「賞与が出るから大丈夫」その油断を狙う先払い業者の手口

年末が近づくと、当事務所には
「賞与をあてに先払い業者を利用してしまった」
「ボーナス支給日に全額返済を求められている」
といったご相談が急増します。
特に、“本来は生活費や各種支払いに充てるつもりだった賞与が、すべて先払い業者への返済に消えてしまう”というケースが少なくありません。
今回は、賞与を狙った先払い業者と安易に取引してしまったものの、司法書士の介入により短期間で解決した事例をご紹介します。
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Fさんは40代前半の会社員。勤続年数も長く、毎年12月には安定して賞与が支給されていました。
ところが、ある年の11月、賞与支給日まではまだ日があるにもかかわらず、
・両家への帰省費用
・車検や保険料の更新
・クレジットカードの返済
などが重なり、生活費が不足する状況に陥ってしまいます。
.「あと1か月だけ乗り切れれば、賞与で全部清算できる」.
そう考えていたFさんは、スマートフォンで「即日現金」「審査なし」「ボーナス払いOK」といった先払い業者の広告を目にしました。
そこには、「借金ではないので信用情報に影響しない」「ブラックにならない」といった文言も並んでいました。
Fさんは、これ以上借金を増やしたくないという思いもあり、先払い業者を利用することにしました。「賞与が出れば返せるだろう」「一時的な立替のようなものだ」と考え、最初の業者から2万円を受け取ります。
返済条件は「賞与支給日に4万円分の商品券を購入して返済すること」でした。
受取金額と商品券購入代金を金利と考えると、闇金と変わらない「高金利」となります。しかし、Fさんは「一度きりなら問題ない」と考えてしまいました。
ここからFさんは、他の先払い業者からも、返済日を賞与支給日とした借入れを重ねていくことになります。
賞与支給日に先払い業者への返済が集中…

1社目の返済日が賞与支給日であることから、Fさんは次第に、
.「どうせまとめて返すなら、もう少し借りても大丈夫だろう」.
と考えるようになります。
そして、1社目と同様の先払い業者に次々と申し込んでいきました。
最終的には
・取引業者数:13社
・受取総額:26万円
・賞与支給日の返済額:52万円
という状態にまで債務が膨らんでいました。
先払い業者への返済を賞与支給日に集中させた結果、賞与予定額のほぼ全額を返済に充てなければならないことになってしまいました。
司法書士介入で賞与を守る|先払い業者に返済は不要

Fさんが当事務所にご相談くださったのは、賞与支給日の2日前。
当事務所では、先払い業者は実質的に闇金業者と同様であり、先払い業者への返済義務は生じないと判断しています。
そのため、Fさんにも、次の点を明確にお伝えしました。
・初回利用、未返済であっても先払い業者への返済は不要であること
・司法書士介入後に勤務先や家族にしつこく取立ての連絡が続いた事例はないこと
・受任通知を送付すれば取立ては通常即日止まること
Fさんは、「初回利用なのに本当に取立てが止まるのだろうか」「家族に連絡がいってしまうのではないか」といった不安を抱えておられましたが、当事務所の説明により、正式にご依頼を決断されました。
当事務所は、その日のうちに13社すべてに受任通知を送付し対応を開始いたしました。
結果として
・業者からの連絡、督促は即日完全に停止
・賞与支給日当日もトラブルなし
・勤務先やご家族への連絡も一切なし
となりました。
Fさんは、賞与を丸ごと失う事態を回避し、生活の立て直しに専念できる状況を取り戻しました。
近年、年末が近づく時期になると、「賞与をあてにして先払い業者を利用してしまった」というご相談が急増します。
「賞与が出るから一度だけなら大丈夫」
「ボーナスでまとめて返せば問題ない」
こうした借り手の心理は自然なものですが、先払い業者はその心理を熟知して利用してきます。
賞与支給日を返済日とし、更に多数社と契約させる(多くの先払い業者は、同一の経営母体が複数業者を経営しているとみられます)ことで、賞与の全額を回収するような仕組みを作っているのです。
依頼者の皆様は、「支払わなければ会社に連絡されるのではないか」「家族に知られてしまうのではないか」と不安に思われていることが非常に多いです。
しかし、ご心配には及びません。司法書士が正式に介入した後は、先払い業者は、取立てを行わず請求を諦めるのが通例です。
先払い業者を自称しているだけで実質的には闇金だったというような例外的な事情がない限り、取立てがなく解決できます。
むしろ、支払いを続けることこそが、先払い業者との関係を長期化させ、被害を拡大させる最大の要因です。
賞与は、本来ご自身やご家族の将来のために使うべきお金であり、業者の返済に回すものではありません。
「もう支給日が近いから」「今さら相談しても遅いのではないか」
そう思われる方ほど、早急に専門家へご相談ください。
先払い業者との関係を断ち切り、賞与はご自身のために使いましょう。