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高い利息を負担することの恐ろしさと闇金から借金をしないための対処法
|闇金情報ブログ投稿日:2022.06.16
最新更新日:2024.08.16
相談員
高い利息を負担することの恐ろしさと闇金から借金をしないための対処法

目次
相談員の高松です。
以下においては利息についての負担の重さ,という観点から話を進めさせていただきます。 まずは利息負担の重さについて認識していただいた上で,闇金の異常に高い利息について記していきます。 また,闇金から借り入れをするとどういった状況に陥り,どうすれば闇金からの借金をしなくてよいようになるかも述べていきます。 基本的に借り手側の立場にたった記載になっていることをご了承ください。
はじめに
まず,利息の負担が過剰にならように高い利息を規制する法律として,利息制限法という法律があります。 そもそもの話として,なぜこういった利息を規制する法律があるのでしょうか。
誰かにお金を貸したり借りたりする場合,利息をいくらにするかは当事者で自由に決められるのが自由な経済活動ができる日本において当然のことであるといえます。 それなのになぜ高金利の契約を規制する法律があるのでしょうか。
それについて考えなければいけない視点は,借りる側と貸す側の立場の違いであります。 借り手側はお金を用立てないと不都合な事情があり,その不都合を解消するためにお金を借りなければならない,という弱い立場にあると言えます。 逆にお金を貸す側は,資金力があってお金を貸せる状況にある,ということが通常であり強い立場にあると言えると思います。
銀行や貸金業者は潤沢な資金を元に多数の貸し付けを行い,そこに利息を付けて返してもらうことにより利益を得て事業を成り立たせています。こういった借りる側・貸す側の立場の違いがあるのが一般的であるといえます。 借り手側は借りなくてはいけない事情があり,そのために高金利であっても受け入れてしまいやすい,ということです。
社会の中でそういった取引が常態化すると,企業側の利益が優先されていく恐れがあります。 借り手側としては高金利の利息を払わなければならず,個々人の生活が圧迫され生活がままならない人が社会の中で多くなってしまうのです。
こういった事態を防ぐため,すなわち借り手側の保護をするために,高金利を規制する法律が社会の中に必要とされ,利息制限法という法律が制定されたと考えられます。
1 利息制限法の概要
利息制限法は,上記のとおり,高金利を規制するための法律になります。 この法律により,お金を貸す場合には,元本の額に従い年率15%~年率20%までしか利息をとれないように規制されています。
元本の額に従い,以下の割合の利息が上限利息になります(利息制限法1条参照)。
一 元本の額が100万円以上の場合 年15%
二 元本の額が10万円以上100万円未満の場合 年18%
三 元本の額が10万円未満の場合 年20% この上限利息を超える利息は,超えている部分が無効となります。
この記事をお読みの方は上記の上限金利15%~20%という利息を,高いと思いますか,低いと思いますか。
それは個々人の考え方によって変わってくるかと思いますが,例えば以下のような取引において年率18%の利息だと,総額でいくら払わなければならないか記してみたいと思います。
[契約内容]
・借入額 99万円
・月々の返済額 2万円
・利息 年率18%
この契約内容での返済をしていくとします。毎月の返済額の2万円はこのまま変わらないものとします。
この場合の返済額の総額は182万円になります。元金99万円の返済に利息が82万円かかります。 99万円を年率18%の利率で借りると,99万円の元金を返すことはもちろんのこと,それに合わせて元金と同じ額程度の利息を返済しなければなりません。また,完済まで7年9か月かかります。
このように年率18%の利息でも,これだけの利息負担をしなければなりません。 利息を負担するということは経済的な負担が相当増えることになりますので,このことは理解されておくとよいと思います。
2 闇金の異常に高い利息
上記のとおり利息制限法を守った利率でも,相当な額の利息を払わなければいけないことに関してはご理解いただけたかと思います。
それでは闇金から借りる場合の利息だとどのような負担になっていくでしょうか。 少額の貸付けを行う闇金ですと年率数千%の利率ということが多くあります。
例えば,闇金から2万円借金をして1週間後に4万円を返す契約をしたとします。元金が2万円で利息が1週間後に2万円という契約です。 この場合の利率は5200%ほどになります。正規の業者の利率より,数百倍になる利率です。 これは1年間いくらも返済していない場合,2万円の借入について1年後におおよそ100万を返さなくてはならない金利となります。
3 利息制限法以外で高金利を規制する法律=出資法
上記に記載した利息制限法違反には刑事罰はありません。
利息制限法において利息制限法における上限金利を超えた場合は,その超えている部分が無効となるだけとなります。 民事上の問題として超過部分が無効となるだけなのです。
しかし,それだけで刑事罰がないのなら,ばれなければいいので高利で貸付けしてしまえ,と考える人が出てきます。
そういった問題に対処するために,出資法(正式名は「出資の受入れ預り金及び金利等の取締りに関する法律」)という法律があります。 この法律は,20%超える金利又は年率109・5%を超える金利の契約等をした場合の刑事罰を定めています(出資法5条各項)。 懲役刑が定められており,重い刑罰になっています。闇金業者が関わってくるのがこの法律になります。この出資法違反は刑事事件になるということです。
2で説明した1週間後に倍返しという返済額は,年率5200%というとんでもない異常に高い利息であり,出資法違反となります。
4 闇金からの借金は自転車操業になりやすい
それでは闇金から借金をされた方は,借り入れ後どのような状況になってしまうのでしょうか。 借金をされた方の状況により相違があるかと思いますが,上記で記載した2万円を1週間後に4万円で返済するという例で述べさせていただきます。
1週間後に返せる見込みがないのに一時しのぎで借金をされると,当然1週間後に返済ができません。
そこで,また別業者1社から4万円の借金をしてこれまで借りていた業者に返済をする,もしくは,別業者2社からそれぞれ2万円の借入れをして4万円を返済するということをしてしまいがちです。 このようにしてしまうと,今度は4万円の借入について,1週間後に8万円を用意する必要があります。
この8万円が返せなくなると,またこれを返すのに借り入れをすることになり,自転車操業のように借金を繰り返すことになります。 これは自分のお金で闇金にまったく返済が出来ない場合の極端なケースではありますが,返済のめどが無い借金は別業者からの借入でないと返済できないので,借金が際限なく増えてしまいます。
自転車操業は今までの借入を,新たな借金で返済しています。借金は一切減っていない状況になります。
自身の資金で返済できていない,つまり収入の中から借金を含めた支出を賄えない状況であり,経済的に破綻している状況です。
闇金からの借金は異常に高い金利であるため,他の闇金からの借り入れに頼る自転車操業になりやすく,借金が急激に増えていき,早々に経済的破綻に陥ってしまいやすいといえます。
5 闇金に返済できないとどうなるか
闇金からの借入について返済が遅れると,闇金は厳しい取り立てをしてきます。
取り立てはご本人に対してはもちろん,緊急連絡先であるご家族や職場に対しても行ってきます。 厳しい口調で脅して返済を迫ったり,電話を何10回,何100回とかけてきたり,メールやLINEで脅迫する内容のメッセージを送ってきたりします。
メッセージの内容としては,例えばこのようなものがあります。
「会社に電話しますね。とことんやりましょう。いろんな店舗に電話しますね。人の金を何だと思っているんだ。今すぐ電話をよこせ」
「完全におちょくってんだろ?覚悟しろよ!誰をおちょくってんのかわかってないだろ?わからせてやるから覚悟しとれよ」
「おいお前のところのクソ旦那に金かして,1円も返さないで逃げてんだけど,責任取ってくれませんか?こっちもボランティアでやってるわけじゃないからどうなっても知らねえから。本当に返す気あんの??そんなこと言って変なことしてきたら,一生後悔することになるからな。」
これはほんの一例ですが,これよりもひどいメッセージはたくさんあります。
その他にも,レアケースではありますが,返済が出来ない他の債務者を脅して自宅に「金返せ」といった張り紙を貼らせたり,FAXを大量に送ったり,勝手にピザや寿司を注文されたり,と言ったこともあります。
また,SNS上で個人を誹謗中傷する,いわゆる「さらし上げ」といったこともすることがあります。 こういった状況になると,ご自身だけで取立てを止め解決していくことが難しくなり,司法書士や弁護士に取り立てを止めるように依頼したり,警察に相談をしたりしなければ,解決していくことが難しくなってしまいます。
6 闇金から借金をしないようにするには
以上のように闇金から借金をすることは,異常に高い利息負担をすることになり,経済的に大きなダメージを受けることになります
さらに返済できなかった場合の闇金からの厳しい取立てリスクもあり,その場合精神的にも追いつめられることもあります。
闇金から借金をされる方は信用情報に傷がついていることにより正規の業者からの借り入れができないため,闇金からやむを得ず借金をする,といったことになるケースが多いかと思います。
ただ,そのような闇金から借り入れをしなければならないような状況にしないことが肝要であります。
そのためには,自身の家計状況をしっかり管理することが重要です。
自らの毎月の収入がいくらあり支出がいくらである,ということをしっかり把握し,収入の中に支出が収まるようにしっかり家計を管理するようにする。場合によっては,自身の収入を増やしたり支出を削ったりすることが必要になることがあると思います。 それでも生活をしていく中で突発的な支出が生じることがありますので,収入の中に支出が収まらないことがありえます。 そういった場合に備えて,可能な範囲で貯金をしておくことが良いと思います。
自らの生活をよく振り返り,自身の収入と支出を把握し,借金に頼らない生活状況を作り上げていくことがなによりも重要であり,それが闇金から借金をしないで済むようにする道だと考えます。
7 まとめ
闇金への返済は異常に高い利息を合わせて返済しなければなりません。
この返済は経済的に大きな負担となります。
この負担を負えずに返済が滞ると,闇金からの厳しい取り立てにあってしまいます。
闇金から借り入れすることのメリットは一時しのぎのお金を融資してもらえるだけであって,それ以外はデメリットしかありません。 闇金から借金をされようとしている方はこれらのデメリットよく考えられると良いと思います。
また,家計管理をしっかり行うことにより,借り入れに頼らない生活をしていくことが,何よりも重要だと考えます。