大阪で先払い買取業者を一斉提訴へ　高金利で違法な闇金にあたる手口

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金券買取を装う行為が闇金にあたるとして提訴

金券買取などの売買契約を仮装して貸付けをした行為、いわゆる先払い買取現金化が闇金にあたるとして大阪で一斉提訴されたと報道されました。
以下、記事を紹介します。なお、記事内には実際のやりとりの概要が画像入りで記載されています。

「金券買い取り名目で先に貸し付け、後日返済はヤミ金」…大阪府内の男性２人が４業者を提訴

客の手元にないギフトカードなどの金券を買い取る名目で金を貸し付け、後に金券で返済させる行為が「ヤミ金」にあたるとして、大阪府内の男性２人は６日、４業者に計約３３０万円の損害賠償を求め、大阪簡裁と吹田簡裁に一斉提訴した。
訴状によると、業者は「最短１０分で現金が手に入る」とインターネット上で勧誘。２０２２年１１月～２４年９月、申し込みがあった２人が手元に金券を持っていないのに、計約３３０万円分を買い取る名目で、４３～６４％分の現金を振り込んだ。２人は数日から約１か月後、給料などから工面して購入した金券を業者に発送した。
原告側は、業者による支払いは「貸し付け」で、２人による金券譲渡は「返済」にあたると主張。実質的には貸金業で、年利換算では４０６～６８９７％の高金利を支払わせる違法行為で、取引は無効だとしている。
多重債務者の相談などに取り組む「大阪いちょうの会」によると、２人は多重債務などで経済的に困窮していた。
コロナ禍以降、ゲーム機や不用品で、売買実態がないのに売買名目で金銭を融通する手口が複数確認されているという。

※出典：読売新聞WEBサイト　2025年3月7日 8時03分配信

金券やゲーム機などの不用品の先払い買取は実質的に闇金

当サイトでも先払い買取現金化の手口を用いる業者に関しては多数の情報を掲載しています。
この取引は、ギフト券やゲーム機など不用品の買取を装って違法な高金利の貸付けを行うものであり、取引を始めると闇金からお金を借りるのと全く同じ状況となり多重債務に陥る恐れがある、とても危険なものです。

先払い買取現金化取引の実態は、闇金業者が摘発を免れるためであったり、闇金ではないと装うことによって利用者を安心させるために、商品の買取という形をとっているにすぎず、取引の実質は闇金の高利貸しそのものと言える悪質なものなのです。
当事務所でも実際に取引をしてしまい、あまりの高金利ゆえに支払いが出来なくなり、厳しい取立てに追い込まれているという被害のご相談が非常に多く寄せられています。

近年ではこうした先払い買取をうたう業者が闇金であるとして摘発を受けるケースもいくつか報道され、金融庁をはじめとして様々な関係機関や弁護士・司法書士などの専門家が警鐘を鳴らしています。

先払い（後払い）買取闇金について今後裁判所の判断に注目

当事務所でもこうした取引は違法な高金利の貸付けであるものとして、この手口が流行り始めた当初より一貫して闇金として対応を行ってきました。

先払い買取業者は、取引の中でお金の貸付けであると認識されるような部分は証拠を残さないようにするなど、巧妙なやり方で活動しています。 業者側も、証拠から単なる商品券の買取であると主張してくるであろうことが予想されますが、不用な商品券の買取としてはあまりにも不自然な取引であることは、利用してみるとすぐに分かります。
何よりも、支払いが遅れた際に闇金と同じような取立て被害にあったと訴える声があまりにも多い点からも、これを野放しにしておくのは大きな問題といえます。

実際に先払い買取現金化を利用して返済や取立てに苦しめられている事例を、当事務所でもこれまで何千件も対応してきました。
なかには借りた額よりも何倍も多額のお金を搾り取られてしまっていたり、職場などへの脅迫的な取立てをされたりして深刻な被害を受けているケースもかなり多数含まれていました。

今回被害を受けられた方の損害が全額しっかり回復されるよう、裁判では取引の実態を踏まえた正当な判断が下されることを望みます。
こういった悪質な取引を行う先払い買取現金化業者の損害賠償責任が認められると、今後先払い買取業者が活動することへの抑止力にもなるでしょう。本件で裁判所が先払い現金化業者にどのような判断をするのか、動向が注目されます。

今後も新たな手口の闇金に注意

後払い現金化・給料ファクタリング業者の摘発が相次いだ際に、微妙に手口を変えて活動を広めていったのが先払い現金化業者です。
当事務所ではこういった業者の情報を蓄積してその実体把握に努めていますが、先払い買取現金化の中には以前給料ファクタリングや後払い現金化を行っていた業者との実体的関連性を強く疑われる業者がとても多いという結果になっています。
こういった新たな形態の取引が闇金であると世間に認識されると、会社名や手口などを若干変えてさらに新たな手口を用いる闇金が出てくる可能性があります。

こうした闇金類似の新たな手口には今後も十分な注意が必要になります。少しでも疑わしいと思ったら、ためらわず弁護士や司法書士、消費者センター、警察などに相談するようにして下さい。

当事務所で対応した先払い買取・後払い現金化業者一覧