生活保護費狙いのヤミ金

公開日:2014/08/05更新日:2018/11/10

カテゴリー:ニュース・報道 タグ:

生活保護費狙い“闇金で暴利”暴力団組長ら2人逮捕
生活保護費を狙って現金を貸し付けていたとみられています。
指定暴力団六代目山口組系の組長・近藤正人容疑者(61)ら2人は去年6月から約1年間にわたって、生活保護を受けている東京・台東区の59歳の男性に法定金利の最大6倍で現金を貸し付け、約11万円の違法な利息を受け取った疑いが持たれています。警視庁によりますと、近藤容疑者は生活保護費の受給者を狙って、毎月100人ほどに金を貸し、1年間で約1800万円の利息を受け取っていました。近藤容疑者は自宅で営業し、口コミで客を集めていました。取り調べに対し、「私は関係ない」などと容疑を否認しています。(テレ朝news 2014年8月4日)

生活保護受給権を担保に取るようなヤミ金は昔から多くいます。

受給者証を預かって毎月の支給日に役所の前で待ち合わせ,受給と同時に元利金を徴収したり,保護費が振り込まれる口座のキャッシュカードを預かってその口座から勝手に現金を引き出すというような手口を取り,公的給付から確実に回収することによって利益を上げているのです。

このタイプのヤミ金は090金融と違い,直接対面して貸付けや回収を行います。

顔を出してヤミ金業を営んでいるわけですからもっと多くの逮捕者が出ても良さそうなものですが,実際には逮捕事例はあまり多くないように思います。

これは何故かというと,生活保護受給者らが被害を届け出ないからです。

生活保護受給者は正規の貸金業者からの借入れが出来ません。

ですから,生活費に困った場合の借入先は親類や知人,友人,あるいはヤミ金ということになります。

そして,記事にもあるとおり,生活保護費を担保に取るような手法のヤミ金の金利はあまり高くはありません。

月1割や2割程度の金利での貸付けが最も多いように思います。

最近のヤミ金は10日で5割(年利1825%)や7日で5割(年利2607%)という業者が多くいますが,その中で月1割(年利120%)や2割(年利240%)程度で貸付けをするのですからこれは良心的な部類と言って良いでしょう(090金融等の極めて悪質なヤミ金との比較の話であってヤミ金を擁護する趣旨ではありません。出資法上の上限金利は20%であり,それを超えた金利での貸付けをする業者は全て違法なヤミ金です)。

月1割程度の利息であれば,例えば5万円を借りた場合,翌月の受給日に1万円を乗せて返済すればいいだけですから,ちょっとお金に困ってしまったときに便利に活用出来,生活保護受給者にとっては都合が良いわけです。

このようなニーズがあるため,生活保護受給者から被害の声が上がることが少なく,犯罪者らにとっては安全で確実な資金源になっているものと思われます。

生かさず殺さずで,じわじわと搾り取り続ける狡猾な手口です。

生活保護受給者の方がヤミ金と縁を切る方法は?

上記で述べたとおり,生活保護費を担保に取るようなヤミ金が要求する金利は,他の業者と比較すればそれほど高いものではありません。

ですから,1度きりの取引であれば,それほど痛手になるものではありません。

しかし,生活保護を受給しながらも更にお金が足りなくなるような人は,パチンコ依存,ギャンブル依存であることがほとんどであり,借入れが一度きりで済むということはまずありません。

二度三度と取引を続け,また借入金額も多くなっていった結果,受給日の時点で既にその月の生活費や支払家賃などが不足し,返済と同時に再度借入れをする必要が出てしまうようなケースが少なくありません。

このような状態に陥ってしまった場合は,すぐにお近くの司法書士や弁護士に相談されるべきです。

きっと有効な解決策を示してもらえると思います。

また,費用の点について気になる方は,法テラスの利用が可能な司法書士・弁護士をお選びになると良いでしょう。

法テラスには,司法書士・弁護士に支払う費用を法テラスが立て替える制度があるのですが,生活保護受給者の方にはその費用の償還の免除制度が用意されています。

活用できる制度はうまく活用して,ヤミ金とは縁を切り,国民の血税である保護費をもっと有効に利用していただきたいと思います。

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