Twitterで「個人融資」と称して融資の営業をしていた男が20年2月17日，神奈川県警と海老名警察署に逮捕されたことが報道されました。
以下，神奈川新聞配信の記事より引用します。
「＠個人融資」 ツイッター悪用し、ヤミ金営んだ男を逮捕
ツイッターを悪用して客を募り、ヤミ金業を営んだとして、県警生活経済課と海老名署は１７日、貸金業法違反（無登録営業）と出資法違反（超高金利契約、受領）の疑いで、東京都練馬区、会社員の男（２８）を逮捕した。ツイッターを使ったヤミ金業者の摘発は県警初という。
逮捕容疑は、ツイッター上で「安藤＠個人融資」とうたって無登録で貸金業を営み、昨年６～１０月に６回にわたって海老名市の男性会社員（２４）ら４人に対し、計２０万５千円を貸し付け、うち２人から１９回にわたって法定金利の１２２倍～２４６倍となる計６４万９千円の利息を受け取るなどした、としている。
同課によると、同容疑者は２０１８年７月ごろから名簿を使って個人でヤミ金業を開始。昨年６月からツイッターを使う手口に切り替え、同１１月までに１８～４９歳の男女２０人に計約１００万円を貸し付け、約８７万円の利益を得たとみている。同容疑者は「ツイッターは広告料が掛からず、アカウントを取れば集客できる」と供述しているという。
県警は、ホームページやＳＮＳの管理者などにヤミ金業者の広告削除を要請している。ツイッターを悪用した業者に関する昨年の要請は５１６件で、１７年の４２件から急増している。
※引用元：神奈川新聞社ウェブサイト〔https://www.kanaloco.jp/article/entry-273297.html〕2020/2/17 19:19配信
Twitterで集客する闇金は近年隆盛を極め，「個人融資」または「個人間融資」で検索すると無数の無登録貸金業者のアカウントがヒットします。
今回逮捕された男は「安藤＠個人融資」という名称でTwitterアカウントを開設し，広く借入れが必要な客を募っていたようです。
なお，この男の運営していたものかどうかは定かではありませんが，これと同一名のTwitterが以前から存在しています。
融資の公告を出しているにもかかわらず登録番号や金利なども記載がなく，典型的な違法な金貸しが運営しているTwitterアカウントだといえます。
闇金だと一目で分かるような記載はありませんが，これを見ただけでも違法業者であることは間違いないでしょう。
対面で金銭のやり取りを行っていたようであり，反復・継続的に高金利での貸付けを繰り返していたものとみられます。
「個人融資」とは言いますが，たとえ個人であれ会社であれこういった取引をするには貸金業登録をしなければなりません。
本件のような取引を貸金業登録無しにすると処罰されます。
また，貸金業を営んでいる場合は年利20％を超える割合で貸付けを行うと処罰され，業としてではない場合でも年利109.5～109.8％を超える高利息で貸し付けるのは犯罪です。
安上がりなTwitterでの闇金営業が活発化
従来のトバシ携帯で営業する090金融や，自前でＨＰを開設して広告を出しているソフト闇金などと比べると，Twitterは無料でアカウントさえ取得すれば営業ができることから，費用も手間もかかりません。
また，アカウントが凍結されてもすぐに新規アカウントを開設して営業を始めることもすぐにでき，非常に安上がりです。
これらのことから，従来の闇金業者がTwitterでの営業に移行するケースや，まったくの一般人が小遣い稼ぎの感覚で高利貸しを始めるケースも多くなっています。
金利などは関係なく，個人融資には手を出すのはやめよう
逮捕された男は，法定上限の最大246倍という明らかに違法金利での貸付けを行っていますが，仮にここまでの高金利でない場合や，仮に法定内の金利だった場合でもTwitterの個人融資には要注意です。
最近よく話題になる「ひととき融資」や「融資詐欺」など，潜んでいるトラブルは挙げればきりがないほどです。
Twitterの個人融資には絶対に手を出さないよう，くれぐれもお気をつけください。
