完済させない闇金への対処法

公開日:2016/04/18更新日:2018/11/26

カテゴリー:司法書士 タグ: ,

完済できないイメージ

司法書士の下東です。

完済させない闇金被害に関する相談が増えています。

完済させない闇金とは,返済日に様々な言い掛かりをつけ完済金額を受け取らなかったり,受け取ったとしてもその後に良く分からない理屈を持ち出して更に支払いを要求するタイプの悪質業者のことです。

このタイプの業者は,闇金であることを隠し,正規の貸金業者を装って勧誘してくるケースが多いので注意が必要です。

今回は完済させない闇金の手口や対処法をご紹介します。

完済させない闇金の手口

完済させない闇金はおよそ次のような言い回しを用いていつまでも支払いを請求してきます。

  • 完済したいのなら前日の9時~9時10分の間に連絡して完済したいと申し出てもらう必要がある
    (次回に指示どおり連絡しても今度は相手が電話に出ないなどして結局連絡がなかった扱いになる)
  • 振り込み名義の頭にお客様番号をつけないと完済にならない
  • 今日は口座の入金枠がいっぱいなので完済金額を振り込んでもらったら困る
    (勝手に振り込んだらあとで損害賠償請求する)
  • 返済先口座を用意出来なかった
  • 口座があなたのせいで凍結されたので返済扱いにならない
  • (返済先口座をなかなか教えず銀行営業時間ぎりぎりにようやく口座を教えて)当日扱いの振込みにならなかったので今日は完済扱いに出来ない
  • (指示通りの金額を振り込んだのに)金額が1000円足りなかったので完済扱いに出来ない

上記のようなことを言い,来週はしっかりと手続きを執って完済して欲しい,完済してもらえれば今まで払ったお金は全額返金するし希望額の融資が実行出来るなどと嘘の説明をして延々とお金を搾り取り続けるのが完済させない闇金の典型的な手口です。

被害者によっては,業者の言いなりになってこれまで30万払った,50万払ったという例も稀ではなく,被害が高額になりやすい手口でもあります。

被害者を騙す手口の流れ

例えば,今日明日にどうしても2万円が必要だとしましょう。

あなたは既に消費者金融から限度額いっぱいに借りてしまっており,親類や知人から借りられるあても全くない。

そこで止むを得ず闇金のことを調べて連絡してみたら,2万円を借りたら7日後に4万円を支払えば完済と言われた。

7日後に4万円ならば給料日過ぎなので問題なく支払える・・・

闇金との付き合いを始めてしまう理由は大抵こんなものです。

そしてその後迎えた給料日。

あなたは返済のために,仕事の昼休みを見計らって闇金に電話したとしましょう。

言い掛かりをつけて絶対に完済させない

すると闇金は,

「完済するなら午前10時までに連絡しないと受け付けられない,今回は利息のみの2万円を払ってもらう」

などと言い出します。

あなたはそんなことは聞いていないと当然抗議するでしょうが,受け付けてもらえません。

話し合っても埒が明かないので,次の返済日を待って今度は早くに連絡をして完済するしかないと考えます。

そして翌週の返済日。

今度は午前9時を見計らってすぐに闇金へ連絡をします。

すると,いつもの担当者とは別の者が電話口に出て,担当者は不在なのであとで折り返すと言われます。

安心して連絡を待っていると,午前10時過ぎになって担当者から連絡があり,こう言われます。

「約束どおり連絡してこなかったから今週も完済手続は取れませんよ」

あなたは,

「連絡はちゃんとした,発信履歴も残っているし,そちらも着信履歴が残っているはず」

と抗議するでしょう。しかし無駄です。

全く取り合ってもらえず水掛け論になるだけです。

またしても完済出来ず,さらに場合によっては完済予定を反故にしたから違約金が発生したなどと言ってさらに多くの支払いを要求されることもあります。

もうお分かりでしょうが,この手の闇金は,あなたがどう行動しようと言い掛かりをつけて完済させないつもりなのです。

仮にあなたがこの記事を読んで知識を付け,しっかりと対策を講じたとしても同じことです。

なんだかんだと言い掛かりを付けられ結局完済できないでしょう。

どうやったとしても完済させないのです。
※この手口のことを闇金側は完済ブロックと呼んでいることがあります。

こんなことを続けていると当然ですが利息の支払いも危うくなっていきます。

闇金からの二の矢

すると,これに助け舟を出すかの様に他の闇金から融資の勧誘電話がきます。

あなたは既に先の闇金から支払いしないのなら勤務先や関係者に回収をかけるなどと脅されていますから,返済のためには闇金だろうがなんだろうが借りるしかありません。

以上のような構造により,もう闇金から抜け出せなくなります。

次の返済資金も当然用意しきれませんから,また借り入れに頼ることになり,借金は雪だるま式に増えていきます。

極めて悪質な手口ですが闇金と取引を行うというのはこういうことです。

闇金との取引によって得られるものは何もありません。

安易な考えで手を出すと必ず痛い目に遭うことになります。

完済させない闇金への対処法

被害者の方の多くは,相手の主張がおかしいとは分かっていながらも既に自身の勤務先や親類の連絡先,勤務先等を教えてしまっていることから,それらに連絡されて嫌がらせ行為をされてしまうことを恐れてお金を支払いを続けてしまっています。

しかし,嫌がらせが怖いからお金を払うというような心理状態では,闇金から見れば恰好のカモであり請求はいつまでも続いてしまいます。

一般的な闇金が相手の場合には多少無理してでも完済してしまうというのも解決方法のひとつかと思います(もちろん当事務所ではお勧めしていませんが)。

ところが,完済させない闇金が相手の場合は,相手のいいなりになって無理に大金を支払っても結局更に恐喝まがいの請求が止まりませんからお金を払うことでは解決になりません。

ですから,完済させない闇金への対処法としては,まずは相手と連絡を取るのを止めてお金を払うことも止めるということが有効であり,縁を切るために絶対に必要なことでもあります。

自分が連絡を取るのを止めたら会社や親族に連絡が行ってしまうという懸念は分かりますが,支払うお金が尽きたら結局連絡は行くのです。

「なんだかんだと言い掛かりをつけられていつまでも完済できないならいつかはお金が尽きて会社などに連絡がいってしまう,だったら今返済を止めたって同じことだ」と腹を括ってください。

それさえできれば,実はこの手の闇金は他の手口の業者よりも解決が容易である場合があります。

なぜなら,完済させない闇金は騙せている間,あるいは脅しが効いている間に金を搾り取る手口であることから,被害者がその状態から脱したらそれ以上に支払いさせることが難しく,すぐに手を引くことが多いからです。

もちろん教えた連絡先に多少の連絡が行ってしまうリスクは負わねばなりませんが,いつ完済できるかわからない請求に対して延々と支払い続けるよりは遥かにマシなはずです。

また,この手口の業者は司法書士や弁護士などの専門家を関与させるとあっさりと請求を止める傾向がありますから,そういった専門家に相談することも検討するとよいでしょう。

まとめ

今回は完済させない闇金の手口や対処法をご紹介しました。

闇金は完済させないための手口として返済日に様々な言い掛かりをつけて完済扱いとせずにいつまでも請求を続けてきます。

この完済させないタイプの闇金にはお金を払っても関係を切ることはできませんから,解決するにはまず支払いを止めることが必要です。

被害を断ち切りたいのであれば闇金の言いなりになるのはすぐに止めて,警察や司法書士,弁護士に相談すべきです。

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