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押し貸し被害の予防策と振込まれた場合の解決方法
|闇金情報ブログ投稿日:2025.08.07
最新更新日:2025.08.07
司法書士
押し貸し被害の予防策と振込まれた場合の解決方法

司法書士の下東です。押し貸し被害のご相談をいただくことがあります。 押し貸しとは闇金の手口の一つです。
相手が勝手に5000円~2万円程度のお金を振り込んできて、その上で法外な金利を付けて返済するよう迫ってくるという非常に悪質な手口です。 今回は、押し貸しの主な手口2パターンとそれらへ対処法についてご紹介します。
押し貸し手口パターン1-強引に振り込もうとする-
押し貸し被害のパターン1は、闇金に自身の口座を知られてしまっているケースです。
過去に闇金と取引をしたことのある方は、その際にご自身の口座を業者に教えているはずです。
業者は以前の取引から被害者の口座情報を知っており、その口座へ勝手に振り込もうとするのです。
また、審査のために必要などと称して、口座の情報を聞き出してくることもよくあり、特に警戒心も抱かずに口座を教えてしまうことがあります。
勝手に振り込みを済ませてから「もうお金を振り込んでいる」などと連絡してくる場合もあれば、執拗に融資を受けないかと営業してきて、断っても一方的に振込んでくる場合もあります。すでに振り込まれてしまった場合の解決方法は後述します。
防止策
このような手口ですから対策・予防は簡単です。
- 闇金に教えた銀行口座を直ちに解約すること
- 携帯電話番号の変更をすること
以上の二つを実行すれば、押し貸しの多くは防ぐことが出来ます。
口座を解約してしまえば、闇金は振込先が無くなりますから押し貸しされることはありません。新たな口座を知られたりしなければ、一方的にお金を振り込むことは不可能です。
また、ヤミ金はまず本人に電話をして繋がることを確認してから押し貸し行為に及びますから、携帯電話の番号を変更しておけば被害予防になります。
逆に押し貸しされる方の大半は上記の対策を執らなかったことで被害に遭います。
- 給与振込口座にしている
- 各種公共料金の引き落とし口座になっている
- 知人に携帯電話の変更を知らせるのが面倒
こういった理由で対策しなかったりすると、思いもよらない押し貸し被害に遭う可能性が高まってしまうのです。
実際にお金が振り込まれてしまうと、もはや自力での解決は難しくなってしまいます。
なお、口座解約をお勧めするのは別の理由もあります(詳しくは「ヤミ金に借りただけで口座凍結リスクを負います」をお読みください)。
押し貸し手口パターン2-キャンセルさせない-
さて、押し貸し被害にはもうひとつパターンがあります。
それは申込みの際に押し貸しされ、その後キャンセルさせないようにするというものです。
正規業者と思って融資を申し込んだ後にヤミ金と気付き、キャンセルを申し出たのに認められず、取引を強要されてしまうといった例です。
このパターンの場合でも、相手がお金を振り込む前に速やかに口座を解約してしまえば勝手に振り込んでくることはないといえますが、この手の闇金は非常にやっかいでそれだけでは解決になりません。
というのは、こうした手口を使うヤミ金は非常にタチが悪く、お金の貸付けが出来なかったとしても「ここまで手間をかけたのだから手数料や迷惑料を支払え」だとか「もう契約は成立しているから、今さらやめるならキャンセル料を支払え」などと数万円の請求をしてくることがあるのです。
キャンセル料は、お金を借りた場合の完済金額よりも高く設定されることが多く、これほどのお金を請求されるのであれば、一回だけ借りてすぐ返済しようと考えて、やむを得ず借りる選択をしてしまうように誘導されます。
また、酷い場合はすでに勤務先等の情報を教えてしまっていて、まだ借りてもいないのに「○○に金を貸しているが返してもらえないので連絡した」 などとデタラメな電話をされ、脅されるというような事例も多くあります。
防止策
まずは怪しい金融業者には申し込みしないことです。
ネット上で見かける聞いた事のないような名称の金融業者はほぼ全て闇金と考えてください。
融資先の一括申し込みもほとんど闇金からしか連絡がきません。
正規業者かどうか疑わしい場合は、登録貸金業者情報検索入力ページから検索してみましょう。
また、すでに連絡を取ってしまった場合は、闇金と分かった時点で以後全ての連絡を絶って無視してください。
この手の悪質な押し貸し業者は1日に何人も電話をかけて、話ができそうな相手だけをターゲットとして追い込みをかけていきます。
ですから無視をされて話ができなければ時間の無駄と考えてすぐに連絡してこなくなるのです。
会社に電話するぞと脅されて仕方なく言いなりになってしまったりすると大変危険です。
闇金からしたら「コイツからはいくらでも搾り取れるぞ」という発想になります。
また、パターン1と同様振込まれる前に口座の解約も必ず行ってください。
既に押し貸しされてしまった場合の解決方法
そして、すでに振り込まれてしまった場合は、お金を借りたのと同様の状況となり、高金利の利息を請求されます。
相手に対して、振り込まれたお金をそのまま返すなどと言っても、まず聞き入れてもらえません。
返済日は1週間後で利息はいくら、完済ならいくらなどと一方的に言われ、約束させられてしまうことが多いのです。
しかし、相手は一方的に振込みした上で法外な金利を要求するような悪質業者ですから、約束どおりにお金を払ったとしてもそれで終わりになる保証はまったくありません。
特にこうした悪質な手口を用いる業者は、いつまで経っても完済させない、いわゆる完済ブロックという手口を用いることが多く、相手の要求どおり払い続けても延々完済できません。
完済させない闇金(完済ブロック)の詳細や対処方法は下記ページをご覧ください。
🔗完済させない闇金(完済ブロック)の対処方法
結論として、押し貸しをするような悪質な闇金と取引をしてしまった場合、ご自身だけでの解決は困難ですから、司法書士や弁護士といった専門家に相談するのが一番です。
押し貸しをするような闇金は、相手をだませている、あるいは怖がらせることができている限りは請求を止めませんが、代理人が介入したのではもうだますことも怖がらせることも困難になるので、短期間で手を引くことが多いのです。
まとめ
上記の内容を簡単にまとめます。 押し貸しをしそうな闇金と関わってしまったら、
- 業者に教えた銀行口座は直ちに解約すること
- 携帯電話番号の変更をすること
この2点をすぐにやってください。
職場に電話されたら困ると考えて闇金に借りる選択をしてしまう方がいますが、それは最も良くないことです。
被害が拡大し、後で絶対に後悔することになります。
一方、押し貸し業者も暇ではありませんから、これ以上は金を取れないと考えれば即日~1日程度で手を引きます。それまでの辛抱です。
しかし押し貸しによってすでに借りさせられてしまった(お金が振込まれてしまった)場合は、ご自身だけでの解決は困難です。
なぜなら、押し貸しをするような闇金は極めて悪質な業者が多く、要求どおりのお金を払っても完済扱いにならず、請求が止まらないからです。
したがって、闇金に押し貸しをされた場合は、すぐに司法書士など専門家に相談するようにしましょう。