給料債権の買取をうたい違法な貸金業を営む給料ファクタリング業者「日本強運堂」の代表者らが逮捕されたことが報道されました。
■記事の概要
- 「給料ファクタリング」と呼ばれる新手のヤミ金融を営んでいたとして,東京都にある会社の役員らが逮捕された。
- 逮捕されたのは,「日本強運堂」(渋谷区)の代表取締役ら男女5人。去年7月までのおよそ1年間に,無登録で5名に対し33回に渡って合計約163万円を貸し付けた,貸金業法違反の疑い。
- 給料債権を前もって買い取り,手数料を差し引いた分の現金を貸し付ける「給料ファクタリング」と呼ばれる手口で,インターネット上広告により全国から客を集めていたとみられている。
- 警察は,5人が全国の1200人以上にあわせて1億円以上を違法に貸し付けていたとみて捜査するとともに,違法金利にて貸付けを行う出資法違反の疑いでも調べている。
※NHK NEWS WEB(https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210226/7000031168.html) 2021/2/26 19時22分配信記事より。
かつて強運堂は数ある給料ファクタリング業者の中では荒っぽい部類に入る取立てを行っていた過去がありましたが,給料ファクタリングに対する風当たりが強くなってきた昨年初頭あたりから鳴りを潜め,次第に営業を縮小していたという経緯がありました。
昨年秋頃から給料ファクタリング業者が相次いで摘発され始めた頃からは,HP自体はしばらく残っていたものの消息不明といった状況でしたが,今般の給料ファクタリング摘発の流れの中でついに貸金業法違反にて逮捕されるに至りました。
なお,現在捜査中と書かれている出資法違反についても,強運堂が同法の制限を大幅に上回る金利で取引をしていたことは当事務所の多数の相談事例からも判明しています。
無登録で高金利の貸付けを行う,まさに闇金そのものなのです。
Dラインや七福神,ルネディオなどの相次ぐ逮捕を受け,闇金同然の給料ファクタリング手口についての実態解明が一層注目されます。
また,現在給与ファクタリングの類似手口として多数の被害者を出しているつけ払い後払い業者に対してどのように影響が及ぶのかも注目されるところです。
★後払い現金化業者については「ツケ払い・後払い現金化業者一覧」をご覧ください。
・給料ファクタリングに代わる「後払い現金化」―新たな"闇金"手口として専門家が警鐘
・給料ファクタリング「ルネディオ」の元代表者らが逮捕されました
・七福神の給与ファクタリングは違法で無効,全額返還を命じる判決
・給与ファクタリング「七福神」の代表者ら逮捕
・【金融庁見解】「給料ファクタリングは貸金業」無登録業者はヤミ金融