【ヤミ金対策】だまされたふり作戦の是非

公開日:2014/08/20更新日:2014/08/20

カテゴリー:ニュース・報道 タグ:

和歌山県警において,特殊詐欺対策に用いていた「だまれされたふり作戦」によってヤミ金対策でも効果を上げているとの報道がありました。

 和歌山)ヤミ金対策に「だまされたふり作戦」
貸金業の届けをせずに高額な金利を取り立てるヤミ金融。県内でも被害相談が増加傾向にある中、県警は、特殊詐欺対策でも活躍する「だまされたふり作戦」で、金の回収に使われる金融機関の口座を芋づる式に凍結する手法で対抗し、効果を上げている。
生活環境課によると、ヤミ金融の相談件数は2013年は127件、今年は6月末までですでに69件。インターネットの広告や過去の利用歴をきっかけに電話でやり取りし、金融機関の口座で回収する手口が主流という。
県警では、08年に施行された「振り込め詐欺救済法」に基づいて、こうした口座の凍結を実施。口座が犯罪に利用されている疑いがあれば、県警など捜査機関からの情報提供をもとに、金融機関が口座を凍結することができる法律だ。ただ、業者は口座を複数使っており、ヤミ金への返済に使った口座を凍結しても、別の口座で融資を続ける例も多かった。
そこで、県警が考えたのが、被害者に「だまされたふり」をしてもらい、業者から情報を引き出して次々と口座を凍結する方法だ。
4月、県内のある署に40代の女性から相談があった。「ヤミ金から金を借りたが、いくら返済しても元金が減らない」という。
過去にもお金に困りヤミ金融を利用したことがあった女性。3月中旬、携帯電話に県外の業者から「融資を受けないか」と電話があった。女性は2万5千円を借り、手数料を引いた2万2千円が振り込まれた。3月下旬、「利子を振り込んで」と電話があり、1万5千円を2回振り込んだ。それでも催促が止まらず、警察に相談した。
相談を受けた署では、生活安全係の警察官が隣で指示を出しながら、業者と電話した。振り込み用の口座を指定させ、凍結する。その後、「振り込みが出来ない」と電話して別の口座を聞き出す。これを繰り返し、3日で3口座を凍結させたところで、連絡が来なくなった。
(2014年8月19日 朝日新聞デジタル http://digital.asahi.com/)

 

ヤミ金対策に消極的だった警察がここまでやってくれるようになったことは被害者にとっては非常に心強い限りです。

こうした警察の対応が全国に広がれば,口座の調達が困難になったヤミ金は廃業に追い込まれるか,対応をソフト化して口座凍結を避けながら生き残っていくしかなくなるでしょう。

ヤミ金を撲滅していくという観点からは評価出来る対策であると思います。

しかし,個々の被害者の救済という点からは若干の疑問があります。

記事では,被害者自身がヤミ金と連絡を取って口座を聞き出し,その口座を警察が凍結するという作業を3日続けたところ,相手のヤミ金から連絡が来なくなったとあります。

ですが,全ての被害者の件でこのようにうまくいくとは思えません。

ヤミ金もバカではないですから,「この人に振り込みさせようとすると何故か毎回口座が止まるからもう取立ては止めておこう」と毎回なるはずがないのです。

報復的に被害者の勤務先へ激しい嫌がらせを行うケースも多いのではないかと推察します。

もちろん,そうした嫌がらせには屈せず断固戦うんだという強い意志を持った方の場合は全く問題ないのでしょうが,そういう方ばかりではありませんから全ての人に対して今回の作戦を適用するのは無理があるでしょうね。

また,ヤミ金によっては司法書士や弁護士が介入した時点で「口座凍結を行わないこと」を条件に和解に応じ,平和的に解決出来ることがありますが,いきなり口座凍結を行ってしまうと平和的解決が困難になる場合もあります。

警察がヤミ金対策に乗り出してくれるのであれば歓迎すべきことですし,被害者の方は積極的にお願いして構わないと思います。

ただし,警察は被害者のために動くのではなく犯人検挙のため,あるいは口座凍結のために動くのですから必ずしも被害者の望む方向での解決とならない場合がある点にご留意頂きたいと思います。

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