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給料ファクタリングへの対処法

公開日:2019/08/08更新日:2019/08/16

カテゴリー:司法書士 タグ: ,

司法書士の下東です。

以前に「給料ファクタリング被害にご注意」という記事において注意喚起のため手口や被害例をご紹介しましたが,相変わらず給料ファクタリングによる被害者は増える一方です。
給料ファクタリング業者の多くは,闇金と同水準かそれ以上の金利(手数料)を取りますし,返済が遅延すればすぐに勤務先に連絡します。
闇金と同等かそれ以上に悪質であるというのが給料ファクタリングの実態ですから,皆様はどうか関わらないようにしてください。

しかし,既に取引してしまっていて困っているという方も多くおられるはずです。
そこで今回は,給料ファクタリング被害に遭っている方向けに対処法をお伝えしたいと思います。

給料ファクタリングから会社に通知が届いた場合

給料ファクタリング業者は,支払が滞ると,債務者の勤務先に対して債権譲渡通知書という書面を送ってくることがあります。

例えば,次のような文面のものです。

譲渡人は,譲渡人が貴社に対して現在有し,または将来有する給与債権を譲受人に譲渡したので民法467条により通知します。
つきましては,貴社が本債権の支払をする場合,譲受人にお支払い下さいますようお願い致します。

譲渡人とは給料ファクタリングの利用者のことで,譲受人とは給料ファクタリング業者のことです。
この通知は,給料ファクタリング業者が,利用者の名義を使って,利用者に無断で利用者の勤務先に送り,給料を給料ファクタリング業者に支払うよう求めるものです。

このような通知が突然きた場合,勤務先が取るべき対応はひとつです。

通知は無視し,給料はいつもどおり本人に支払うべきです。

理由は次のとおりです。
まず,給料等の賃金については,直接払いの原則が採用されており,使用者は,労働者に直接支払わなければならないものとされています。

労働基準法
(賃金の支払)
第24条1項 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。(以下略)

そして,この規定の実効性を担保するため,これに違反した使用者は30万円以下の罰金に処されるものとされています。

労働基準法
第120条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
1号 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで(中略)の規定に違反した者

このような規定があるため,使用者は,給料を直接労働者に支払わなければならず,他者への支払いは違法・無効となります。これは給料債権が他者に債権譲渡された場合でも異なりません。判例でも,賃金債権の譲受人は,使用者に直接支払いを求めることはできないとしています(小倉電話局事件・最三小判昭43.3.12)。

福島県公式ウェブサイトにも次のように同趣旨の掲載がされています。

賃金債権の譲渡と譲受人への支払い ~使用者からの質問
質問
 当社の社員が、ある金融業者から借金をし、その返済のため1か月分の賃金債権を譲渡したということで、金融業者からその社員の賃金の支払いを求められました。
 このような場合、当社としては金融業者の求めに応じて賃金を支払わなければならないのでしょうか。
答え
 労働者の賃金については、労働基準法第24条で「賃金は、直接労働者に支払わなければならない」と規定されているため、民事上の差押さえを受けた場合を除き、金融業者の要求に応じる必要はありません。
福島県公式ウェブサイトhttps://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/65015a/kobetuqa2-4.html

したがって,給料ファクタリング業者から会社に給料の支払請求があったとしても,会社は応じる必要はありません。
逆に,給料ファクタリング業者に払ってしまうと違法行為となり罰金の対象となりますから,会社は従業員に直接給料を払う必要があります。
万一会社が請求に応じてしまいそうな場合は,上記の福島県のページを見せて思い止まってもらいましょう。

給料ファクタリング業者が自宅まで取立てに来た場合

給料ファクタリング業者の多くは適法を装って営業しているため,闇金のように怒鳴ったり嫌がらせの電話をガンガンかけてくるということは少ないようです。

しかし,真っ当な業者とは言い難いため,遠回しに脅すようなやり方は多用しています。

被害例として良く聞くのが「今から自宅まで取りに行きますよ」という脅し文句です。
自宅まで行って無理矢理取り立てると言っているわけではありませんが,心理的なプレッシャーを与えることで回収に繋げる狙いがあるようです。

また,実際に自宅まで来るタイプの給料ファクタリング業者もいるようです。
自宅まで来られてしまった場合,手持ちの現金を全て取られてしまったり,不利な書類に署名捺印させられたりするリスクがあります。
そのため,業者が来ても応対せず,無視するのが一番です。
また,万一業者がドアを蹴る,大声で騒ぐ等の行為に出た場合は,速やかに110番通報をして警察官に来てもらいましょう。

給料ファクタリング業者が裁判を起こしてきた場合

給料ファクタリング業者は,勤務先に請求をかけたり,本人に繰り返し請求しても回収できない場合,支払督促少額訴訟といった裁判手続きを執ってくることがあります。
どちらの手続きの場合でも裁判所から書類が届きますが,これらを無視してはいけません。
無視してしまうと給料差押え等の手続きに移行してしまうため,不在票が入っていた場合でも必ず受け取ってください。

受取後は,支払督促異議申立書や,答弁書を準備して裁判所に提出し,少額訴訟の場合は裁判所に出頭する必要があります。
知識がある方やご自身で調べられる方であれば自力で対応することも可能ですが,自信のない方や時間のない方は弁護士・司法書士に相談したほうがよいでしょう。

給料ファクタリングの取立てがひどい場合

給料ファクタリング業者の取立により精神的に疲弊して夜も眠れないという方が多くおられるようです。
彼等の手口は,生活の糧である給料を押さえて皆様の生活を蝕むものですから,彼等との取引で疲れきってしまうのは当然です。

給料ファクタリングに対抗するためには,個人での対応では限界があります。
取立てに悩まされている場合は,お近くの司法書士や弁護士に相談することをお勧めします。

まとめ

今回は,給料ファクタリングへの対処法として,

  • 給料ファクタリング業者から会社に対して給料の支払いを請求されたとしても会社は支払う必要がないということ
  • 裁判所から支払督促や訴状が届いた場合無視してはいけないということ
  • 法的手続きに対処できない場合や取立てがひどい場合は弁護士や司法書士に相談すべきということ

をご説明しました。

給料ファクタリングの実態は闇金同然であり,むしろ勤務先を当事者として引き込む点も含めて考えると闇金よりも悪質な存在であるといえます。

皆様がこのような悪質業者と取引してしまうことのないよう,今後も注意喚起を続けていきたいと思います。

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