振り込め詐欺の被害というと,同情的な意見が大多数を占めますね。
お年寄りをターゲットとして,孫や子を思う気持ちを利用し,金を騙し取るなどという所業は実に卑劣というべきでしょう。
一方,ヤミ金被害というと,
「そもそもそんなものは被害とはいわない」とか「借りた金は返すべき」
などと自己責任論を展開する人が少なくありません。
確かに,被害者の方の多くは,ヤミ金と知らずに借りてしまったのではなく,自らの意思で融資申込みをしているので,その点,自己責任という見方も否定出来ないでしょう。
しかし,被害者に一定の過失があったとしても,そのことで業者の犯罪行為が許されるわけはありません。
ヤミ金は,ときに人の命を奪うこともある凶悪な犯罪です。
ヤミ金と振り込め詐欺は同一グループ?
ヤミ金と振り込め詐欺はほぼ同一の道具を用いています。
他人名義の携帯電話と銀行口座です。
ターゲットを決めるリストだけは違いがあるでしょうが,上記2点はどちらの犯罪でも使われています。
ヤミ金と振り込め詐欺,この二つの犯罪が同列で語られることは少ないですが,これらの手口はほぼ同じ様なものです。
振り込め詐欺の方が,演技力や組織力等を必要とすることからより高度な犯罪といえるでしょうが,騙して金を取るという本質は同じです。
よって,振り込め詐欺業者とヤミ金は同じグループがやっているということが往々にしてあります。
ですから,ヤミ金自体を摘発していくということは振り込め詐欺を減らすということになり得ます。
振り込め詐欺を憎むべき犯罪とお思いであれば,ヤミ金も同様に考えてください。
被害者の方は,ヤミ金被害のことを誰にも相談できず,肩身の狭い思いをしながら生活を切り詰め,どうにか日々を乗り切っています。
他方業者は,被害者を虐げて暴利を貪り,そうして得た金で毎晩飲み歩き,悠々自適な生活を送っています。
当然,彼等は納税などしませんので,彼らが社会的に貢献している点は一切ありません。
この現状をおかしいとお思いになりませんか。
ヤミ金問題は,振り込め詐欺と同様社会問題です。
皆様ひとりひとりが問題意識を持って頂かないことには改善されません。