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ヤミ金主張の元金和解をする「整理屋」に注意しましょう|闇金情報ブログ

投稿日:2013.12.21

最新更新日:2018.11.19

司法書士

ヤミ金主張の元金和解をする「整理屋」に注意しましょう

下東です。 ヤミ金との契約は無効です。 また,ヤミ金から交付を受けたお金は不法原因給付に該当するため,被害者は返済義務を負っていません。 よって,ヤミ金に対しては,利息はおろか元金さえも返済する必要無いのですが,場合によっては元金を支払っての和解を勧める専門家も存在することは以前ご紹介したとおりです。 このヤミ金との元金和解という解決策は,当事務所では一切取っていません。 元金を払っても更に請求を続けるヤミ金が存在したり,その件は終わりになったとしても,次の貸付を強引に始められてしまい,結局縁を切ることが出来ないことがあるため,根本的解決にならないというのが理由です。 しかし,「平和的解決」のために敢えて元金はヤミ金に返済させるという方針も許容する余地があるでしょう。 依頼者が上記のリスクを承知でもなお元金和解を望むのであればそうした解決策も必ずしも悪ではないということです。 ところが,私が考えていた元金和解とは全く違う,依頼者にとって不利益としか考えられない和解をする専門家がいると聞き及びましたので注意喚起のためご紹介しておきます。

ヤミ金が主張する「元金」をそのまま支払う和解

通常の元金和解とは,受取元金の差額のみ返済して和解するというものです。 例えばヤミ金から3万円を受取り,これに対してこれまで2万円支払った場合に1万円のみ支払うとする和解が元金和解です。 一方,問題となる「元金和解」は,「ヤミ金が主張する元金」を鵜呑みにして,そのまま依頼者に返済させるような和解です。 つまり,ヤミ金が元金は3万円だといえばそれをそのまま返すことを前提にいつ支払うかを決める和解です。 しかしこのような和解には問題があります。 次のようなケースを考えてください。
  1. ヤミ金から受領した額は3万円
  2. 手数料として5000円を天引きしているためヤミ金主張の当初元金は3万5000円
  3. 10日間で2万円の利息の約定であり,10日後,20日後に各2万円を支払った
  4. 次の支払いを怠ったため,更に2万円を貸したことにすると言われて元金が2万円増加
上記では,3万円(実際に受け取った金額)の借入れに対して合計4万円を支払っています。 よって,まともな弁護士や司法書士が和解交渉をする際の選択肢は次のいずれかです。
  • ヤミ金に支払った金額全額(4万円)の返還を求める。
  • 払い過ぎた分(1万円)の返還を求める(場合によっては利息制限法に基づき引き直して差額の返還を求める)。
  • 債権債務無しのゼロ和解をする
いずれにせよ,ヤミ金にお金を支払うということはあり得ません。 これに対して,問題ある専門家(ここでいう専門家とは,弁護士・司法書士のようなヤミ金との交渉を行うにつき適法な権限を持つ有資格者のみを指すのではなく,NPO法人・行政書士・探偵・調査会社等の無資格者を含めたものとします)は上記のケースでヤミ金に対して5万5000円を支払わせる和解をします。 つまり,完全にヤミ金側の意向に沿った和解をするということです。これではヤミ金の手先と言っても過言ではなく,懲戒の対象となるべき行為といえるでしょう。 このような整理屋にひっかからない様にご注意ください。 とはいえ,このような悪質事務所が「整理屋」という看板を掲げているわけはありません。 よって,依頼前に確実に見破る方法は特にないのですが,次の2点に注意すると良いと思います。
  • 弁護士又は司法書士と直接話ができること
  • 事件処理方針をしっかり確認すること(ヤミ金にお金を支払うことにならないか,支払うとしたらいくら支払うのか)
今はヤミ金問題につき無料で相談に応じる専門家がほとんどですから,いくつも連絡してみて話を聞いてみるなどし,慎重に判断された方が良いかもしれませんね。