整理屋被害に注意

公開日:2014/09/03更新日:2018/11/19

カテゴリー:相談員

過払い金、困窮した「整理屋」が持ち逃げ? 債務者に戻らず トラブル急増の恐れ
借金返済時に払い過ぎた利息「過払い金」の返還をめぐり、債務者本人に返還金が戻らないケースが相次いでいる。弁護士に多重債務者を紹介して仲介料を稼ぐ「整理屋」が持ち逃げしている可能性が浮上。過払い金返還請求が下火となり、困窮する整理屋が続出していることが背景にあるという。

・消えた返還金…
「処理をすべて任せていた事務員が突然いなくなってしまいまして…」
千葉県船橋市の60代男性は電話口の弁護士の言葉を聞いて色を失った。
入院生活が長引き治療費に苦慮した男性は昨年7月、東京都内の消費者金融会社に借り入れを相談した際、過去に借金歴があったことから「過払い金が戻る可能性がある」と都内の弁護士を紹介された。
男性は事務所の電話に出た「サイトウ」と名乗る事務員に手続きを依頼。数カ月後、サイトウから「返還可能」と連絡があった。
しかし突然、昨年11月になって、弁護士からサイトウがいなくなったと冒頭の電話があった。男性が調べると、消費者金融3社から既に弁護士事務所に計61万円が返還されていた。その後弁護士とも連絡が取れなくなり、男性は詳細を確認することができていない。

専門家によると、整理屋は弁護士事務所に事務員を送り込み、実務を担当させるのが典型的。サイトウも整理屋から送り込まれた可能性が高いという。男性は「これがまかり通るなら誰も信じられなくなる」と怒りをあらわにする。(平成26年9月3日 産経ニュース)

ちょっと変な記事ですね。

「整理屋が弁護士事務所に事務員を送り込み実務を担当させるのが一般的」とありますがそんな手口は一般的ではありません。

仮に整理屋が事務員を送り込もうとしても,入所したての事務員に預り金の管理を任せるなどというのは考えられませんし,記事にあるように弁護士が事務員に「処理をすべて任せていた」のであればそれは非弁行為(弁護士法72条違反)に他ならず,まともな弁護士のやることではありません。

よって,実態は整理屋が事務員を送り込んできたのではなく,弁護士自身が整理屋なのだとみるべきでしょう。

もっとも,整理屋は弁護士や認定司法書士を詐称することが多いので本件でも本当に弁護士に依頼出来ていたのかは疑わしいところです。

さて,こういう整理屋被害には気を付けて頂きたいところですが,実はいくつかのことに気を付けて頂ければそのほとんどを防止することが出来ます。

ポイントは以下です。

①良く知らない人からの紹介を信用しない

金融業者からの紹介や,名簿を見て電話したなどという怪しげな業者からの紹介により依頼先を決めないでください。

場合によってはNPO法人などが「格安でウチに依頼しませんか」などと営業電話をかけてくるケースもありますが信用してはいけません。

②弁護士や認定司法書士の登録を確認する

弁護士や認定司法書士への依頼であれば一応は安心ですが,出来れば念のため以下で登録が実際にあるかどうか確認してください。

弁護士検索
https://www.bengoshikai.jp/

司法書士検索
http://www.shiho-shoshi.or.jp/doui.html
(司法書士の検索結果については簡裁訴訟代理認定という欄に「○」があるかも確認してください)

③実際に相手の事務所で会って相談する

整理屋は事務所の実態がないことが多いものです。

ですから整理屋被害の防止のためには電話で依頼を決めたり,喫茶店で会っただけで依頼を決めるということは避けるべきです。

なお,弁護士会・司法書士会は,過払金請求などの依頼については相談者と直接会って面談することを義務付けています。

よって,電話のみで依頼を受けようとする事務所はまともでない可能性が高いといえるでしょう。

以上の3点に気を付けて頂ければ,整理屋被害に遭う可能性はほとんどないのではないかと思います。

また,依頼後も頻繁に進捗の報告を求めるようにし,過払金の返還金額や返還日などはしっかり確認しておくと良いでしょう。

費用が安かったり,電話のみで手軽に頼めたりすると安易に依頼してしまいがちですが,おいしい話にはウラがあるものと肝に銘じ,おかしなところに依頼してお金を騙し取られないようにしましょう。

書き込みする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


0120-830-742
お問い合わせ 闇金対策ブログはこちら 情報提供掲示板はこちら
司法書士による闇金対策ブログはこちら
情報掲示板はこちら
相談に対応するオペレーター