劇場型ヤミ金にご注意

公開日:2013/11/07更新日:2018/11/19

カテゴリー:司法書士 タグ:

司法書士の下東です。

振り込め詐欺は劇場型詐欺などとも呼ばれるようになり,色々と巧妙な騙しの手口を展開していますが,ヤミ金業界にも似たような手口が存在しています。

今のところあまり表面化していません。また,多くの場合は劇場型であったということに気付きもしないようです。

今回はそんな劇場型ヤミ金の手口の一部をご紹介しましょう。

ヤミ金はある借受人をターゲットとしたら、その者に自分のグループ内で次々と貸付けを行います。

そしてそのグループ内で
・厳しい取立てを行うヤミ金
・優しくフォローに回るヤミ金
・後から新規貸付けを行うヤミ金

等の役割分担をします。

まずは《厳しい取立てを行うヤミ金》が法外な利息の要求(例えば7日後に元金の三倍の利息等)や延滞料,迷惑料と称して無理のある請求をかけます。
当然,借受人はこれではとてもじゃないが支払えないと考え困惑します。

そこへ,《優しくフォローに回るヤミ金》が連絡し,話を聞いてやります。そして,

「それは大変ですね。そっちをなんとかしないといけないだろうからウチの支払いは後でいいですよ」
「生活大変だろうからなんとかしますよ」

などと言いながら返済の猶予を与えたり,つなぎの少額な融資を比較的低利でしたりして借受人からの信頼を得ます。

しかし, 《厳しい取立てを行うヤミ金》の請求は過酷なものであり,借受人の支払能力は限界を超えます。その辺りを見計らって次は,《後から新規貸付けを行うヤミ金》が絶妙なタイミングで融資勧誘の連絡をします。

「今ならおまとめやってますよ」
「低利で希望額をお貸ししますよ」

などと言い,《厳しい取立てを行うヤミ金》へ完済するに足りる金額を実際に貸付けます。
(その金はすぐに《厳しい取立てを行うヤミ金》に支払われるのでヤミ金グループの損失はありません)

その後,仕上げとして《優しくフォローに回るヤミ金》から,

「あなたのことだから忠告するけど,そろそろなんとかしないとまずいと思いますよ。
良かったらいいとこ紹介しますよ」

などと言って,ヤミ金相手であっても元金は返済させる方針をとる弁護士・司法書士の事務所を紹介します。

すると,《後から新規貸付けを行うヤミ金》場合によっては《優しくフォローに回るヤミ金》も)は法律家のお墨付きで和解を行い安全に元金の回収が出来ます。

以上が劇場型ヤミ金の手口の流れです。
ポイントは,元金を返す弁護士又は司法書士を利用するところです。

判例の趣旨に乗っ取って業務を行うならば,ヤミ金には返済をさせず,支払った金員は返還請求をするということになりますが,中には元金を返させる(場合によっては法定利息も)ことによって安易に解決する弁護士・司法書士がいます。

その是非はここでは論じませんが,犯罪者集団であるヤミ金はそうしたところにも着目して利用しようとしてきますのでお気をつけ頂きたいものです。

なお,最後に,誤解のないように申し上げますが,上記の弁護士や司法書士は,ヤミ金と結託しているわけでも提携しているわけでもありません。
ただヤミ金に利用されているだけです。

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