CASE

解決事例

闇金からの仕事依頼は【口座譲渡】|闇金被害の解決事例

投稿日:2024.12.04

闇金被害

090金融

ご依頼者:佐賀県在住Bさんの闇金被害

借入件数1社

闇金からの仕事依頼は【口座譲渡】

初めは軽い気持ちで…

ルーレットやトランプ、賭け事の画像。

 

佐賀県にお住まいのBさんは、今まで仕事一筋の方で、趣味と言えば仲間とやる賭け麻雀が大好きな60代の方です。賭け麻雀と言ってもお金を賭けるような違法なものではありません。3ゲームやって最下位の人がその日の飲み代を奢るという仲間内の遊びの範囲内のものです。

 

ある月、急な出費により生活費がギリギリになってしまいました。かといって、いつもの仲間に「今月はお金がないから麻雀はやれない」なんて恥ずかしくて言えません。

しかし、Bさんは過去に自己破産をしており、Bさんにお金を貸してくれる正規業者はいません。

そこで、やむを得ずネットの掲示板で見つけた闇金業者から数万円借りてその月をしのぎました。

 

これをきっかけに、Bさんは、闇金との付き合いを断ち切ることができなくなり、少し借りては次の給料日に完済するといった取引を1年以上続けていました。

取引が長くなったためか、多忙のため1日返済が遅れてしまったとしても、お得意さんだからと延滞金は請求されないようになりました。そのため、Bさんは、闇金業者と良好な関係を築いていると思っていました。

闇金紹介の仕事内容は【口座譲渡】

闇金に口座譲渡を持ち掛けられた

 

ある日、また闇金業者に少額を借りようと連絡をしたところ、「いい仕事があるよ」と話を持ちかけられました。

その内容は、「占いサイトアプリ利用者の振込先として法人口座を作って貰えないか。報酬として1口座につき10万円払う。」というものでした。

 

詳細を聞かせてもらったところ、

  1. Bさんが必要書類を集め、それらを闇金業者に郵送する。
  2. 闇金業者の依頼を受けた司法書士が代行して合同会社の設立手続きを行う。
  3. 合同会社の設立関係書類を受け取り、それらの書類を持って複数の銀行に口座開設を申し込む。
  4. 開設した口座のキャッシュカード等を業者に送ると1口座あたり報酬10万円が受け取れる。
  5. 口座は、節税対策として適法に利用される。

とのこと。

また、手続きには、司法書士のほか税理士や弁護士が関与するという説明もありました。

 

それであれば安全で問題ないだろうと考え、Bさんはこの仕事を受けることにしたのです。

犯罪になるのではないかと不安を覚えて司法書士に相談

電話とSOSと書かれた画像。

 

仕事を受けたものの、闇金業者からは、紛失を理由に新たに健康保険証やマイナンバーカードを作り、古い方を提出するようにと指示されました。

書類集めの段階からかなりの怪しさを感じて不安になったBさんは、専門家に相談しようと考え、近くの弁護士や司法書士に電話しました。しかし、相談料が30分5000円必要であったり、そもそも闇金関係の相談は受けていなかったりして、すぐに相談することが難しい状況でした。

 

そこで「無料相談 闇金 司法書士」と検索したところ、当事務所の存在を知り、電話相談が何度でも無料であることからお電話下さいました。

 

無料相談により、Bさんが行おうとしていた口座譲渡は【犯罪収益移転防止法違反】や【詐欺罪】にあたる可能性があることが分かりました。

違法行為であることを知ったBさんは、今まで闇金業者と良好な関係を築いていたと思っていたのは思い違いで、共犯者として巻き込まれそうになったことをはじめて知りました。

 

そして、闇金業者とは縁を切りたいと決心して、そのまま当事務所にご依頼されました。

 

この業者は、当事務所の介入実績があり、悪質度★★(低め)の業者であったため、特に嫌がらせをされる事もなく穏便に解決となりました。

司法書士のコメント

犯罪収益移転防止法とは、犯罪による収益の移転防止を図り、もって国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする法律です(犯罪収益移転防止法1条)。

 

通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した場合は、犯罪収益移転防止法違反となります(同法28条2項後段)。罰則は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれの併科です。決して軽い部類の犯罪ではありません。

 

今回Bさんが紹介された仕事は、そもそも紹介元が闇金であることや、氏名不詳者に対して古い身分証等を郵送して法人設立すること等からすると、正当な理由がない取引であることは明らかといえます。そのような相手方に有償で口座を譲渡するのですから、犯罪収益移転防止法違反となるでしょう。

 

また、他人に譲渡する目的での口座開設は、詐欺罪(刑法246条1項)に該当します。闇金業者や闇金の紹介先への譲渡目的で口座開設をすると詐欺罪が成立します。

 

 

闇金は親身になっているふりをして、ときに違法な仕事を紹介してくることがありますが、そのほとんどが闇金利用者だけが一方的にリスクを負うことになる「割に合わない仕事」です。

 

犯罪であるとは知らなかったというのは言い訳になりません。闇金からの仕事に飛びついた先にあるのは、前科や前歴がついたり、刑務所に行くことになるという末路です。

勿論闇金業者から借りないことが一番ではありますが、闇金業者からうまい話を持ち掛けられても絶対に誘いには乗らないで下さい。

何か少しでも怪しいなと感じたら、ネットで情報を集めたり、専門家への相談をしましょう。