私たちが闇金被害相談を受ける際、
「取立てが来なくなったから、もう解決したと考えてよいのか」
という質問をよくいただきますが、闇金問題ではどの段階で解決と判断してよいのかがとても曖昧です。
闇金の取立ては専門家が介入した場合、最短では即日、長くても1週間から10日で止まるケースがほとんどですが、その終息の仕方は業者によって差があります。
例えば,
・2,3日は激しい取立てを行い急にぱったりと止まるケース
・日に日に電話の回数が少なくなっていく尻すぼみのケース
・1日に2,3回着信を残すことを5日ほど続けるケース
などパターンは様々です。
取立てが来なくなった時点でもう解決と判断してしまうことは危険です。
闇金の行う取立ては常に再発の危険性があります。
闇金側の判断は?
ある程度の判断基準はありますが,完全解決と言えるためにはいろんな要素を考えなければなりません。
まず最も重要なことは、業者がもうお金を取れないと判断したかどうかということです。
専門家や警察に相談した場合、最も正当な対処方法として今後は闇金にはお金を一切払わない旨の指導をされますから、その時点で通常は取引が終結します。
しかし闇金業者側が、取立てを行い心理的に圧迫を加えればもう少し取れるのではないかと考えた場合や、周囲の人に支払ってしまいそうな人がいると考えた場合には2、3日粘ってみるということもよくあります。
また業者の運用として、取れる可能性は低くとも、最後ダメ押しで電報を何回送りつける、毎日何回電話をかける、それでダメならすぐ手を引く、などとマニュアル化されている場合もあります。
この段階では専門家から固く指導されていますから闇金に支払ってしまう人は少なく、余程のことがない限り支払ってもらえるとは考えられないでしょう。なのでこの場合は実質的に終息間近と言えます。
これらの例外として、本人側の対策が甘い場合や採算度外視で嫌がらせを行う業者の場合は、数週間取立てを続ける場合がありますが、そういったケースは特殊です。
つまり闇金を営業する側の真っ当な判断として見れば、一般的には専門家介入が大きな分岐点といえます。
しかしこれは闇金側がどう判断するかということに左右されるため確かとは言えません。
再び勧誘が来る場合も
ところで闇金は、取立てが終息し気分的にも落ち着いてきた頃に
再び勧誘を行うことがあります。
そこで再度借入をしてしまうと、解決は非常に困難であるということに注意しなければなりません。
こういったことを防ぐためにも
電話番号を変更するなどの基本的な対処方法をすべて実践し、闇金との連絡を完全に断たなければなりません。
また、もう絶対に闇金には借りないという強い意志も必要ですし、本当に解決と言えるためには闇金から借りてしまわざるを得ない生活状況の改善が最も重要と言えるでしょう。
根本的な解決のために
どの時点で解決と言えるのかという判断はとても難しく、上記生活の変化も大きな要素であることを考えればとても数日で完全解決と言い切ることはできません。
ただ、その過程で闇金からの過酷な取立てから逃れることによって心理的な圧迫から解放され、ひとまず平穏な生活に戻れるようになることが、闇金被害解決へ辿り着くための当面の目標といえるでしょう。
そのためにもまずは
専門家に相談し、闇金と縁を切るためのきっかけを掴むことが解決への第一ステップです。