司法書士の下東です。
久々にトイチの金利で営業しているヤミ金業者の件に介入したのでご紹介させて頂きます。
トイチとは
まずトイチとは何かということを念のためご説明致しましょう。
トイチとは,10日で1割の利息を取るヤミ金のことです。
10万円の貸付けであれば10日後に1万円の利息が付き,完済するなら11万円になるということです。
年利にすれば365%であり,昔の高金利の代名詞のような言葉です。
トイチには,上記の様に金利を意味する場合のほか貸金業登録の番号の「東京都(1)」という部分を指して「都1(トイチ)」と呼ぶケースもありました。現在では貸金業登録をしているヤミ金がいなくなったためこの使われ方はほとんどみられなくなりました。
トイチは低金利?
しかし昨今のヤミ金の中ではかなり低い金利の部類に入ります。
本ブログでは再三ご紹介していますが,ヤミ金の要求金利は年利2000%以上が主流であり,しかも7日間で支払いをさせるところも多いです。
例えば,2万円を借りた場合,7日間で1万円の利息の支払い(年利約2600%)を要求するのがもはや普通になっています。
上記金利で10万円を借りたとすると1ヵ月間で支払いを要する利息は,20万円超となりますが,
トイチであれば,3万円で済みます。
このように比べるとトイチが安い様に感じられる方も多いでしょうね。
正規の金利と比べると・・・
ですがこれは他のヤミ金と比較した場合の話です。
一般の消費者金融と比較すれば法外な利息に違いはありません。
先の例でいいますと,10万円を一般消費者金融から借り入れた場合,30日で支払う利息は1489円程度です。
これに対し,トイチでは3万円です。
つまり20倍以上の額の支払いを要するのです。
このような高利の支払いをまともに続けられるはずはありません。
もし,長期に亘り支払いを続けている方が居られるのだとしたら,その方はご自分の生活のかなりの部分を犠牲にして必死に支払いを続けているのでしょう。
トイチ業者への対処法
さて,このトイチ業者ですが,このように低利のヤミ金は対面型であることが多いです。
また,場合によっては事務所(店舗)が存在したり,ヤミ金が本名を名乗っているということも比較的多く見受けられます。
この手のヤミ金の対策は簡単です。
「家に来たら110番通報をする」
これだけです。
そして家に来なければ無視していれば良いのです。
対面型のヤミ金は極端に警察を恐れています。
顔を晒して営業しており,常に高いリスクを負っているわけですから当然かもしれません。
ですから,対面型のヤミ金に対しては警察をぶつけるのが特に有効です。
もちろん,そうでない例はいくらでもありますので楽観的なことばかりは申せませんが,高利の返済を続けて人生を犠牲にするよりは,積極的な行動に出てヤミ金問題を解決して頂きたいと切に願います。
ただし,脅しのプロであるヤミ金と皆さんでは交渉力が違うことは自明であり,それにより不利益を被る可能性も高いでしょう。
自身の無い方は専門家の力を借りることをお勧めします。