10代の女が逮捕された「個人間融資詐欺」の手口とは

公開日:2019/12/18更新日:2019/12/20

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主にSNS上でここ数年急増している個人間融資ですが,これを利用した「個人間融資詐欺」も多発しています。

先日も個人間融資をうたった詐欺事件が報じられました。

SNSで「個人間融資詐欺」逮捕の女 100人以上から詐取か

お金を貸すという、うその話をSNSで持ちかけ、面識のない20代の女性から保証金名目で現金をだまし取ったとして逮捕された19歳の女が、同じ手口で全国の100人以上からだまし取っていた疑いのあることが警視庁への取材で分かりました。「同じ詐欺に自分も引っ掛かり、取り返そうと思った」などと供述しているということです。

住所不定、無職の19歳の容疑者の女はことし8月、SNSで「融資始めました!お困りの方お助けいたします」と不特定の相手に持ちかけ、連絡してきた面識のない千葉県の20代の女性に保証金名目で現金1万円余りを振り込ませて、だまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。

警視庁が、容疑者のスマートフォンの記録を調べたところ、全国の30都道府県の合わせて115人から同じ手口で金をだまし取っていた疑いがあるということです。

やり取りなどから、その多くは10代から20代の若い世代だとみられています。

警視庁によりますと、調べに対して容疑を認め「ことし4月からやっていた。3月に同じ詐欺に自分も引っ掛かり、金を取り返そうと思った」などと供述しているということです。

SNS上で金の貸し借りを持ちかける「個人間融資」をめぐってはトラブルが相次ぎ、国民生活センターによりますと違法な高金利や性的関係を要求される被害も報告されているということで、注意を呼びかけています。

※出典:NHK NEWS WEB(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191217/k10012217761000.html) 2019年12月17日11時47分配信

以上が報道記事の引用です。

本事件の手口である「個人間融資詐欺」を,「個人間融資」と「融資詐欺」とに分けて以下で見ていきます。

個人間融資について

現在,個人間融資をうたって融資勧誘を行うTwitterアカウントが多数存在します。「#個人間融資」または「#個人融資」のハッシュタグで検索すると無数にヒットします。

これらには違法な高金利で融資を行うものがとても多く,そのほとんどがまともな内容の適法な貸付けではないというのが現状であると言えます。

"個人間"とは言いますが,単に一般人同士のお金の貸し借りというのではないことが多く,実際には組織的に活動するいわばプロの闇金業者がかなりの割合で含まれています。

数年前はいわゆる090金融と呼ばれる闇金として活動していた業者が,近年Twitterで個人間融資と称して活動を始めたという例を当事務所でも多数把握しています。

また実際に一般人同士の貸し借りだった場合でも,最近も報じられた「ヒトトキ融資」と呼ばれる性行為を条件とした融資担保として下着姿の写真を要求するなど,違法で悪質な取引を持ち掛けられる例も少なくないです。

融資詐欺について

一方,「融資詐欺」も以前からよく用いられていた手口の一つです。

融資のために,保証金や預り金,前払金として貸付けに先立っていくらかの金額を用意させ,入金させた直後に行方をくらますという詐欺の手口です。

当然,融資が実行されることはありませんし,先に振り込んだお金が戻ってくることもありません。

最近の一例を挙げます。

融資の条件としてまずAmazonギフト券をコンビニで数万円分購入させられ,貸付けに先立ってギフト券裏側に記載されている番号を写メールやFAXで送信するよう指示されます。

これで融資が受けられると思っていたところ,いきなり「あなたが送ってきたギフト券が使えなかった。使用済のギフト券を送ってきたのか?もう一度ちゃんと使えるものを買って送ってこい」などと言われます。

実際には未使用のまま送ったにも関わらず,使用できなかったなどと難癖をつけられ,再度購入して送るよう命じられるのです。

結局このやりとりが何度も続き,いつまでたってもお金を借りることができなかった,というケースでした。

このようにして金券をだまし取るといった例もよく聞かれます。お金のやりとりに代えてギフト券によって支払わせるという手口と併せて融資詐欺が行われている例です。

融資保証金詐欺,貸します詐欺,先振り詐欺などとも呼ばれ,違法業者が用いるある種古典的な手口ですが,この報道のようにSNSにてこの融資詐欺の手口によりお金をだまし取られる被害もここ数年ではたびたび聞かれます。

トラブルだらけのSNS個人間融資。利用はやめましょう

SNSでの個人間融資は10代から20代の若年世代で利用者がとても増えていて,それに伴って個人間融資詐欺も若い世代で被害者が続出している状況です

今回報じられた事件では,多数いる被害者の中に小学生もいたという報道もあります。

詐欺被害や闇金被害もここ数年でどんどん若年化している傾向にあるのは間違いないでしょう。

TwitterなどSNSでの個人間融資を利用することは百害あって一利なしです。

超高金利での取引をさせられるのみならず,本件のような詐欺被害をはじめとして予期せぬトラブルに巻き込まれてしまうリスクがとても大きいため,大変危険です。

利用するのは絶対にやめましょう。

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