相談員の石川です。
闇金問題を解決したい!と考えたときにどんな弁護士・司法書士に依頼したらよいか,選ぶポイントは何だと思いますか?
即日対応してくれる,費用が安い,口コミが多いから…依頼する事務所を選ぶ理由はいろいろあります。
確かにこれらの理由は,依頼をする前には大きなポイントに見えるかもしれません。
しかし,二度と闇金被害に遭いたくない!と思っている方にはぜひとも知っておいてほしい「失敗しない事務所選びのポイント」があります。
それは,闇金問題が解決した後も手厚いサポート体制があるという点です。
ここでは,主に次の点についてまとめています。
- 解決後も連絡が来るリスクに備えた闇金対策とは
- 闇金がなかなか手を引かないのはどんな場合か
- 二度と被害に遭わないためにはどんな点に気を付けたらよいか
それでは,Q&A形式で「一度解決したにも関わらず再び闇金被害に遭ってしまったケース及びその場合の正しい対処方法」について見ていきましょう。
目次
(1)解決後に電話が来たときの適切な闇金対応とはなにか

対応後,闇金からの電話はすぐに止まりました。でも,しばらくしたらまた電話が来るようになってしまい,今も収まる気配がありません…。二度と連絡が来ないようにすることはできないのでしょうか。
地方在住の相談者Sさんは,3か月ほど前に地元の法律事務所に闇金整理を依頼しました。
数日のうちに電話はかかってこなくなったためSさんはすっかり安心していたのですが,それから2か月ほど経ったころ急に業者からまた電話が掛かるようになったのです。
一度電話に出たときには自分と通話のまま闇金が会社に電話を掛けて怒鳴っている声を聞かされて,目の前が真っ暗になったような気がしました。

実際に闇金から届いたSMS
「弁護士に頼んで終わると思ってんの?」
「いい加減,金返せ!」
「払うまでやってやる。会社にいられなくなるぞ」
 
それに加えて上記のような留守電やショートメールもバンバン入ってくるので,Sさんは再び闇金に怯える毎日を送ることになったのです。
依頼した事務所に相談したところ,「ここで対応しても攻撃がひどくなるだけだから,しばらく我慢するしかないですね」と言われて電話には出ないようにしていたものの,着信は日に日に増えていきます。
そして,ついには職場にまで毎日電話が来るようになってしまいました。

当人が電話に出るのはNG行為!かと言って,嫌がらせを放置しても被害は収まりません。解決後に取り立てが再発した場合には専門家による適切な対処が必要です。
一旦諦めたように見せたあと,しばらく時間をおいて取り立てを始めるのは珍しいことではありません。
被害者の油断を誘うという狙いもあります。喉元過ぎればなんとやらと言いますが,人は良くも悪くも忘れる生き物なのです。
 
一旦被害が収まってしまうと見知らぬ電話への警戒心もたちどころに薄れてしまい,調べもせずに折り返し連絡をしてしまうという方は少なくありません。闇金はあなたを今も狙っているということを肝に銘じて下さい。
 
弁護士が交渉した結果「これ以上は請求しない」ということで手を引いたといっても業者は個人情報を消すとは限りません。つまり,いつでも闇金の取り立てが再発するリスクは残っているのです。
うまく交渉して相手に手を引かせるには
では実際に取り立てがまた始まってしまったらどう対処するべきでしょうか。
 
執拗に嫌がらせをしてくる相手に何らの対策もしなければ事態は悪化する恐れがあります。
そのような時には,依頼した事務所に困っている状況を報告し,もう一度対応してくれるようにお願いしてみて下さい。
 
「解決しました,もう安心」では終わらない,一筋縄ではいかない悪質業者も多数存在します。また電話が来るかもしれないということを心に留めておいてください。
そのときの対処法を間違えると,依頼する前よりも過酷な状態に陥りかねない点にも十分注意しましょう。
 
なお,当事務所ではそもそも闇金被害が繰り返されることのないように相手方の行動をある程度コントロールするような交渉を心がけています。
これにより依頼者に何らの落ち度もない場合には,概ね業者の督促行為の再発は抑制されているとの成果が得られています。
もっとも解決後であっても被害報告があれば相手方への対応は随時行っていますから,「1回業者に電話したら後は何もしてくれないのでは…」という心配は当事務所においては無用です。
闇金と縁を切れない-こんな人は要注意!-
しかしどんなケースでも対応すればすぐに被害が収まるというわけではありません。次のようなケースは,通常に比べて解決まで時間がかかることが予想されます。
-
解決後に,依頼した業者から再度借り入れをした
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本人または家族がお金を払ってしまった
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依頼後も他の闇金に融資の申し込みをしている
被害者がその闇金と縁を切る気がないケースです。
もう一度対応したところで,借りられると思えばまた同じことを繰り返すことはわかっていますし,闇金もそれを知っているので何度でも罠に嵌めようとします。
本人が真剣に闇金との関係を断つ覚悟を持たない限り,このループからは抜け出せません。
弁護士・司法書士が交渉している最中に,嫌がらせに耐えかねて闇金に支払いをしてしまったらどうなると思いますか。
一時的に電話は止まるかもしれませんが,味を占めた業者は必ずまた取り立てを行うでしょう。闇金の攻撃が激化してからお金を払うのは逆効果だということです。
意外にも闇金からのタレコミで発覚することがあります。
交渉のパターンのひとつとして,相手を立てつつ「本人にはもう借りないように指導しますから今回は引いてください」ということを伝えると,先生のところがそう言うなら・・・という形で一定数の闇金は和解に応じます。
ところがそのあとも依頼者が実はほかの闇金に申し込みをしていたということが分かるとどうなるか。
「こないだはおたくの顔を立てて手を引いたけど,コイツまた申し込みしてますよ。踏み倒せばいいと思ってるんですかね。そういうことならウチも徹底的にやらせてもらいますよ」
盗人にも三分の理とでも言うのか,約束を反故にされたといって表面上怒りを見せる闇金は多いです。
彼らもメンツがありますから,あまりに馬鹿にされたような行為には黙っていないということなのでしょう。
 
さて次は,一度は解決したのにやむを得ず闇金ともう一度取引してしまったというケースについてお話しします。
(2)また借りてしまった場合の解決は難しいのか?

以前に闇金整理をしたのですが,どうしてもお金が必要になってまた取引してしまいました。前に依頼した事務所には断られてしまったのですが,何とか助けてもらえないでしょうか。
相談者Eさんは,半年前に闇金整理を都内事務所に依頼しました。
闇金問題が解決した後,Eさんはギャンブルから足を洗い,もともと相応の収入もあったため,順調に生活を立て直すことができていました。
 
ところが最近,実家で不幸があり帰省費用や喪服の準備などをするためにまとまったお金がすぐに必要になってしまいました。
給料日前で用意するあてもなく困っていたところ,以前に借りたことのある業者から着信が入ったのです。
いつもなら無視するのですが,このときは「話を聞くだけなら…」と思ってつい出てしまい,結局また借り入れをすることになったのでした。

繰り返し借りてしまう方はあなただけではありません。本気で闇金と縁を切りたいと思っている方には,いつでも手を差し伸べます。前の事務所には言い辛くて・・・という方もご相談下さい。
闇金が高笑いすると思うと大きな声では言えないのですが,完済をした(又は整理をした)のに時間をおいて業者と再度の取引をしてしまう人はとても多いのです。
「すぐに貸してくれるのはここしかないし,ちゃんと返せば今度も(今度は)大丈夫」こんな気持ちでまた借りてしまうのですが,闇金との2度目の取引には大きな危険が伴います。
恐ろしいのは,再び闇金に借りてしまったということに負い目を感じて,もう一度弁護士・司法書士に相談しようと思えなくなってしまう被害者の方がいらっしゃるということです。
当事務所は,闇金に借りたのが初めてではない方や解決後に再取り引きしてしまった方からも多数のご相談をいただいております。
困った状況にある方は早めにご相談ください。
私がこれまでにお話を伺ったなかでは,金融ブラックでサラ金からは借りられず子供に食べさせるためには闇金を頼るしかなかったと泣きながら相談してきた母親,どうしてもパチンコ(あるいはお酒,買い物など)がやめられないと依存症を告白する方など,理由は様々ですが当人だけではどうしようもない状況で再び違法金融に手を出してしまうというケースが存在しています。
 
昨今は海の向こうの影響なのか自己責任という言葉が流行のようですが,少なくとも私はこのような人々を「だらしない,自業自得」という言葉で切り捨てることが正しいと言い切ることはできないように思います。
失敗を繰り返したとしてもやり直すのに遅すぎるということはありません。
今度こそ立ち直るという強い意思をもてば,闇金問題は必ず解決できます。
 
最後に,再び電話が来ないようにどのような防止策をとればよいか解説します。
(3)これだけは守って!縁を切るための注意事項

完済して電話が来なくなったので解決したと思っていたのですが,結局生活が苦しくなってまた借りてしまいました。家族に電話されるのは困るので相手からの連絡を無視することはできません。どうしたら闇金と縁が切れますか?。
被害者のYさんは,闇金に自身の勤務先のほかに家族全員の連絡先を教えており,「お前が電話に出なかったら親に請求する」,「会社の回線潰すぞ」等と脅されていました。
 
仕方なく業者からの連絡に応じると,金を払えと毎日矢のような催促です。結局,親族や友人に次々借金を申し込んでは業者への返済に充てる日々を送るしかありませんでした。
無理をして完済するとしばらく電話が来なくなるので解決したような気持になるのですが,多額の支払いで生活が圧迫されるので,ひと月もしないうちにまた借りてしまいます。
 
「依頼した司法書士には闇金からの電話には出ないように注意を受けました。でも,電話に出なかったら家族や職場に迷惑がかかると思うと,とても無視できません。私にだけ連絡が来るようにできたらいいんですけど…。」と不安な様子のYさんは,すでに親戚や知人に総額で100万円以上を借りまくり,その全てを闇金へ渡していました。

あなたが電話に出ている間は闇金と縁を切ることは叶わず,従って家族が迷惑を被る可能性も依然残ってしまうことになります。当人・関係者が闇金との接触を完全に断つことが迅速な解決に繋がります。
上記は,周りに連絡をされたくないと思うあまり,結果的にはそれと同等以上に迷惑な金銭的負担を関係者に強いてしまうというケースです。
お金を払ってもそれは一時的な解決にしかなりません。闇金に吸い上げられるだけのお金を借金で賄うことが,果たして本当に家族や職場の安全に繋がるでしょうか。
 
当事務所では相手方へ連絡を入れる前に,必ず着信拒否やショートメールの受信拒否の設定など複数の闇金対策をお願いしています。
電話に出ないというだけでは決別のメッセージが伝わりません。
また,解決後も闇金からの連絡をシャットアウトし続けることが大事ですので,着信拒否の設定はそのまま継続してもらっています。
 
しっかりと対策をとることで闇金に,このように思わせることができます。
- 「回収できるとしてもこれは相当時間がかかるぞ」
- 「どのくらい追い込みに手間がかかるだろうか」
- 「もう一度借りさせるのは無理そうだな」
 
闇金ほど「時は金なり」を地で行く職業はありませんから,面倒なうえに実入りが少ないとなれば回収を諦めて手を引くでしょう。
まとめ
闇金の嫌がらせを再発させないポイントは次のとおりです。
 
- 解決後も闇金に対応してくれる弁護士・司法書士を選ぶ
- 繰り返し借りてしまう人は,闇金と縁を切る覚悟と強い意志を持つ
- 闇金との接触を完全に断つために着信拒否等の設定を継続する
 
しっかりと対策して平穏な生活に戻りましょう。
もう闇金被害に遭いたくないという方はぜひ当事務所にご相談ください!