「ヤミ金に返済しないと殺される」
などと息子が言うものだからかわいそうになって,ついついお金を用立ててしまっていました・・・
とおっしゃるお父さんお母さん。
実によくある話です。
しかしこれはご本人のために全くなりません。
お金を援助してもらった本人は,身銭を切っていないのですから,痛みを感じていません。
ヤミ金を含め,借金癖というのはなかなか直りません。
解決に痛みを伴わなかった場合は尚更です。
必ずまたヤミ金と付き合い始めます。
もし,返済金を援助してあげるつもりなら,ご子息は悪質業者とずっと付き合っていくことになるということを覚悟の上でおやりください。
縁を切らせたいとお考えなのであれば,心を鬼にして一切援助はお止めになるべきです。
そして,金銭的な援助ではなく,メンタル面のフォローをしてあげてください。
ヤミ金のことで日々悩んでいる方は常に焦燥感に苛まれています。
そして,その状態から解放される最も楽な方法に思考が流れていきがちです。
その最も楽な方法とは「ヤミ金に金を払うこと」です。
業者がそういう思考に陥るようある意味洗脳されてしまうのです。
しかし,金を払って楽になるのはせいぜい2,3日です。
すぐに次の返済日のことで心が重くなっていきます。
これは正常な状態の人からすれば当然のことなのですが,ヤミ金被害に遭っている方にはなかなか分かりません。
また,分かったとしてもその悪循環から抜け出す勇気が持てません。
ですから,お身内の方がやるべきことはヤミ金に払うお金を出してあげるということではなく,解決方法を一緒に考えてあげることや,味方になってあげることです。
そして,警察や専門家を訪れて相談をされるという場合は,出来ればその場に同席してあげてください。
借金のこと,特にヤミ金のことを相談されるというのは中々気が重く決断しかねることです。よって,ご本人任せでは決断が遅れ,問題を先送りにし,利息の支払いを続けて被害が拡大するということが往々にして起こります。しかし相談の席にお身内の方が同席されるのであれば少しは安心出来,決断しやすくなるのではないでしょうか。
ぜひ,お身内がヤミ金問題に困っているのであれば,ただお金を出してあげるというのではなく,縁が切れるよう支援する方法を考えなおしていただきたいと思います。