不安定なパート収入だけでは生活費が足りず、やむなく闇金に申込んだ

北海道在住のTさんはスーパーに勤める女性の方です。お子様の習い事の費用を捻出したいと考え、パートで仕事をはじめました。お子様の手が少し離れ、ご主人が自営業で収入が安定しないこともあり、少しでも家計の足しになればと扶養控除の範囲内でお仕事をされています。
Tさんが毎月決まった額の収入を受け取れればよいのですが、学校行事の関係やお子様の体調が悪い時には仕事を休まなければならず、思うように働くことができません。その月もお子様がインフルエンザにかかり連続で休んだうえに、Tさん自身も感染してしまい、ほとんど出勤できませんでした。そのため、手取りがほぼゼロでした。
そんな月に限ってご主人の仕事もうまくいかず、2人そろって収入がない状態となってしまいました。このままでは毎月の生活費の支払いができません。
これまで生活が苦しい時にはTさんは両親に相談し、多少の援助を受けていました。しかし、最近Tさんのお父様の体調が思わしくなく、医療費や通院のための交通費などがかかっていることをTさんも知っていたため、実家にお金の相談することは憚られました。そうするともはや頼れる人は周囲にいませんでした。
Tさんは、消費者金融に借金がありますが、返済が滞ったことがあるため追加の借り入れは不可能となっています。八方ふさがりになったと感じたTさんは何とかならないかとインターネットでお金を貸してくれるところを探し始めました。
しかしTさんの収入が少なく、いわゆる金融ブラックであるため、なかなか貸してもらえるところが見つかりません。銀行や大手の消費者金融にはもちろん借りられず、中小規模のいわゆる街金と呼ばれる消費者金融すらも過去に延滞したためか審査が通りませんでした。
お金を借りられないなら売れそうなものはないか、または質に入れるものがないか探してみたのですが、残念ながらお金になりそうなものは何も見つかりません。どうしようかとインターネットで検索していると、あるサイトにたどり着きました。
そのサイトには『ソフト闇金』と書かれていました。これまで闇金に借りるのは怖いと思い申し込みを避けてきましたが、行き詰ってしまったTさんはとにかく話を聞いてみようと申し込みフォームに入力しました。
返済できずに借り入れが膨らみ、ついに職場に連絡が入る事態に

連絡してきた闇金は意外にも丁寧な対応で、即日入金が可能だと約束してくれました。ご自身の勤務先のスーパーや家族の情報を聞かれたことが気になりましたが、きちんと返済していれば大丈夫だろうと高を括ってついつい借り入れをしてしまいました。
30,000円の融資を申し込み、給料日に合わせて月1回の返済を希望しました。しかし、利息4割と手数料を先に引かれて実際に受け取れたのは15,000円でした。まじめなTさんはお給料日当日にきちんと返済を続けたため、しばらく経つと困ったときはいつもより多く融資してもらえるようになり、特に怖い思いをすることなく取引を続けていました。
ところがまたお子様の体調が悪くなり、仕事を数日間休んでしまいました。このままでは給料が大幅に減り、闇金への返済ができそうにありません。これまで遅れたことがなかったTさんは焦りました。
そして業者に申し込みした際にご主人の情報やTさんの勤務先を聞かれていることを思いだしました。職場の人にはもちろん闇金に借りていることは話しておらず、連絡が入った場合は解雇になる可能性もあります。何も知らないご主人にもとても相談できません。迷惑がかかる前に担当の上司に話をしようとは思うものの、言い出せないまま返済日が近づいてきました。
どうしようかと悩んでいると、知らない番号から電話がかかってきました。おそるおそる電話に出てみると、相手は「お金に困っていませんか、融資できますよ」と言うのです。返済に困っていたTさんは渡りに船と申し込みをして、借りたお金で最初の業者に返済をしました。
しかし2社目の業者への返済はどうすればよいのでしょうか。自分の手元にはお金がないままです。困っているとなぜかタイミングよく勧誘のショートメールや電話が次々と届き、言われるがまま借り入れしていると、とうとう5社まで件数が膨らんでしまいました。
そしてお金を工面する目途も立たないまま返済日前日になってしまいました。Tさんから業者に連絡をすることになっていたのですが、返済ができないため怖くてそのままにしていました。
すると翌日になって業者からTさんの携帯にどんどん電話が入り始めました。しかし電話にでても払うお金はありません。途方に暮れていると、とうとう店にも連絡が入るようになりTさんは青ざめました。
このままでは職場に多大な迷惑をかけてしまいます。しかしお金がないためどうすればよいのか分かりません。どのみちクビになると考えたTさんは上司に正直に闇金に借りていることを打ち明けました。Tさんの上司は職場に闇金から電話がかかってきたことに驚いていましたが、事情を聞いて当事務所のことをインターネットで検索し、相談してみるようにとアドバイスしてくださったそうです。
ご依頼後即日解決へ

Tさんからお電話いただいた際、職場に闇金から電話がかかってきていることでパニックになっていました。とにかく早く解決したいと焦っている様子でした。まずはTさんに落ち着いていただき、詳しく状況を伺いました。その後契約を結び、すぐに対応を開始したところ、職場への電話は止まり、その日のうちに嫌がらせ行為もなくなりました。
当事務所からTさんへ対応結果を報告すると、職場への電話が止んだことに大変感謝されました。上司の方には当事務所に依頼して速やかに対応開始し、即日解決できたことを報告しました。その結果、業者から連絡が入った時点で事情を正直に打ち明けたこともあり、Tさんは厳重注意を受けましたが、最終的に解雇は免れました。
ソフト闇金と言ってもソフトとは名ばかりで実情は普通の闇金と何ら変わりません。一度でも借りてしまうとその後取り立てに苦しむことになります。また1社借りて返済に窮すると別の業者が融資を持ち掛けてくることもよくあります。応じてしまうと借り入れが雪だるま式に膨らみ、さらに状況が悪化します。
闇金に借り入れについて職場に伝えることを強く拒む方も多いですが、勤務先の情報を教えている以上連絡が入る可能性はありますので、被害を最小限に抑えるためにもできる限り早い段階で正直にお話される方がよろしいかと思います。職場の方が事情を知らないまま闇金からの電話を受け、闇金の話を聞いていると嫌がらせの電話が止まらなくなることがあります。闇金からの電話には一切応じず、すぐに切るよう職場に伝えておくことが、早期解決につながります。
放置すると、職場に連絡が入った際に居づらくなり、退職を余儀なくされる可能性もあります。返済に困った際は、できるだけ早く専門家にご相談されることをおすすめします。