息子の闇金トラブル、家族も相談できる?

今回は、京都府にお住まいのBさんから寄せられた事例をご紹介します。
Bさんが経営する会社に闇金業者から取立ての電話が何度もかかってきており、何とか解決できないだろうかというご相談でした。しかし、Bさんご自身は闇金と関わったことはないというのです。
詳しくお話を伺ったところ、闇金から借り入れをしているのはBさんご本人ではなく、別居中の息子さんであることが分かりました。
業者はBさんの会社にまで電話をかけ、「○○(息子さんの名前)が借りた金なのだから、お前が早く返済しろ」と、しつこく催促してくるため、Bさんは非常にお困りの様子でした。Bさんは当事務所にご連絡される前に、息子さんに事情を確認しようとしたそうですが、詳細はあまり話してもらえませんでした。
そのため、どのような経緯でこのような状況に至ったのかも分からず、困惑されていました。こうした状況の中で、「現在も会社宛に頻繁に取立ての電話がかかってきており、業務に大きな支障も出ている。一刻も早く取立てを止めたい。また息子の状況も改善したいが、どのように対応すればよいのか教えてほしい」とお話しされました。
当事務所はご家族の方からの闇金相談にも対応しています。今回のように、直接の借主ではないご家族の方が相談されるケースも少なくありません。
Bさんは、闇金業者からの取立てを止めるため、当事務所への依頼を希望されていました。しかし、実際に闇金と取引をしているのはご相談者であるBさんではありません。このような場合、借り入れをしているご本人から直接ご連絡をいただき、契約手続きを行っていただく必要があります。
そのため、まずはBさんに息子さんとしっかりお話しいただいたうえで、依頼を希望される場合には、息子さんご本人から当事務所までご連絡いただくようお願いしました。
その数時間後、「父から連絡があったかと思いますが」と話す、Bさんの息子さんと思われる方から電話があり、詳しい事情を伺うことができました。
借入先の業者は全部で3件あり、いずれも返済期日を過ぎたまま延滞している状況でした。あまりにしつこく連絡が入るので、相手の連絡先をブロックして無視していたそうです。
そのため、闇金業者は本人と連絡が取れなくなり、事前に提出させた緊急連絡先である父親の会社に電話をかけて、回収を図るようになったのです。
息子さんは、自分が闇金に借りてしまったことで、父親の会社にまで多大な迷惑をかけていることを非常に心苦しく感じており、そのことをBさんに話すのが辛かったそうです。結果として、話し合いを避けてしまい、状況が悪化してしまったとおっしゃっていました。
しかし、Bさんとの話し合いを経て、この事態を解決したいとの強い意思を示され、当事務所へのご依頼を希望されました。
相手はテレグラム闇金。家族全員が解決に向かって一致団結!

取引している業者は全部で3件、そのうち2件はLINE取引で、あと1件はテレグラムというメッセージアプリで取引中とのことです。
テレグラムはシグナルと同様、秘匿性の高さゆえに、近年では闇バイトなどの犯罪に利用されているという報道も見られます。
このアプリは、通信は利用者同士の間でのみ可能であり、当事者以外の第三者がその相手に接触することができません。そのため、ご依頼いただいても、当事務所からテレグラム上で相手業者と連絡を取ることはできません。
ただし、今回はテレグラムに移行する前にLINEで連絡を取っており、相手方のLINEアカウントが判明しています。このようなケースでは、LINEを通じて相手方と連絡を取ることが可能です。もっとも、闇金業者は常に複数の連絡先を所持しているため、既にそのLINEアカウントが使用されていない可能性もあります。その場合、解決までにさらに時間がかかることをご了承いただきました。
こうした事情もあり、息子さんは「既に周囲に迷惑をかけているので、解決の見込みがあるならお願いしたい」と、取立てリスクを承知のうえで依頼を決断されたのです。
相手業者には息子さんご自身の住所・電話番号・勤務先のほか、緊急連絡先として父親であるBさんの連絡先や経営している会社の情報も伝えてしまっていました。さらに、母親の連絡先や電話帳に登録されていた30人分の情報まで教えており、すでに各所に連絡が入っている状況でした。
この深刻な事態を1日も早く解決しようと、家族全員で協力していくことになったのです。
息子さんとのご契約、そして闇金問題の解決へ!
ご契約後、速やかに当事務所が業者に介入したことを通知し、今後の支払いには一切応じない旨を伝えました。
2件の業者は交渉ののちゼロ和解で解決できました。残り1件のテレグラム業者は、少し交渉に難航したものの、翌日には取立てを諦めました。
その後、依頼者である息子さんから、最初にご相談いただいたBさんが「会社への取立てがなくなって、本当にありがたい」とおっしゃっていたとの嬉しいご報告を聞くことができました。
注意すべき点として、一度でも闇金業者に借入をすると、「顧客情報(借入申込みをする際に入力した個人情報)」が多数の闇金業者に共有されている可能性があり、今後別の業者から融資営業の電話やSMSが届くことがあります。
再び借り入れをしてしまわないよう、困った時はまずご家族に相談していただくことを息子さんとお話しし、この度の取立て被害についてのご依頼は無事解決となりました。

今回のご相談は借り入れたご本人ではなく、ご家族からのお電話でした。
このように、ご家族からのご相談も多く寄せられております。
大切なご家族が苦しい立場に立たされている状況を目にして、どうすればよいのか、改善できる方法はないのかと悩んでいる方が多いため、今回の事例を掲載いたしました。
ご家族が当事務所に事前に不安な事柄を質問し、ご本人を説得してご依頼いただいた結果、問題解決!となったケースが多数ございます。
闇金問題を早期解決するために、ご家族の協力は非常に有効です。
ただし、闇金からの取立て被害を解決するためには、先述した通り借り入れをした本人からのご依頼が必要です。
また、今回のご依頼くださった方は、業者との連絡に「テレグラム」を使用していました。
一般の生活では使用していない方が多いため、ご依頼前にテレグラム業者のリスクおよび、メッセージアプリの特性や当事務所での対応についてご説明しております。
「テレグラム」や「シグナル」を用いた闇金業者のご相談は、取引の詳細を確認させていただいてから、ご契約手続きを進めさせていただきます。
これらの業者の返済にお困りの方や取立て被害を解決したい方は、ぜひ当事務所にご相談ください。