借金というのは不思議なものです。
テレビCMや街の至るところで見つかる金融会社の広告物は,いかにも幸せそうな家族像であったり,的確な将来設計に基づく借入れをイメージさせるようなものですが,実際は借入れには後ろめたい気持ちが伴うものであり,借入れの事実は家族や周りに隠しているという方がほとんどです。
ヤミ金からの借入れはその最たるものでしょう。
ヤミ金と付き合っている,取引をしているなどということは他人に簡単に話せるような事柄ではありません。
ほぼ100%の方がの誰にも話せず一人で問題を抱え込んでいます。
そして抱え込む期間が長ければ長いほど被害は大きくなっていきます。
最近のヤミ金は,緊急連絡先と称して家族や付き合っている彼氏彼女,友人知人,会社の上司同僚などの連絡先を押さえます。
返済を止めた場合は周囲の方にも嫌がらせをするぞということで暗に脅しをかけて回収率を高めているのです。
このような状況下では被害者本人は余計に周囲へ相談出来ません。
相談すれば,「何故他人の連絡先を勝手に犯罪者へ教えているのだ」と非難されることが目に見えているからです。
しかし,ヤミ金の要求する金利をいつまでも払い続けることは出来ません。
いずれ破綻の時が来るのですが,頭ではそう分かっていながらも「周りに迷惑をかけたくない」という思いから解決に向けて前進出来ない方が多くいます。
ヤミ金被害を受けている人の見分け方
上記の理由により,ヤミ金被害者は自ら周囲に助けを求めることがなかなか出来ません。
となれば,逆にご家族などが被害者本人の様子がおかしいことに気付いてあげるべきです。
ヤミ金被害を受けている方の特徴や行動パターンを以下に挙げます。
- 知らない番号から多数の着信がある
- 携帯に名字だけの登録の番号が多数ある
- こそこそと電話に出る
- 通帳の入出金に多数の個人名が出てくる
- 個人あての振込明細を多数持っている
- 家賃,携帯代,水道光熱費などを滞納している
- 破産歴,任意整理歴がある
- 多数の友人知人から借金をしている
- 銀行への立ち寄り頻度が高い
これらに該当する方全てがヤミ金と取引があるわけではありませんが,多数の該当がある場合はまず借りているとみて良いでしょう。
また,融資を実行する前に緊急連絡先への本人確認(又は会社への在籍確認)を行うヤミ金も多いですから,不審な電話がご自身に入った際はお身内の方に借入れしそうな方がいないかを疑ってみるのもひとつの手です(ちょっと連想はしずらいですが)。
もし,怪しい人が周囲に見つかったら,ぜひ相談に乗るなどして力になってあげてください。
もちろん具体的なアドバイスをするには相応の知識が必要ですが,話を聞いてあげるだけでも被害者にとっては心強いはずです。
そして,自力での解決が難しい場合は警察や専門家への相談を促して早期解決に導いてあげましょう。