司法書士の下東です。
いつの時代も,詐欺の手口は良く考えれば容易に怪しいと看破出来るものばかりです。
オレオレ詐欺はその典型例でしょう。
「俺だけど・・・」などとお年寄りに電話して大金を要求しても,声が違えばまさか騙されないだろうと誰しも思うところですが,自分の大切な息子や孫が慌てた様子で電話してきた上で,重大なミスを犯してしまい,すぐになんとかしないと取り返しがつかない・・・などと言われると平常心では居られないものです。
その気が動転してしまったお年寄りから金を巻き上げるという極めて卑劣な犯罪がオレオレ詐欺です。
先日,私の祖母宛にもそのような電話がかかってきました。
祖母は,電話口で私を名乗る者から「携帯を落とした」と言われていたことから,私に確認の電話をすることもなく危うくお金を用意するところだったようです。
幸い,祖母は私の父に相談したので父が怪しいと考えて私に連絡をくれたため事なきを得ましたが,非常にしっかり者と思っていた祖母でもそのような詐欺に騙されかけるのかと思うと,手口の周知も重要ながら警察による取り締まりがより重要であるように痛感させられた事件でした。
さて,090金融などヤミ金の世界でも,詐欺と同様に怪しげな手口が横行しています。
今回は,090金融が携帯電話を騙し取る手口をご紹介します。
信用力を見る?090金融に携帯を送るよう言われた
090金融との接触は危険であり,融資の申し込みをするだけでもいけないということはキャンセル料の請求に関する記事などで何度も述べています。
一旦申し込みをしたが最後,借りてしまえば高利の返済を延々と続けさせられる破目になり,断ればキャンセル料なる名目で請求を受け,支払わなければ勤務先等に嫌がらせの電話をかけるという悪質な手口のことでした。
最近では,上記に加えて携帯電話を騙し取る手口も多く見受けられるようになりました。
その手口とはおよそ以下のようなものです。
まず,融資申込みの時点で,
「30万円の融資が可能です。ただし,融資のため信用力を見させて頂きたいので,携帯電話を3台契約してきてください」
などと言われます。
何故融資を受けるのに携帯を契約する必要があるのだと誰もが質問するでしょうが,これについては,
「携帯料金を滞納している様な人には貸せないから」
等と説明されるようです。
これに騙され,携帯電話を入手してくると,それを指定の場所に郵送するよう指示されます。
本体ごと送るよう言われる場合もあればSIMカードだけの場合もあるようです。
送る際には,
「確認出来たらすぐに返送する」
と説明する業者もいるようですが,当然ながらそれが返ってくることはありません。
そして送った携帯電話やSIMカードは090金融や各種詐欺に悪用されることになります。
そんな怪しい手口には自分は騙されないとお思いになる方が大半でしょうが,断れば,ではキャンセル料を支払えとなるわけで,実に悪質な手口です。
こうした被害を防ぐためには,
・090金融(ヤミ金)とは付き合わない
・怪しいサイトから融資申込みをしない
これに尽きます。