闇金から返済の代わりに銀行口座を渡せと脅された｜闇金被害の解決事例

東京都在住のＫさんは以前から０９０金融と呼ばれる闇金との付き合いを続けていました。 Ｋさんが付き合っていた闇金は，世間でのイメージとは異なり，暴力的な取立ては全く行いません。給料日直前の急な出費の際に追加融資を依頼しても快く応じてくれるような所であり，Ｋさんは安心して付き合いを続けていました。 しかし，一見良好と思われる関係であってもそれはＫさんが闇金にとって上客であったからに過ぎませんでした。

ある月に冠婚葬祭による出費が重なったことから，どうしても返済を遅らせるしかないと考えたＫさんは，「お金がないので翌月の給料日まで待ってほしい」と闇金に頼みました。 すると，「そんなに待てるわけないだろう。ウチは闇金なんだ。金がないなら友達に借りてでも払ってもらうよ」と，これまでとは打って変わった厳しい口調でＫさんにすぐの返済を迫ってきました。 しかし待ってもらえるものと思って既に出費してしまっていたＫさんにとってお金をすぐに用意する手段は思い当たりませんでした。 すると，闇金から，「じゃあ今回は特別に，口座を２個作って通帳とカードをセットでこっちに送れば今回の利息分として認めてあげますよ」 と提案されます。 すぐに返事が出来なかったＫさんは，少し考えてからまた電話しますと伝えて電話を切りました。 その後Ｋさんは迷いに迷いましたが，以前に銀行で口座売買は犯罪というポスターを見た覚えがあったので，そんなことは出来ないと考え，相談にいらしてくださいました。

司法書士が介入した結果，闇金業者は闇金が使用していた口座凍結や携帯電話を止める手続きを一切取らないということを条件にあっさりとゼロ和解（お互いに何も請求しないという和解）に応じました。

以前にソフト闇金という言葉が流行りました。 強引な取立てや横柄な言葉遣いをしない闇金ということでしたが，そうした対応も，あなたが返済期日を守る上客であるときまでです。 ひとたび返済が遅れれば途端に対応が変わってひどい取立てを受けたというご相談は枚挙に暇がありません。

また，そうした際に，返済のかわりに口座を譲渡するよう要求されることも多くあります。 本事例のＫさんがご存じであったとおり，犯罪に使われるという事情を知りながら口座を譲渡することは違法です。

闇金側は，「もし警察から電話がきても紛失したといえば大丈夫ですよ」等と言ってくるようですが信用してはいけません。 口座を譲り渡すことは有償・無償問わず絶対にしないでください。