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〈令和8年7月10日施行〉「送金バイト」は犯罪です!闇金からの違法アルバイトの勧誘にご注意を

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投稿日:2026.07.21

最新更新日:2026.07.23

司法書士

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〈令和8年7月10日施行〉「送金バイト」は犯罪です!闇金からの違法アルバイトの勧誘にご注意を

〈令和8年7月10日施行〉「送金バイト」は犯罪です!闇金からの違法アルバイトの勧誘にご注意を

司法書士の風間です。

「犯罪収益移転防止法」の改正が行われ、預貯金口座の譲渡等に対する罰則の強化といわゆる「送金犯罪」についての罰則規定が創設されましたので、その解説をします。

なお、令和8年7月10日から施行済みですので後述の送金バイトは既に処罰の対象になっています。

送金バイトとは

送金バイト」とは、SNSなどで募集される違法なアルバイトです。報酬を受け取り、自分の口座に振り込まれた見知らぬお金を、別の口座に送金する手口です。これは詐欺や闇金などの犯罪グループが使う、資金洗浄(マネー・ロンダリング)の手段です。

 

警察では、「送金バイト」という言葉が気軽な印象を与えるとの観点から「送金犯罪」と呼ばれています。

「送金犯罪」に対する罰則創設の背景

従来違法業者は、他人から預貯金口座を不正に入手して資金洗浄(マネー・ロンダリング)を行っていました。しかし、口座の売買や譲渡は以前から犯罪とされていて、金融機関などでも様々な対策が取られていました。

そこで最近では、他人から預貯金口座を譲り受けるのではなく、他人に送金を依頼して資金洗浄(マネー・ロンダリング)を「させる」新たな手口がみられるようになりました。この新たな手口は、預貯金口座を他人から譲り受ける必要がありません。そのため、既存の口座売買が適用されないようにする「脱法行為」として利用されていることが問題になっていました。

 

しかしこれは、口座売買と同様に資金洗浄(マネー・ロンダリング)に加担するものであり、処罰の対象にする必要があります。そこで今回「送金犯罪」について罰則が創設されました。

 

犯罪収益移転防止法 第32条とは

 

32条第1項 

通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、自己又は第三者が管理し、又は管理しようとする財産を移転することを目的として、人に、有償で特定役務利用財産移転行為をするように依頼した者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、当該目的で、有償で特定役務利用財産移転行為をするよう、広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、同様とする。

 

同条第2項 

通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、他人の依頼を受けて、当該他人に前項前段の目的があることの情を知って、有償で特定役務利用財産移転行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、特定役務利用財産移転行為を引き受けることを示して、有償での特定役務利用財産移転行為の実施を自己に依頼するよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、同様とする。

 

これがいわゆる「送金犯罪」に関する規定です。

(1) 対象者

①他人に「送金犯罪」を依頼した者

(犯収法第32条第1項)

②他人から依頼を受けて「送金犯罪」を実行した者

(犯収法第32条第2項)

 

(2) 適用除外

①正当な理由がある場合

②「有償」以外で行われた場合

上記は対象外とされています。

 

(3) 法定刑

2年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金またはこれの併科となります。

 

正当な理由とは

適用除外とされている「正当な理由」にはどのようなものがあるのでしょうか。 

例えば、

①食事会の参加者が、当該食事会の幹事に対し、一定の報酬を与えた上で、各参加者の食事代を集金し店舗に一括で料金を送金するような場合

 

②ネットで商品を購入しようとする親が、当該サイトのアカウントを保有する子に対して、手間賃とともに商品代金を渡したうえで、当該サイトに送金を依頼したような場合

 

上記のような場合は、正当な理由として認められるでしょう。 

これは、たとえ有償で他人に送金行為を依頼した場合であっても、正当な理由がある場合を処罰の対象から除くことにより、現在行われている適法な経済活動を委縮させることのないように処罰の対象とはなっていません。

有償とは

金銭その他の対価を交付すること若しくは対価となるべき利益の供与を行うこと又はそれらの約束をすることをいいます。

本罰則では、「有償」で送金の依頼等をする場合のみを対象としています。

①対価の交付にあたるもの

※商品券や宝石、貴金属などが該当します。

 

②対価となるべき利益の供与にあたるもの

※債務免除(送金したら、借金を取消するなど)、各種のポイントなどが該当します。

 

③対価の交付や利益の供与を約束するにあたるもの

※約束があれば、現物の対価の交付がなくても該当します。

送金犯罪の特徴は

①SNS等を通して募集が行われたり、メッセージアプリ等を利用して非対面でやり取りが行われる。

 

②報酬が支払われたり、返済が免除されたりすることがほとんどである。

 

③自分の口座を売却したりするのではなく、自分の口座は自身で引き続き使用しながら、他の口座への送金行為を実施する。

 

闇金等から送金バイトを持ち掛けられたら

再度いいますが、「送金バイト」は犯罪です。

これは「資金洗浄(マネー・ロンダリング)」や特殊詐欺の「出し子・受け子」といった、重大な犯罪の片棒を担がされる「闇バイト」です。「簡単」「高収入」「リスクなし」といった言葉にだまされてはいけません。

「犯罪だとは知らなかった」「指示されただけ」は言い訳一切通用しませんのでので、闇金などから「送金バイト」を持ちかけられても絶対に引き受けず、即座に断るか無視してください。

 

また、このような話を持ちかけられた場合の対処方法は以下のとおりです。

①連絡を即座にブロックする

SNS(X、Instagram、Telegramなど)やLINEでの連絡は、一切返信せず、すぐにブロックしてください。

 

②個人情報は絶対に渡さない

身分証明書(免許証、マイナンバーカード)の画像を一度渡してしまうと、「家族や職場にバラす」などと脅されて抜け出せなくなります。また、自分の銀行口座情報を教えると一方的にお金を振り込まれたりして、強引に犯罪に加担させられたりします。

 

③警察や専門家に相談する。

犯罪行為に手を染める前に、警察などに「送金バイト」を持ちかけられるようになった経緯等を全て話しましょう。

送金バイトをしてしまったら・・・

万が一「送金バイト」をしてしまったら、どうすればいいのでしょうか。

①証拠をすべて保存する(絶対に消さない)

※相手とのやり取りや、送金の証拠をすべてスマートフォンに保存してください。

保存するものは、

  • チャットアプリ(LINE、Telegram、Signalなど)のトーク履歴のスクリーンショット
  • 相手のプロフィール画面
  • 指示された口座情報
  • 送金や引き出しの明細書(レシートやアプリの履歴)

 

②警察に相談する

最寄りの警察署に直接行くか、警察相談専用電話(#9110)に今すぐ電話してください。

 

③利用した銀行に連絡する

送金に使った口座(お金が入ってきた口座、送金した口座)の銀行に連絡して経緯を話しましょう。口座が犯罪に利用された疑いがあることが発覚すると、口座の凍結や強制解約をされるリスクがあります。

その場合、さらなる犯罪に利用されないようにしないとそのリスクがさらに高くなります。

まとめ

今回の犯罪収益移転防止法の改正により、「送金犯罪」について罰則が創設されました。

また、口座を譲り渡す行為についても現行の1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金から3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に罰則が強化されました。

昨今、特殊詐欺やSNS型投資詐欺の被害が拡大し続け、犯罪グループが「資金を受け取り、追跡を逃れるための仕組み」を巧妙に作り上げています。SNS等で「高額バイト」として勧誘し、一般人から銀行口座や暗号資産口座を買い取って資金の受け皿にする手口も後を絶ちません。

そこで、送金犯罪についての罰則の創設に加えて、これらに対応するため口座譲渡等の罰則強化がなされました。

マネー・ロンダリング対策の重要性を認識することが、自分自身の身を守ることにつながります。

口座の譲り受けや送金バイトは犯罪です。絶対にやめましょう。