普通の会社員がブラックリストに載ってしまった理由とは

よく闇金に関するニュースが報道されると、コメント欄には決まって「どうして闇金から借りるの?」「借りなければいいのに」といった声が上がります。確かに、闇金に手を出さないことが一番なのは間違いありません。しかし現実には、【借りたくて借りたわけじゃない】人が多く存在しています。
今回は、「闇金に仕方なく手を出してしまったJさん」の実話をご紹介します。
群馬県にお住まいのJさんは、小さな頃から建築士として働くお父様の背中を見て育ちました。家にはいつも設計図が広がり、テレビや雑誌で見かける建物が「父の仕事」だと知るたびに、Jさんの中に憧れが芽生えていきました。
「自分も、いつか父のように——」
その夢を胸に、高校卒業後は奨学金を借りて建築の専門学校へ進学しました。卒業後は、学校の紹介で入社した設計事務所で、知識も技術も一から学び、地道に経験を積んでいきました。
そして数十年後、念願の独立をし自分の設計事務所を立ち上げたのです。しかし、タイミングは最悪でした。
世界はコロナ禍に突入し、建築業界も大打撃を受けます。新規案件は次々とキャンセルされ、思うように仕事が取れない日々が続きました。
夢にまで見た独立のはずが、残ったのは起業時に借りた100万円以上の負債でした。
任意整理で借金を完済

その後、Jさんはなんとか新しい会社に就職することができました。しかし、慣れない業務に追われる日々。精神的にも余裕がなく、ストレスを紛らわすために、つい飲み食いにお金を使ってしまうようになりました。当然のことながら、借金は一向に減りません。そんな様子を見かねた友人が、「任意整理という方法があるよ」と教えてくれました。
※任意整理とは、借入先(債権者)と直接交渉し、将来利息や遅延損害金を免除してもらえたり、返済回数を増やすことで月々の返済負担を軽くしてもらう手続きです。 経済的には楽になりますが、その代わり、ブラックリスト(信用情報)に「任意整理をした」という記録が残るため、数年間は新たな借入やローンの利用、新規のクレジットカード作成ができなくなるというデメリットもあります。
Jさんは思い切って専門家に相談することにしました。
まずは債権者のリストを洗い出し、身分証明書や源泉徴収票など、収入を証明する書類を準備します。そして、総額でいくら借金があるのかを正確に把握するところから始まりました。
専門家の交渉により、最終的にJさんの借金は「月々3万円ずつの返済」という条件でまとまりました。こうしてJさんは、依頼から3年かけて100万円を超える借金を完済することができたのです。
ブラックリストとは…

なんとか事業の借金を返し終えたJさん。奨学金の返済はまだ残っていたものの、月々の負担も少なくなり、ようやく穏やかな日常を取り戻しつつありました。
とはいえ、Jさん自身は自分がいわゆる「ブラックリスト」に載っているとは思いもよりませんでした。それが原因で、いずれ闇金に頼る事になるとは想像すらしていなかったのです…。
ある日、Jさんに再び不幸が襲います。尊敬してやまなかったお父様が、突然この世を去ってしまったのです。家族の誰もが心の整理をつけられない中、高齢のお母様に代わって、長男であるJさんが葬儀の手配や役所への届け出など、一連の手続きを引き受けることになりました。
突然のことだったため、お父様の預貯金はすぐには引き出せず、葬儀費用などはすべてJさんが立て替えることに。けれども、任意整理を終えたばかりのJさんに、そんな余裕はあるはずもありません。なんとかお金を借りようと、正規の金融機関に申し込んでみましたが、「あなたはブラックリストに名前が載っているので、うちでは貸せません」とあっさり断られてしまいました。
ここでいう「ブラックリスト」とは、信用情報機関に記録される延滞や債務整理などの事故情報を指す俗称です。実際にはブラックリストというリストは存在しません。信用情報機関は、「その人にお金を貸しても問題ないのか」を判断する為の情報を管理している機関です。信用情報機関は、主に以下のような企業や機関によって利用されています。
①カードローンや住宅ローンの審査で使う銀行等の金融機関
②少額のキャッシングや即日融資等の審査で使う消費者金融
③新規カードの申込みや利用限度額の参考で使うクレジットカード会社
④スマートフォン等の分割払いの契約をする際に使う携帯会社
ブラックリストに載ると、一生新たな借入等は出来ないのでしょうか?
実際のところは、金融機関にもよりますが、おおよそ5年間は新たな借入は難しいと考えた方がよいでしょう。それだけではなく、携帯電話の購入時に割賦払いを断られることもあります。スマートフォンは今や生活に欠かせないアイテムであり、高額な機種も珍しくありません。
本来であれば、分割で支払えば購入できる人も、ブラックリストに載っていることで割賦払いが利用できず、結果として買えなくなってしまうケースもあります。「支払えるのに買えない」ーーそんな状況に直面するのも、ブラックリストの大きなデメリットのひとつです。
信用情報機関の一つであるCICには、クレジットカードやローンなどの利用履歴、返済状況、延滞などのいわゆる「ブラックリスト」と言われる事故情報が登録されています。手数料はかかりますが、ご自身がブラックリストに載っているか確認することも可能です。
闇金業者の借入から解決まで

過去の任意整理の記録が信用情報に残っているため、どこからも借りられないJさん。頼れる親族もおらず、藁にもすがる思いでネット検索をしていたJさんの目に飛び込んできたのが、掲示板の「即30万円融資します」という広告でした。
怪しい謳い文句に、闇金かもしれないとは思いつつも、少しでもお金が欲しかったJさんはすぐに業者に連絡を取ると、「まずは実績を積んでもらう」とのことで、最初に借りられたのはごくわずかな金額だけでした。その後、「ここならもっと貸してくれる」と紹介されるまま、次々と別の業者に手を出し、ようやく必要な金額を集めることができました。
おかげで葬儀は無事に執り行われ、大切なお父様をしっかりと見送ることはできました。けれど、Jさんの手元に残ったのは、闇金業者からの法外な利息を含む多額の返済金でした。
「借りたのは自分だ」と、お父様の遺産が分配されるまでなんとか返済しようと考えたJさんでしたが、借りた業者はすでに片手で数えきれないほどに増えており、生活はすぐに立ち行かなくなりました。やがて、業者に伝えていた勤務先や親しい友人など、十数名にわたって取立ての連絡が入るようになり、Jさんの精神的負担は限界になります。
早くどうにかしなければと、闇金を解決してくれる事務所を探していたところ、当事務所のホームページを見つけご相談いただきました。幸いにも、Jさんが借りていた業者はいずれも当事務所で過去に対応実績のある闇金業者でしたので、即座に業者と交渉を開始しました。その後は、勤務先や連絡先に取立てが入ることなく、穏便に問題を解決することができました。
闇金からの借り入れに至る事情は、人それぞれに異なります。たとえば、ギャンブルや交際費の出費がかさんだ方、長期休暇中に予想以上に支出が膨らみ生活費が不足してしまった方。また、出張などの一時的な負担によって、急に手元資金が足りなくなってしまった方もいらっしゃるでしょう。
そして、中には今回のように、やむを得ない事情から闇金に頼らざるを得なかったというケースも見られます。
しかし、どのような理由であれ、闇金業者からの借り入れは決して行うべきではありません。違法な高金利や過激な取り立て、個人情報の悪用といった深刻な問題を引き起こす可能性があり、生活や人生に重大な影響を及ぼしかねません。
お金に困ったときこそ、冷静な判断が必要です。まずは、以下のような正当な方法や公的支援制度の活用を検討してみてください。経済的に厳しい状況にある方のために、行政や金融機関にはさまざまな支援策が用意されています。
•生活困窮者自立支援制度
•緊急小口資金・総合支援資金(貸付)
•生活福祉資金貸付制度
•法テラスによる無料相談、費用立て替え制度
•任意整理、個人再生、自己破産等の法的整理
闇金から借りてしまって対応に苦慮している場合には、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。当事務所では、闇金対応のほかにも【任意整理】【個人再生】【自己破産】など、借金問題全般のご相談を承っております。
どうぞお気軽にご連絡ください。