対面取引闇金のご依頼|闇金被害の解決事例

CASE

解決事例

投稿日:2024.09.11

闇金被害

090金融

ご依頼者:大阪府在住Mさんの闇金被害

借入件数1社

対面取引闇金のご依頼

氏名不詳の対面取引闇金から借り入れ

大阪に在住のMさんは現在30歳、会社の寮住まいです。日々の楽しみは仕事後や休みの日に友人と飲みに行くことでした。

年収は同世代の平均程度ですが、年2回のボーナス金額が多めで、月給の受取額は高くありません。そのため、ボーナスの時に返すと言ってよく周りの友人達から飲み代を借りていました。

 

ある時、最もよく飲んでいた同僚の異動が決まり、貸した10万円を引越しまでに返してほしいと言われてMさんは焦りました。次のボーナスまであと3ヶ月...、今月の給料ではとても借金全額は返せません。同僚に待ってもらえないか話したところ、引越し費用がかかるから早く返してほしいと言われてしまい悩みました。実はMさんは現在任意整理を行っているため、銀行や金融会社に借りて返すということは難しい状況にあったのです。

 

世話になっていた同僚に迷惑をかけたくないと必死に考えたMさんは、以前から気になっていたX(旧Twitter)の個人融資をしているというアカウントを思い出しました。

そこで、本当に貸してくれるのか半信半疑ながらDMを送ってみました。すると翌日返信があり、年齢や住所、仕事、家族構成、いくらいるの?といった質問が届き、DMで何度かのやりとりをしたのち、電話がかかってきました。

大阪なら直接手渡しできると言われ、早くお金が必要だったMさんは会ってみてから考えよう、無理そうならすぐに逃げるつもりで、相手と会うことを決めました。

 

対面当日、相手から指定されたのは駅から徒歩10分ほどの雑居ビルの1室でした。その一室は、長机と椅子、ホワイトボードがあり、壁には大きめの時計がかかっているだけの殺風景なレンタルオフィスのような部屋でした。

部屋に入ると男性が1人立っており、事前に画像で送っていた身分証を出してと言われ、身分証を持った状態での全身写真を撮られました。

 

そして、金額が空欄の借用書にサインをさせられ、希望額全額ではないものの、7万円を借りることができました。

返済周期は2週間、2週間後に利息の2万1000円だけ返すのでもいいし、9万1000円で完済でもいいということを説明され、じゃあ今後ともよろしくねと言われて解散。最後まで相手は名乗らないままでした。

取引額が増えて返済困難に

こうして金策ができたMさんは、引っ越し前にお金を返してなんとか同僚に迷惑をかけずに済みましたが、給料日に9万1000円も払ったら、翌月までの生活費が足りません。

Mさんは、ジャンプ金を払って、ボーナスまでなんとかしのいでいくことにしました。

 

しかし、元々お酒が好きで飲み代を同僚に借りるなどしていたMさんです。2週間ごとに利息を払っていたら、生活費が足りるわけがありません。

そこで、対面闇金業者に借入額の増額を申し入れたところ、『増額はできないが、ジャンプ分を貸したことにしてジャンプ金を用意しなくてもいいようにしてあげる』ということになりました。

 

こうしてMさんは利息の返済を一時的に止めることができたのですが、受け取ってもいない借り入れが増えてしまい、最終的には、17万5000円を借りていることになってしまいました。こうなると給料で賄えるような金額ではなく、すぐに返済が困難になりました。

 

Mさんは、闇金業者に対し、元金はしっかり払うからボーナスの支給まで待って欲しいと頼みました。

しかし、それを聞くと闇金業者は態度が急変し、「闇金を舐めるな」と恫喝され、他の闇金から借りてでもすぐに一括で払うよう言われてしまいました。

 

とてもすぐに払える額ではなく、また、払えない場合何をされるか分からず怖くなり、Mさんは地元警察に相談したそうです。しかし警察からは、「相手と交渉せず、直接会うことも止めなさい」とアドバイスされただけでした。

電話やLINEで営業している闇金ならば無視すれば収まるかもしれませんが、相手は大阪の業者です。自宅も近いですから、いつ直接乗り込んでくるか分かりません。

不安が募るばかりであり、なんとかこのトラブルを解決できないかと当事務所にご相談をされました。

Mさんから相手の対面闇金について詳細を聞き取りしたところ、上記に述べた事情以外のことはほとんど分からず、お金の受け取りや返済の日時・場所は、都度相手から指定されるとのことでした。

すぐに対面業者との交渉開始、そして即日解決

いつ自宅まで取立てにくるか分からない事案であり、緊急を要することから、依頼を受けてすぐに司法書士が相手方闇金業者に架電。

相手は闇金であることを否認。

『個人的な貸付けであり、元金を1円も返してもらっていないことから、すぐに回収に入らせてもらう、司法書士だか弁護士だか知らないがこっちは勝手にやらせてもらう』との言い分でした。また、かなり強気で口調も荒く、交渉は難航するかに見えました。

 

しかし、こちらは冷静に対処し、本人やその関係先に連絡するようであれば、警察と連携して事件化を進めるつもりであること、また、万一本人方に直接来るようであれば、問答無用で110番通報することを本人と打ち合わせ済であること等を伝えたところ、最終的には回収を諦めてゼロ和解に応じることを約束させることができました。

 

以上の経過をMさんに報告したところ、Mさんは大変安堵したご様子でした。

 

一定期間は様子見しつつ何かあればすぐに教えてもらうという打ち合わせを行い、1か月程度はMさんと連絡を取り合いましたが、幸い、本件業者からは何も連絡がなく、無事解決となりました。

司法書士のコメント

対面闇金のご依頼の場合、取引場所が重要になります。

元々直接会って取引していることから自宅まで取立てに来るリスクもそれなりに高いといえ、司法書士が闇金と直接会って交渉すべき場面があるためです。

 

対面業者との交渉でも、連絡手段が電話の場合は、電話での交渉が原則となります。

しかし、電話交渉が決裂した場合や、元々電話交渉で話がまとまる可能性が低いと考えられる場合は、必要に応じて現場に出向き、直接交渉を行います。

その場合は、依頼費用に加えて出張費用が必要となります。出張費用は地域によって異なりますが、移動時間と公共交通機関利用の実費を考慮した金額となり、遠方である程ご負担が大きくなってしまいます。

そのため、遠方の方につきましてはお近くの弁護士か司法書士に相談されるべきかと思います。

 

もっとも、闇金との直接交渉をしてくれる弁護士や司法書士はそう多くありません。そのため、見つけること自体が困難であるか、見つけられたとしても着手時に20万円以上のお金が必要と言われたりして、依頼が難しい場合が多いようです。

 

本件のように、対面業者であっても電話交渉により解決できることは多くあります。

この手の闇金は、対面することで自分の顔を晒しているという弱みがあるため、警察沙汰にする、事件化するという方向性を告げると、態度が軟化することが多いといえます。

対面闇金と揉め事になってしまった場合は、ぜひ当事務所までご相談ください。