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闇金という秘密を持ち続けないでください
|闇金情報ブログ投稿日:2013.11.23
最新更新日:2024.08.10
その他
闇金という秘密を持ち続けないでください
相談員の石川です。
お金を渡している間は闇金を怖いと思う人はいません。怖くなるのは返済ができなくなったときです。
性質の悪い業者ほど,被害者について多くの個人情報を聞き出しておき,後になって脅しの道具にします。
被害者の方は,「闇金に借りたのは自分が悪い。だから自分に嫌がらせが来るのは仕方がない。だけど家族に迷惑がかかるのだけは何としても避けたい」と,このように思っている方が大半ではないでしょうか。
家族を愛しているからこそ闇金に手を出したことを知られたくないというお気持ちはもっともです。知られれば家族の信頼を損なう恐れがありますから。
秘密を守り続ける事が良い結果を生むとは限らない
私は普段から読書が好きで様々な書籍を読みます。その物語のなかには被害者の方に近い心情の方も多くいらっしゃいます。本当はどうするべきだったのかを今一度考えて頂けたらと思います。
- 『第二の汚点』
最初に紹介するのはシャーロック・ホームズの『第二の汚点』です。「夫を愛するあまりにどうしても秘密を打ち明けられず,そのために夫を窮地に立たせてしまう妻」が出てきます。
夫人が昔,恋人に書いたラブレターを手に入れた悪者が夫人を脅迫します(このあたりは古典なので時代を感じますね)。
夫は外交官で,公表されればヨーロッパ全体の火種になるような機密文書を保管していたのですが,彼女は悪者に脅されてその文書を持ち出してしまいます。
夫人が事件に関与していることを突き止めたホームズが文書の在処を尋ねると,彼女は罪を認めホームズに助けを求めます。
悪者に脅されて,ではどうすればよかったのかと嘆く夫人にホームズは「ご主人に秘密を明かすことです」と一言告げますが,彼女には決断できませんでした。
ラブレターの存在が公になるのも,文書を持ち出したことがばれるのも,夫の信頼を損なうことを恐れる彼女には耐えられないことでした。
最後はホームズがうまく取り計らって,夫人のしたことは誰にも知られず,文書も夫の手に戻り大団円となります。ラストの台詞が洒落ていて私の好きなお話です。
ヤミ金のことを自分の胸だけにとどめお金を払い続けることは,家族の生活を壊すことに繋がります。なぜなら,ヤミ金はお金の取り立てを絶対にやめないからです。いつかは家族に迷惑をかけることになりますし,その時が遅いほど被害は大きいものになります。
あなたと家族が安心して暮らしていくためにはヤミ金と手を切るしかありません。家族には相談できないとお悩みの方は,専門家に助けを求める勇気を持ってください。
- 『複雑な彼』
次に紹介するのは三島由紀夫の『複雑な彼』です。以前にブログ「闇金に懲りない面々」で安部譲二について少し述べましたが,三島由紀夫が彼をモデルにした小説を書いているんですね。
国際線の客室乗務員である「譲二」とその彼の大きな背中に惹かれる女性のお話で,純文学というより軽い読み物という感じの本です。譲二は女性が大好きで良くモテて,でもそれが嫌味にならずとても魅力的な男性です。
そんな彼が真剣に愛した女性を諦めるまでの話なのですが,なぜ諦めるのかというと「それは相手の親御さんが絶対に結婚を許さないであろう」という秘密が自分自身にあったからだという物語です。
誰にでも大小さまざまな秘密があると思います。
しかし家族や大切な人に打ち明けることのできない隠し事を持ってしまうということは,時に大変辛いことだと思います。それがいつか露呈しやしないかと常に恐れることになるからです。
特に闇金から借りているという事実は周囲の人に隠したいことでしょう。
こうした秘密を抱え苦しんで当事務所にご相談される方にも多くいらっしゃいますし,まず最初に皆さんが「家族には知られずに何とかしたい」と仰います。
隠し続けても闇金と縁を切ることはできない
闇金から融資を受けてしまったことを誰にも相談できず,ご自身で何とかしようとあがいているうちに何度も高額の返済をし続けてどうにもできなくなってしまうというケースは非常に多いと言えます。
そしてとても重要な事ですが,闇金は,周りの人に秘密にしたいという弱みを餌にして,返済が詰まればすぐに関係各所に電話をしてきます。そして金を渡せば電話は止むという点だけを学習させるのです。
返済が続く,生活が苦しい,でも周りには隠しておきたいから何とか金策する。これではいつまでたっても闇金と関係を断つことなどできません。では,彼らと縁を切るにはどうすればよいでしょうか。
闇金の早期解決方法は周囲の方の協力が一番効果的
闇金に弱みを作らないためにとる方法は,彼らと取引しないことにほかなりません。しかし,すでに借りてしまっているのなら,一刻も早く弁護士・司法書士等の専門家に相談することです。
闇金から借りているという秘密は,それを持ち続ける限り自分を追い詰めていく種になります。それを育てる事なく早いうちに刈り取りましょう。既に周囲の方の連絡先を教えてしまったということであれば,その方たちにあらかじめ根回しすることは重要です。誰からもお金が取れないと業者に知らしめることが早く手を引かせる効果的な手段です。
守秘義務を負う専門家に秘密を打ち明けるのは,闇金と付き合い続けるよりずっと易しいはずです。どうぞ勇気を出してご連絡をください。