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2chでお金を貸しているのは個人か闇金か|闇金情報ブログ

投稿日:2013.11.14

最新更新日:2018.11.19

司法書士

2chでお金を貸しているのは個人か闇金か

司法書士の下東です。 今回は2ch(現5ch)においての個人間の貸し借りの話です。 以前に,個人間融資掲示板には闇金ばかりが書き込んでいることや,借主として書き込んだとしても連絡をしてくるのは違法業者のみであることをご紹介しましたが,2ちゃんねるの掲示板においてもその状況はあまり変わりません。

2chでの闇金被害例

例えば,当事務所には次のような相談が寄せられます。
個人の方から融資をしてもらった件でトラブルになっています。2ちゃんねるの個人間融資に関する掲示板に融資の希望を書き込んだところ,貸してくれそうな方を見つけたのでまずはフリーのメールアドレスで連絡を取り合いました。 メールのやり取りの結果ちゃんとした人の様に思えたのでお借りすることにしました。 聞かれたとおり,携帯電話番号,メールアドレス(携帯電話),自宅住所,勤務先,緊急連絡先,銀行口座などを教え2万7000円を振り込んでもらいました(3万円の契約でしたが手数料として3000円を引くとの話でした)。 その際金利の説明は特にありませんでしたが10日後に利息だけなら1万5000円,完済するなら4万5000円を払うように言われ振込先は当日に教えますと言われました。 その後何度か利息のみの1万5000円を支払いましたが続かなくなってきたので返済を少し待ってほしいと貸主さんに頼んでみたところ,今までの優しい態度が一変して「約束通り返してもらわないと困る,金がないならヤミ金に借りてでも払ってほしい。出来ないのなら会社に回収に行きますよ」と脅されてしまい困っています。
上記をほとんど変わらない相談が随時入ってくるのですが,こんなものはほぼ間違いなく闇金です。 上記の被害者の方が掲示板に書き込みしたものに応じて融資をしたのであれば,相手方の行為は必ずしも貸金業法違反(無登録営業)とはいえませんが本件においては金利が出資法違反です。 2万7000円の貸付けに対して,10日間で1万5000円の利息を取っているわけですから,金利は, 1万5000円 ÷ 10日 × 365日 ÷ 2万7000円 = 年利2027.77% となり,出資法第5条第1項における上限金利109.5%を大幅に超過した金利による契約ということになりますから,上記の貸主は闇金ということになります。 非常に分かりやすい被害ではありますが,被害に遭う方は多数居られるので注意喚起のためご紹介させていただきました。

2chで闇金ではない個人から融資を受けられる可能性はあるか

さて,では2ちゃんねるでは本当の個人の方との契約は出来ないのでしょうか。 結論から述べますと,闇金ではない個人に金を借りた実例もあります。 ただし,私からすればその貸主はヤミ金と同等かそれ以上に悪質な者です。 この手の者の貸付条件は例えば以下のようなものです。 ?対面での貸付け 駅などで待ち合わせて面談したうえで融資額を決定。借用書を作成する。 ?金利は年利率109.5% 出資法第5条第1項の上限金利。 ただし,実際に取引履歴を作成して金利計算をすると多少超過していることが多い。金利の知識がない者がいい加減に計算しているものと思われる。 ?貸付条件として性的交渉を持つことを求められる 掲示板上では「ヒトトキ」と呼ばれる行為。語源は不明。 このような貸付条件で,主に水商売関係の女性をターゲットに貸付けを行う者がいるようです。 この手の者が貸金業法違反又は出資法違反を犯しているかは不明ですが,少なくともお金に困っているという女性の弱みに付け込んで性交渉を求めるなどという行為が許されるわけはありません。 そのような貸付条件による契約は無効です(民法第90条 公序良俗違反)。 被害に遭われた方は,金利はおろか元金さえも返済する必要はありません(民法第708条 不法原因給付)。 とはいえ,自力で交渉するのは難しいでしょうから上記被害に遭い返済にもお困りという方はお近くの専門家に相談されることをお勧めします。 場合によっては,支払ったお金の全部又は一部の返還請求が出来るでしょうし,相手方の貸付行為につき対公衆性,反復継続性が認められれば,刑事告発も検討可能でしょう。

まとめ

以上,2ちゃんねるにおける個人間融資や闇金の実態について述べてまいりましたが,私もそうした掲示板の全容を把握しているわけではないので更に別の手口も多数存在するかも知れません。 しかし,間違いなくいえることは,こうしたところでまともな人からお金を借りられる可能性は極めて低いということです。 WEB上で見ず知らずの他人から金を借りようという考え自体に問題があります。 切羽詰ってから金策に走るのではなく,早目早目の行動により,安全なところから借りるようにしてください。 また,生活に困窮するほどの借入れがおありなら法テラスや役所,弁護士会,司法書士会等の無料相談に一度足を運ぶことをお勧めします。