闇金が「保証人」を要求する理由

公開日:2018/03/18更新日:2018/03/16

カテゴリー:相談員, ブログ タグ:

しもひがし法務司法書士事務所相談員の横田です。

闇金が融資の条件として必ずといってよいほど要求してくるのが近しい人の連絡先です。

当事務所でいただいた闇金被害のご相談においても,ご相談者本人の住所・電話番号しか教えていないという場合は少なく,関係者を4~5人程度教えてしまっている場合が多いです。

融資をするためには保証人が必要」などと言い,家族や友人,上司・同僚などの氏名や携帯電話番号,勤務先などの情報を一通り聞かれます。

一般的なお金の貸付けやローン,マンションの賃貸などでも保証人を要求されることはよくありますが,通常であれば単に,借主本人が支払う能力がなくなったときの担保という目的で保証人をつけるよう求められます。

これに対して闇金の場合,当然肩代わりさせるためであることもありますが,主な目的は借主本人を脅迫することにあります。

そもそも闇金には返済義務がない以上,保証人という考え方自体成り立ちませんが,世間一般では「借金の連帯保証人になってしまい多額の債務を抱えてしまった」などという話をよく聞きますから,イメージとして闇金から借りた人の保証人というのもそれほど違和感はないかもしれません。

闇金の場合は保証人というより,ゆすり目的の人質だと考える方が正しいです。

闇金にとって,この"いわゆる保証人"は取立ての手段としてとても価値の高いものといえます。

「保証人・緊急連絡先」は闇金の格好のターゲットです

闇金に借入れの申込みをするとき,家族や友人,上司や同僚の連絡先を聞かれるがほんとんどであり,たとえば闇金の運営するウェブサイトの申込みフォームでは,必ずといっていいほど緊急連絡先などと書かれた欄があります。

業者によっては,緊急連絡先の数によって融資金額が大幅に変わったりすることもありますし,本来貸せないが緊急連絡先を何人か教えてもらうことで貸してもらえるというところもあります。

他人の連絡先を教えてしまうことを躊躇っていると,「心配しなくても,そこに電話をかけることは絶対にないから」などと言われたから大丈夫かと思い教えてしまったという場合や,誰か教えてもらわないと一円も融資はできないなどと言われ教えてしまったという場合がよくあります。

また,他人の連絡先を教えたくなければ,名前と勤務先の会社名だけでもいいから教えておいてと言われる場合もあります。

緊急連絡先の中でも重要と考えられているところとしては,主婦への貸付けの際には夫の電話番号や勤務先,若年者への貸付けの際には両親などが挙げられます。

闇金のなかでも主婦の方には貸せないというところは結構ありますが,それでも夫の勤務先などを,部署名や役職名,給与まで詳しく聞き取った上で貸してもらえる場合はかなりあります。

この場合,取立てのターゲットは早々に夫に移り妻の借金を代わりに払うように仕向けられ,さらにはウソの借入れ額・完済金額を提示して数十万円を払わされてしまったり,夫には絶対に内緒にしたいと思っていても「旦那にばらす」と脅されて困り果て,やむを得ず他の闇金から借りて返すというのを繰り返してしまう,といった悲惨な状況になりがちです。

次に若年者への貸付けの場合,ここでもターゲットは早々に両親になり,数十万円の金額を肩代わりさせられることが多々あります。

おおよそ,年齢が十代後半から二十代前半の熟年者の場合,両親はまだ定年退職せず職場でも重い地位にいる場合も多いため,ここをターゲットにできればいくらでも払わせられるだろうと考えますから,相当に価値の高い緊急連絡先であるといえます。

また,子供の借金は自分が尻拭いしなければという親心を利用して多額の完済金を要求するといった例も多いです。

教えてないはずの連絡先が闇金に知られていることも

緊急連絡先は,本人の情報と同様にリストとして広く出回ることがよくあります。

例えば,数社の闇金と取引がある方の場合で,自分の上司の連絡先は1社にしか教えてなく,そこは融通も聞かせてくれる優良な業者だから,上司に電話がかかってきてしまうようなことはまずないだろうと思っていいたところ,なぜか全業者が上司へ急に電話をかけ始めたなどということがよくあります。

その業者からすぐに情報が回り,それをもとに質の悪い嫌がらせをされたというケースは非常に多いです。一見穏やかそうに見える業者でも,個人情報を横流しし裏でそのように動いているところが多いので,充分な注意が必要です。

周囲の人への取立てが激化する前に専門家に相談を

闇金に他人の連絡先を教えてしまうことは,その人を闇金の嫌がらせや恐喝被害に巻き込んでしまう可能性のある,大変危険な行為なのですが,そこは言葉巧みに聞き出したり,細かな情報から連絡先を上手く特定したりといった,とても狡猾なやり方で情報を収集します。

闇金から周囲の方を巻き込んで嫌がらせを受けてしまった方は,闇金のような悪質な犯罪者組織に大切な人の情報を流してしまったことについて,なんと浅はかだったと重く責任を感じている方が多いですが,あらゆる方法で情報を聞き出すことに闇金は非常に長けているのでよほど警戒していてもなかなか難しいと思います。

保証人が必要」などと言われても,それは単に嫌がらせのため手段に過ぎないという点はよくよく認識しておかなければなりませんし,一度違法業者間で共有されてしまった情報はなかなか消すことができないので,そこは誠意をもって事情を説明し対策を講じてもらう必要があります。

そして最も重要なのが,あらゆる緊急連絡先へ被害が拡大する前に,警察や弁護士・司法書士などに対処方法を相談するなど,可能な限り迷惑をかけないように早期解決のため動いてゆくことです。

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