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SNSで「逮捕状」「凍結捜査差押許可状」 警察を装った詐欺に注意

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投稿日:2025.02.21

最新更新日:2025.02.21

ニュース・報道

SNSで「逮捕状」「凍結捜査差押許可状」 警察を装った詐欺に注意

SNSで「逮捕状」「凍結捜査差押許可状」 警察を装った詐欺に注意

警察官や検察官を装って、逮捕状などの画像をLINEで見せることで不安をあおり、お金をだまし取る劇場型の特殊詐欺の被害が報道されています。
事案の概要は以下のとおりです。朝日新聞ウェブサイトの記事を要約して掲載します。

SNSでニセ令状を送ってくる詐欺被害発生―記事の概要

SNSで名前入りの逮捕状は「詐欺」 ニセ令状の画像公開 愛媛県警
愛媛県内で警察官などを装ってお金をだまし取ろうとする「オレオレ詐欺」でSNSを利用したケースが起きており、県警は詐欺グループが実際に送ってきた偽の逮捕状画像などを公開して、類似した手口にだまされないよう訴えている。

事案の概要は以下。
・1月31日、県内の50代男性の携帯電話に警視庁の警察官を名乗る男から電話があった。
・「愛知県で逮捕した犯人があなたの情報を持っている」として、話を聞くためにLINEの連絡先登録を求めた。
・登録すると、愛知県警の警察官を名乗る男がビデオ通話してきて免許証の提示を求め、検察官を名乗る他の男が「逮捕状」「凍結捜査差押許可状」という書類の画像を送ってきた。
・書類には男性の実名も書かれていた。 愛知県警を名乗る男は「口座凍結をするので指定口座にお金を移してほしい」と求めた。

県警によると、最初に電話で遠方の警察の担当者を装って出頭を求め、相手が断ると代わりにオンラインでのやりとりに誘導する手口が見受けられるとのこと。
警察官が職務でSNSのアカウント交換やビデオ通話を求めたり、逮捕状などをSNSで送信したりはしない、として注意を促している。

出典:朝日新聞ウェブサイト 2025年2月20日 10時42分配信より要約

警察官をかたる振り込め詐欺は以前から度々発生していますが、最近では手口が巧妙化しています。
以前は、だまされるのは高齢者というイメージがありましたが、近年の手口では若年層や社会経験を積んだ40~50代でも被害に遭うケースが後を絶ちません。
なかなか見破るのが難しいほど手の込んだやり口になっているため、いかに早い段階でおかしいと気付けるかが重要になってきます。
本件の手口に関して、同様の被害に遭わないために以下のことを覚えておきましょう。

警察が逮捕状をSNSで送ることはない

本件は、ニセの逮捕状などを画像で送ることによって不安をあおり、被害者からお金をだまし取るという手口になっています。
警察官役と検察官役がいて、しかも動画で登場するなど、まさに劇場型の詐欺といえます。
さらに手の込んだものの場合は、ニセの逮捕状がポストに投函されることもあるようです。

まず覚えておくべきなのは、警察が逮捕状や捜索差押許可状などの令状をSNSで呈示してくるようなことは、あり得ないということです。

逮捕は、比較的短時間被疑者の身柄を拘束する処分です。警察が逮捕(通常逮捕)しにくる際は、逮捕状を被疑者に呈示する(あるいは被疑事実の要旨と逮捕状が出ていることを告げる)とともに、その場で身柄が拘束されます(現行犯や緊急逮捕といった身柄拘束時に逮捕状がまだ発せられていない例外あり)。

したがってわざわざ事前にSNSで画像を送ってきたり、郵送してから逮捕しに来るというのは考えられないというか、これから逮捕するのにそんなことをする意味はありません。

"凍結捜査差押許可状" そんなものはない

また、捜索差押許可状と誤認させようとしているのでしょうが、「凍結捜査差押許可状」などという令状はありません。

なお、捜索差押許可状とは、事件捜査において、警察などの捜査機関が、犯罪に関連がある物を取得し(差押え)たり、そのために住居等に立ち入って探索したりする強制的な処分による捜査を、裁判官が許可する令状です。

◉参考―刑事訴訟法

218条1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。(後段略)

ちなみに、被害者からの相談などにおいて不正利用が疑われる口座については、警察など捜査機関の判断で金融機関に口座凍結を要請することで対象の不正利用口座について凍結の措置を執ることができます。

◉参考―犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(振り込め詐欺救済法)

3条 金融機関は、当該金融機関の預金口座等について、捜査機関等から当該預金口座等の不正な利用に関する情報の提供があることその他の事情を勘案して犯罪利用預金口座等である疑いがあると認めるときは、当該預金口座等に係る取引の停止等の措置を適切に講ずるものとする。

総括

まとめると、
警察官や検察官がSNSなどで逮捕状や捜索差押許可状などの令状を送ってくることはない(そもそもLINE登録を求めてくることもない)こと
凍結捜査差押許可状などという令状は存在しないこと

これらのことをしっかり覚えておきましょう。

そして、おかしいと思ったら誰かに相談する、というのもとても大切です。まずはご家族など身近な人に相談することで、冷静に判断し、怪しい所を見つけるきっかけになります。
今後も手を変え品を変え、新たな手口でだまそうとしてくる恐れがあります。不安を感じても一旦冷静になり、必ず誰かに相談しましょう。判断が難しい場合は、警察や消費者センター、あるいは弁護士などに相談するようにしてください。