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【金融庁見解】「給料ファクタリングは貸金業」無登録業者はヤミ金融

公開日:2020/03/08更新日:2020/03/17

カテゴリー:司法書士, ニュース・報道, ブログ タグ: ,

司法書士の下東です。
給料ファクタリングが貸金にあたるとの金融庁の見解が示されました。

この照会は,金融庁に対し,一般的な法令解釈に係る書面照会手続に基づき,業として個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し,当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことが,貸金業法2条1項に定める「貸金業」に該当するか否かを照会するものです。
すなわち,給料ファクタリング取引は業者が主張するとおり債権の売買にあたるのか,それとも,貸金にあたるのかについての金融庁としての公的見解を問うものです。

以下に参考条文として貸金業法を一部抜粋します。
 

貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)
(定義)
第二条一項(抜粋)
この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。
(登録)
第三条一項
貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
(無登録営業等の禁止)
第十一条一項
第三条第一項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。
第四十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 (略)
二 第十一条第一項の規定に違反した者

この照会に対し,金融庁は次のとおり回答しています。

個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権について、労働者が賃金の支払を受ける前にそれを他に譲渡した場合においても、その支払については労働基準法(昭和22 年法律第49 号)第24 条第1項が適用され、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、したがって、その賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないとの同法の解釈を前提とすると、照会に係るスキーム(個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うこと。)においては、いかなる場合であっても賃金債権の譲受人が自ら使用者に対してその支払を求めることはできず、賃金債権の譲受人は、常に労働者に対してその支払を求めることとなると考えられる。
そのため、照会に係るスキームにおいては、賃金債権の譲受人から労働者への金銭の交付だけでなく、賃金債権の譲受人による労働者からの資金の回収を含めた資金移転のシステムが構築されているということができ、当該スキームは、経済的に貸付け(金銭の交付と返還の約束が行われているもの。)と同様の機能を有しているものと考えられることから、貸金業法(昭和58 年法律第32 号)第2条第1項の「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法」に該当すると考えられる。したがって、照会に係るスキームを業として行うものは、同項の「貸金業」に該当すると考えられる。
(金融庁ウェブサイト 一般的な法令解釈に係る書面照会手続 整理番号2 令和2年3月5日付回答文書参照 https://www.fsa.go.jp/common/noact/kaitou_2/kashikin/index.html#002)

労働基準法24条1項は給料直接払いの原則を定めているため,労働者から賃金債権を譲り受けたとしても,その譲受人は使用者に対しては支払いを請求できず,常に労働者に対してその支払いを求めることになります。
そのため,給料ファクタリングのスキームは当初から労働者からの回収を予定しているといえ,そのスキームにおける労働者に対する金銭交付は,経済的に貸付けと同様の機能を有していると考えられます。
このような考え方から,給料ファクタリングは,貸金業法2条1項の「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法」に該当するものとし,給料ファクタリングを業として行うものは「貸金業」にあたるものとされています。よって,貸金業法3条1項の登録を受けていない給料ファクタリング業者は,「無登録営業」にあたり,ヤミ金融であることになります。

当事務所では,これまでに給料ファクタリングと称して事業を行っている業者を60社あまり把握していますが,この中で貸金業の登録を受けて営業している業者は1件もありません。
したがって,これらの業者が貸金業の登録を受けずに営業を継続する場合は,無登録営業の闇金業者ということになります。

また,出資法上も「売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は授受」は金銭の貸付けにあたるものとされています(出資法7条)。そして,「金銭の貸付けを行う者がその貸付けに関し受ける金銭」は、契約の締結又は債務の弁済の費用等を除き,手数料等の名目を問わず利息とみなされます(出資法5条の4第4項)。
したがって,給料ファクタリング業者が請求する手数料や,売買の対象となった給料債権の額と業者の買取額との差額は利息にあたります。出資法に定められている上限の利息は業者であれば年利率20%ですから(出資法5条2項),これを超えた請求をしてきている給料ファクタリング業者は出資法違反となり,この意味でもヤミ金融であることになります。

給料ファクタリング業者の多くは,例えば給料債権5万円分を3万円で買い取り,給料日に5万円を請求してくるといった取引を行っていますが,仮に取引期間を30日間とすると,元金3万円に対して30日間で利息2万円と元金3万円の合計5万円を請求してきていることになり,年利率約811%になりますから,このような取引の業者は明らかにヤミ金融ということになります。

今年に入ってから給料ファクタリングによる被害相談が多くなってきており,中には給料ファクタリング業者だけで十数社取引があるという方までいます。また,被害の程度も闇金と変わらないものが増加しており,「嫌がらせのようにひっきりなしに着信がある」「勤務先に対して恫喝的な電話が入った」「勤務先の取引先に対しても嫌がらせ目的の電話が入った」「自宅まで来られて『詐欺師』と罵るような張り紙を貼られた」等という悪質なものが多数確認されています。

給料ファクタリングは闇金であり,被害の程度も決して軽微とはいえません。給料ファクタリング取引は控え,既に取引してしまっている場合は,法テラスといった公的機関や弁護士・司法書士に相談することを強くお勧めします。

上記に関して朝日新聞の記事が出ているので以下に引用します。

「給料の前払い」は貸金業 金融庁、業者登録必要に
「給料の前払い」などのうたい文句で広がる「給料ファクタリング」という金融取引について、金融庁は6日、貸金に当たるとの初めての見解を発表した。業者はこれまで、取引は債権の売買であって貸金にあたらないとして、貸金業法の上限金利を超える法外な「手数料」を取っていた。
 給料ファクタリングはまず、業者が利用者の給料の一定額を給料日前に、額面額よりも安い額で債権として買い取る。利用者は、給料を受け取った後、額面通りの現金を支払う。差額は業者の手数料になるが、年利換算で1千%を超えるような額になるケースもあった。
 労働基準法では、給与は会社が労働者に直接支払うと定められている。そのため、仮に給料日前に債権として譲り渡しても、業者は会社に対して支払いを求めることができず、常に労働者に支払いを求める。金融庁は、この構図が「経済的に貸し付け(金銭の交付と返還の約束が行われているもの)と同様の機能を有しているものと考えられる」とし、貸金業に該当すると判断した。
(朝日新聞デジタル 3/6(金) 19:30配信 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200306-00000085-asahi-soci)

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