のせいか昨今被害が増加傾向にある。スマホを変えなくともアカウントの削除や変更ができるため闇金側にもメリットがあるとされている。 連絡ツールを変えてきただけで闇金である事には変わりはない。いくらチャットのみであっても支払が遅れれば執拗な督促を受ける事になる。
- リース金融(りーすきんゆう)
- まず物品の売買契約を交わし実態を作り上げるが,実際にその物品が売買されている訳ではなく,その物品をリースする形態を取る。闇金業者は、貸付の金利ではなくリース料として暴利を取る。自動車がリース物品となる事が多い。
- 和解(わかい)
- 一般的には,当事者が対立する主張を互いに譲歩しあって紛争を話し合いにより解決すること。闇金の言う和解は,本来不要な支払いをさせるなど被害者に一方的な譲歩を求める内容であることが多い。