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オンラインカジノが原因で口座譲渡の元巡査に有罪判決―賭博罪・詐欺罪・犯収法違反

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投稿日:2025.08.05

最新更新日:2025.08.07

ニュース・報道

オンラインカジノが原因で口座譲渡の元巡査に有罪判決―賭博罪・詐欺罪・犯収法違反

オンラインカジノが原因で口座譲渡の元巡査に有罪判決―賭博罪・詐欺罪・犯収法違反

口座譲渡で有罪 原因はオンラインカジノ

不正に銀行口座を開設し譲渡したとして詐欺罪・犯罪収益移転防止法違反で警察官の女が逮捕されたことに関し、8月1日に大阪地裁で有罪判決が出されました。
被告人が口座を売買するに至った原因として、オンラインカジノを利用していたことも発覚し、賭博罪でも有罪とされています。

近年国内でもオンラインカジノの利用が深刻な問題になっていて、警察をはじめ多くの公的機関が注意喚起を発しています。
その影響の一つとして、オンラインカジノにお金をつぎ込むことによる多重債務や闇金問題、闇バイトの問題を見過ごすことはできず、これらは密接なつながりを持つ深刻な問題に発展しているといえます。

まずは先日の報道を見てみましょう。

元女性巡査に執行猶予付きの有罪判決 詐欺などの罪

他人に譲り渡す目的で銀行口座を開設したとして詐欺などの罪に問われた27歳の元女性巡査に対し、大分地方裁判所は、「警察官として法令を順守すべき立場で犯行に及んだ意思決定は強い非難に値するが犯行を認めて反省の態度を示している」などとして執行猶予つきの有罪判決を言い渡しました。

大分東警察署の生活安全課に勤務していた元巡査(27)は去年12月、他人に譲り渡す目的で、金融機関に不正に口座を開設したとして詐欺の罪に問われたほか、ことし1月に海外のオンラインカジノを利用したとして、賭博の罪にも問われました。

1日の判決で、大分地方裁判所の北島聖也裁判官は、「警察官として法令を順守すべき立場にあり、口座などが詐欺に悪用されることによる悪影響を十分認識していたにもかかわらず、犯行に及んでいて強い非難に値する」と指摘しました。

その上で「犯行を認め、反省の態度を示しているほか、懲戒免職処分となるなど、一定の社会的制裁を受けている」として懲役2年、執行猶予3年、罰金10万円の判決を言い渡しました。

※出典:NHK NEWS WEB 2025.08.01 11:31配信より(一部改変)。

記事によると、被告人の女性巡査は、オンラインカジノに使うお金を捻出するために口座の売買を行ったものとされています。

問われた罪は、詐欺罪、犯罪収益移転防止法違反、そして賭博罪のもようで、執行猶予付きの懲役2年・罰金10万円の判決になっています。

オンラインカジノは賭博罪にあたる

必ず認識しておかないといけないのは、オンラインカジノは賭博罪に該当する犯罪であるという点です。

海外では合法とされているオンラインカジノサイトについても、日本国内からアクセスして賭け事を行った場合は犯罪になるということはしっかり認識しておきましょう。

ここで刑法の賭博罪について簡単に見ておきましょう。

◉刑法
(賭博)
第185条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条 常習として賭博をした者は、三年以下の拘禁刑に処する。
2 (略)

刑法185条は単純賭博罪、186条1項は常習賭博罪が定められています。
まず、「賭博」とは、偶然の事情により決定される勝敗によって財物または財産上の利益について得喪を争うこと、が具体的内容とされます。

(1)勝敗がプレイヤーの技量よって決まるものであっても、多少なりとも偶然の事情の影響を受けることがある場合には賭博に該当するとされます。古い判例ですが将棋や囲碁も偶然の事情に左右され得るものとされた例があります。麻雀なんかもこれに当たるでしょう。

(2)賭ける物は財物または財産上の利益とされていて、必ずしもお金や物に限られません。一定の財産的価値を持つものであればよく、例えばオンラインゲームのアイテムなどでもよいとされています。

(3)そして得喪を争うというのは、勝者が利益を得る反面敗者が利益を失う関係になっていることを指し、仮に一方だけが常に利益を得るような性質のものはこれに当たりません。福引や懸賞は賭博には該当しません。なおいわゆる八百長の場合も賭博には該当しませんが、詐欺罪などに問われる可能性はあるでしょう。

(4)ただし「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる」場合には賭博罪は成立しません。一時の娯楽に供する物とは、関係者が即時娯楽のため費消するような物とされ、例えば食事一食とか、タバコ一本といった些細な物であれば賭博罪は成立しません。
しかしながらお金を賭ける場合は、額が少額であっても一時の娯楽に供する物とは言えず、賭博罪が成立するものとするのが判例です。

そして常習的に賭博を行う者については刑が重くなっていて、単純賭博罪が罰金または科料であるのに対して、常習賭博罪は拘禁刑に処せられます(186条1項)。

なお、賭博罪の存在理由として、判例では以下のように説明されています。

◉昭和25年11月22日最高裁大法廷判決より抜粋
賭博行為は、「国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風(憲法二七条一項参照)を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあるのである。」

つまり賭博は、単にプレイヤー個人だけの問題ではなく、その者が犯す恐れのある他の犯罪を誘発する可能性があるものとされ、賭博罪にはこれを防止する目的があると述べられています。また、債務問題の発生など国民経済にも重大な悪影響を及ぼす恐れもあることが示されています。
前掲ニュースのような口座不正譲渡の事例や、後述する多重債務・闇金問題などがまさにその例であると言えます。

犯罪とは知らずに利用してしまうケースも

前述した通り、オンラインカジノを利用することは賭博罪に該当する犯罪行為です。
インターネット上には、海外では合法だから大丈夫などと言った口コミもあるようですが、それは誤りと認識しておきましょう。
オンラインカジノは、スマホなどでオンライン上でゲームを行い、その結果に対して現金や暗号資産、電子マネーなどを賭けるものです。カジノでイメージするようなスロットやカードゲームだけでなく、パズルや格闘技・スポーツの勝敗を競うものもあります。
したがって違法と思わずに利用してしまうこともあったり、若年層特に10代の利用者も少なくなく、犯罪という認識が無くオンラインカジノを利用してしまうケースも多いと考えられます。

2024年7月~2025年1月の調査によると、利用率が最も多いのは20代で、次いで30代、40代、そして10代という順になっています。また1人あたりの賭額は月に平均約5.2万円となっていて、10万円を超える額をかけているのは全体の1割ほどにとどまるようです(出典:警察庁委託調査研究 「オンラインカジノの実態把握のための調査研究報告書」p.5-6)。
収入の範囲内で賭けている利用者が多いのでしょうが、これが逆に心理的なハードルを下げている可能性もあります。つまりゲームアプリに課金するのと同じような感覚でオンラインカジノに手を出しているケースも多いのではないかと考えられます。

こうした事情で、犯罪という認識がなくオンラインカジノを利用してしまうことがあるかもしれませんが、違法とは知らなかったという言い訳は通用せず、れっきとした犯罪として処罰されてしまいます。

多重債務、闇金被害、闇バイトの原因に

近年オンラインカジノにまつわる事件が国内でも多くなっていて、かなり深刻な問題になっている状況と言えます。

お金をつぎ込み過ぎて破綻してしまうのみでなく、賭博罪に問われてしまって逮捕される例もあります。
それだけでなく、資金を得るために犯罪に手を染めてしまう事例もあります。
賭博罪は被害者なき犯罪と言われますが、そのために闇バイトで詐欺や強盗をはたらくような事例が発生している現状を見ると、もはや賭博に手を染めた当人だけの問題ではなく、無関係の人々にも悪影響をもたらしているものと言えます。
むしろそちらのほうがより深刻な問題であると考えるべきでしょう。

オンラインカジノでお金が無くなってしまい、闇金から借りることになってしまうケースも現在多数発生しています。
特徴的なのは、もともと決して収入が低いわけではなく、本来であれば生活も安定しているであろう方が闇金に手を出すことになったケースが少なくないという点です。

これはパチンコや競馬、競輪等にお金をつぎ込んでしまう場合でもよくあった特徴ですが、近年の闇金被害の相談例からみても、こうした属性の被害者がさらに多くなっている傾向があります。

また、20~30歳台の若年の方の中にも、ヤミ金を使うに至った原因がオンラインカジノだったという方が相当数いらっしゃいます。

要するに、普通に生活していれば闇金とは無縁であったはずの方が、オンラインカジノの利用をきっかけに一気に歯車が狂い始めたという例が多いのです。

オンラインカジノの取り締まり強化へ

オンラインカジノへの取り締まりに関しては「ギャンブル等依存症対策基本法の一部を改正する法律」が成立し、今年9月25日より施行される予定です。
内容としては、以下のような行為が禁止されることが定められました。

・オンラインカジノサイトの開設・運営
・オンラインカジノアプリのアプリストアへの掲載
・SNSなどで、オンラインカジノサイトのリンクを貼り付けて投稿したり、オンラインカジノサイトの宣伝や広告をしたりすること
・オンラインカジノサイトを紹介するまとめサイトを作ること
🔗オンラインカジノによる賭博は犯罪です!広告・宣伝することも禁止に!政府広報オンラインより)

闇金問題にも言えることですが、結局のところ違法なコンテンツを提供する側を取り締まらなければ、それを利用する人はなかなか減りません。
特にオンラインカジノは上記のとおり犯罪であると認識せずに利用してしまう人がいることから、広告の規制を徹底するなど、運営者側をしっかり取り締まる必要性は極めて大きいと言えるでしょう。

オンラインカジノと多重債務・闇金問題は密接である

このページではオンラインカジノの利用によって口座の譲渡に手を染め、処罰された事例を紹介しましたが、そこまではいかなくとも、消費者金融からの借入れによって破産してしまったり、闇金に借りなければならなくなったりする事例は無数に存在するものと推測されます。

いわばオンラインカジノの問題と多重債務・闇金問題は数珠つなぎの密接に関わる問題と言っても過言ではありません。
また闇バイトについても同じく密接にかかわる問題になっていると言えます。

先述のとおり、賭博は、それを発端として他の凶悪な犯罪を誘発したり、深刻な債務問題を発生させる恐れのあるものとされて、処罰の対象となっています。

借金に苦しめられた挙句、賭博で逮捕されたということになると本当に大変な状況になってしまいます。
あらゆるトラブルの元凶になってしまうオンラインカジノの利用は絶対にやめましょう。