闇金って何が違法なの?消費者金融と闇金融の違い

公開日:2022/01/21更新日:2022/01/21

カテゴリー:相談員, ブログ タグ:

相談員の嶋村です。

私たちがよく耳にする消費者金融と闇金は何が違うのでしょうか?消費者金融はかつてサラ金と称されており,その文字数がヤミ金と同じであるため,一瞬似たようなものを想像してしまうかもしれません。
しかし全く違うのです。適法な貸金業者か,そうでないかという点が違います。

そもそも貸金業って?

消費者金融のイメージ

まずは「貸金業」の法律上の定義を確認してみましょう。

貸金業法 2条1項
この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。

「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介で業として行うものをいうとされています。
簡単にいえば,他人にお金を貸す事業は貸金業にあたるということです。逆にいえば友人同士での一時のお金の貸し借りは貸金業にあたりません。

貸金業者と闇金の違い

では貸金業者と違法業者である闇金の具体的な違いを見ていきましょう。

比較

貸金業の登録の有無

貸金業に該当する行為を行う場合は,貸金業の登録が必要です(貸金業法3条1項)。
そして,「貸金業者」とは上記の貸金業の登録を受けた者を指します(同法2条2項)。CMなどでおなじみの消費者金融業者は貸金業の登録を受けています。

一方,闇金は貸金業の登録を受けていません。そのため,闇金は貸金業法上の「貸金業者」ではありません。

そうすると,闇金は貸金業法の規制を受けないのではないかとも思われますがそうではありません。
闇金にも適用されるべき条文については,その対象が「貸金業を営む者」と表現されています。例えば,取立行為の規制を規定している貸金業法21条1項柱書などがそうです。

(取立て行為の規制)
第二十一条一項 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。

貸金業の登録の有無は,金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで調べることができます。

金利の違い

金利面からみても明らかに違います。貸金業者は出資法で定められている年利20%を超えることはありません(出資法5条2項)。

一方,闇金は出資法にかかわらず異常な高金利に要求を行い,その金利は年利1000%を超えるケースが殆どです。ウシジマくんで広まったトゴとは10日で5割の金利であり,年利にすると1825%にあたります。実際トゴを要求する闇金も多数存在します。

1万円札

広告の違い

闇金の広告

続いて,借入の扉口ともいえるHPや広告の違いも見てみましょう。貸金業者の場合は広告を記載するにあたり下記の表示が必要となります(貸金業法15条1項各号,同法施行規則12条,11条)。

 

  • ・貸金業者の商号、名称又は氏名及び登録番号
  • ・貸付けの利率
  • ・返済の方式並びに返済期間及び返済回数
  • ・賠償額の予定を定める場合はその賠償金の元本に対する割合(いわゆる遅延損害金)
  • ・担保が必要な場合には,その担保に関する事項
  • ・貸金業者登録簿に登録されたホームページアドレス又は電子メールアドレスを表示し、又は説明するときは貸金業者登録簿に登録された電話番号

貸金業者は,法律を守り,上記の表示をした上で広告を行っています。
しかし,そもそも貸金業者ではない闇金は,ほとんどまともな表示をしていません。
また,表示をしていたとしても,出資法の上限を超える違法な金利の表示や,返済の方式として「ジャンプ(利息だけを支払う)」という記載があるのが精々です。
NG広告の例

借入時の違い

貸金業者から借り入れをする際は必ず事前の審査が必要となります。
たとえば信用情報が利用されて借入状況を調べられたり,収入証明の提示を要求するなどの審査があげられます。

一方,闇金の審査はそれほど厳密なものではありません。
個人情報の聞き取りや身分証の提示,職場の在籍確認などはありますが,信用情報を調べることはできません。

取立行為の違い

貸金業を営む者は,正当な理由がないのに,債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ,電報を送達したりFAXを送信する,又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問することは禁止されております(貸金業法21条1項1号)。そのため,貸金業者が正当な理由なく上記のような取立てを行うことはありません。

一方,貸金業法を守る気のない闇金はというと,1日に何度も就業場所へ電話をしてきたりFAXを大量に送り付けたりします。ひどい場合にはいたずらで大人数分の出前を届けるという行為も見られます。もはや取立てというより悪質な嫌がらせです。

まとめ

以上にみてきたとおり,消費者金融と闇金は全くの別物です。

消費者金融は,法律上「貸金業者」と定義づけられ,様々な規制の範囲内で適法に営業しているのに対し,闇金は,違法に好き放題な営業をしている犯罪者集団です。
闇金と関わることは,その犯罪者集団に食い物にされることを意味しますので絶対に避けなくてはなりません。

借り入れができなくなり生活が苦しくなってしまった場合には,まずはいままで利用していた正規の貸金業者に相談してみてください。貸金業者は返済に関する助言をしてくれる団体を紹介してくれるはずです。また,相談することにより月々の返済負担額が緩和される場合もあります。
もし多重債務に陥ってしまった場合にはお近くの相談窓口に問い合わせをしてみてください。

多重債務についての相談窓口(金融庁)

闇金とすでに取引を始めてしまった場合は,司法書士や弁護士などの専門家にもご相談ください。
相談窓口を設けることで,解決できることもあります。一人で抱えこまないことが何より大切です。もちろん当事務所でもご相談を受け付けておりますので,お気軽にご連絡ください。

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