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七福神の給与ファクタリングは違法で無効,全額返還を命じる判決
|闇金情報ブログ投稿日:2021.02.12
最新更新日:2024.08.07
ニュース・報道
七福神の給与ファクタリングは違法で無効,全額返還を命じる判決
給与ファクタリング業者「七福神(株式会社ZERUTA)」について,2月9日,東京地裁による判決が出ました。
給与ファクタリングで違法金利、業者に全額返還命令 将来の給与を担保に現金を渡す「給与ファクタリング」が貸金業に当たり、手数料名目で法外な金利を求める契約は無効だとして、5都県の男女9人が業者に総額約430万円の返還を求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、違法と認め、全額を返還するよう命じた。 判決によると、業者は「七福神」の名称で事業を展開するZERUTA(東京)。利用者が勤務先から受け取る予定の給与を債権として買い取り、手数料を引いた現金を提供。給料日に、利用者が債権額を支払う仕組みだった。 藤沢裕介裁判長は、こうした手法が「貸金業に当たる」と認定。貸金業を営むために必要な登録を受けず、手数料として年利換算250%を超える違法な金利を受け取ったとし「契約は無効」と判断した。 ※産経新聞社ウェブサイト(https://www.sankei.com/smp/affairs/news/210209/afr2102090027-s1.html)2021.2.9 20:39配信記事より
給与ファクタリングは,労働者が勤務先から給料を受け取る権利を買い取るという形でお金を貸し付け,後日労働者が受け取った給料をそのまま業者に引き渡すことで借金を返済させるという手口を用いています。
業者側はこれまで「金銭の貸付けではなく給料債権の売買である」などと主張して取引を正当化していました。しかし,貸金業登録を受けずに違法金利に相当する手数料を取り,また,貸金業法の規制を受けないことを盾に取って悪質な取立手法を用いているという点が問題視されていました。そのような中,2020年3月,金融庁において,給与ファクタリング取引を行うためには貸金業登録を要する旨の見解が発表されたことを契機に,給料ファクタリング業者が逮捕される例が相次ぎ,これにより給料ファクタリング業者は闇金であるとの認識が世間で一般的になりました。
給料ファクタリングが闇金であることを認めた判決
法定上限の数十倍~数百倍に及ぶ利息にて行う闇金のような貸付けは,利息はもちろんのこと借りた元本の返還義務すらないとするのがこれまでの判例であり(最高裁平成20年6月10日判決など),原則として元利金の返済は不要です。
そればかりかこれまで支払った元本や利息は全額取り戻すことも認められています。
一方,給料ファクタリングについては業者の請求を無効とする判決はいくつか出ていたものの,業者から受けた被害を回復することができる判決はこれまで出ていませんでした。
そのような中,今回の判決で注目すべきなのは被害者から業者に対する全額の返還請求が認められた点です。 これは給料ファクタリング業者は闇金同然であるということを東京地裁が認めたといえ,画期的な判決と言えるでしょう。
新手口「後払い現金化」「先払い買取り」に注意
現在,給料ファクタリングに替わる手口として「後払い現金化又は先払い買取り」と称し,売買を装って貸付けを行う新たな闇金手口が蔓延しています。この手口は,給料ファクタリングが世間に違法業者と認識され始めた頃に登場したもので,給料ファクタリング業者が業態替えをしたものとみられています。
給料ファクタリングは給料を売買する手口でしたが,後払い現金化や先払い買取りは,物や情報,サービス等を売買する手口です。売買の対象を置き換えただけであり,実質的な内容は給料ファクタリングとほとんど変わりがありません。ツケ払い後払い業者と取引することは闇金と取引することと何ら変わりありません。絶対に取引しないようご注意ください。
ツケ払い後払いに関する被害相談では,「払わないのなら会社や緊急連絡先に連絡する」「売買代金をすぐに払わないと詐欺罪で刑事告訴する」等と脅されて困っているという方が多数おられます。ツケ払い後払い業者の取立手法は闇金のそれと全く変わらないものであり,一人で立ち向かうのは困難です。 後払い現金化や先払い買取り被害に遭われてお困りの方は,すぐにお近くの司法書士や弁護士に相談されることをお勧めします。
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